レビュー一覧
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高井さやかさん 「墓泥棒と失われた女神」 7/19(金) Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下にて鑑賞 |
大人のための哀しくも美しい絵本のような映画に出逢った。今回ご紹介する「墓泥棒と失われた女神」である。 忘れられない恋人の影を追い、英国からトスカーナの田舎町を訪れた主人公のアーサー。遺跡を発掘できる不思議なダウジング能力を持ち、墓泥棒をして埋葬品を売り捌き、日銭を稼いでいる。 ギリシャ神話のオルフェウスの悲恋をモチーフにつくられているという本作。墓を掘り返すという行為が過去と未来を繋ぎ、彼が探し求めている幻想(キメラ)に、いつの間にかこちらまで魅せられ導かれる不思議な没入感がある。80年代のどこか懐かしい雰囲気を纏いながら、面白いテンポで進む物語には新しさも感じる。また、主人公が考古学を愛しながらも貧しさから仲間たちと墓を暴く姿や、寄り添い合いながら生きる女性たちなど格差社会の問題も見事に描かれている。 主演のジョシュ・オコナーは、6月公開「チャレンジャーズ」(24)でも野生的で魅惑的なテニスプレイヤーを演じ、素晴らしい存在感を発揮していたが、本作でもどこか憂いのある眼差しや、子供の様な笑顔が余りにも魅力的で、今最も熱い俳優の1人だろう。アリーチェ・ロルヴァケル監督の魔法に魅了される贅沢な時間を、是非劇場で味わって欲しい。 |
すずかさん 「キングダム 大将軍の帰還」 7/14(日) 109シネマズ グランベリーパークにて鑑賞 |
壮大な世界観!そして、大将軍の迫力!思い返すと、今でも興奮が止まりません。映画「キングダム」は今回でシリーズ4作目となりますが、今回初めて「キングダム」を鑑賞する人でも、世界観と大将軍の迫力に圧倒されること間違いなしです。 今作は、大沢たかおさん演じる天下の大将軍王騎がメインのストーリーになっています。私は王騎のかっこ良さに影響を受けて、鑑賞後に思わず『私も将軍になる!』なんて叶わぬことを口にしていました(笑)。そのくらい王騎に魅了された私にとって、キーポイントは、大将軍のカリスマ的リーダーシップです。 王騎の瞬発的かつ的確な判断と圧倒的な強さは、率いる軍を一致団結させ、どんな場面でも立ち向かう姿勢を崩しません。そして、王騎自身も大将軍としてのプライドを持ち、常に強腰で絶対に弱さの隙も見せません。その頑固たる信念が、大将軍としての存在感を放っています。そんな王騎のカリスマ的リーダーシップに、私も憧れを抱きました。 この映画は、王騎の迫力はもちろん、スケールも大きく見応えが抜群です。熱いバトルには、観ている側も手に汗を握り作品にのめり込んでしまいます。サブタイトルにある「大将軍の帰還」が何を意味するのか、是非鑑賞して感じてほしいです。 |