レビュー一覧
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高山はる菜さん 「映画の朝ごはん」 11月17日(金) シネスイッチ銀座にて鑑賞 |
ポパイ。なんと偶然にも今月エキストラで参加した折、それを頂く機会に恵まれたのです!皆さんはポパイご存知でしょうか?映画業界内では伝説と噂に聞いたことがあったあのポパイ。まだありつけていないスタッフの方の分であろう段ボールに取り残されていた憧れのあのポパイ。その正体は、『映画の朝ごはん』として定番となっているロケ弁当なんだそう。私もいつか食べてみたい、そう思っていました。 これは、そんなお弁当屋さんポパイと、映画制作の裏側を写したドキュメンタリー。そこには、映画には写らない、映画づくりを支える、ポパイのお弁当を作る人達の仕事ぶりと、裏方で働く方々の大変な苦労と映画愛が映されていました。なぜポパイが撮影現場に愛されているのか。映画はいかにして、どれだけの時間とお金が費やされ、どれだけの人々の労力と愛情が結集されつくられているものなのか。業界用語や映画史もあわせて知ることができ、映画好きとしてはさらに映画を大切に観たいと思わずにはいられなくなりました。 とにかく映画を届けてくださる全ての関係者の皆様へ、感謝の念を伝えたくてたまりません。この場をお借りして、素敵な映画たちをありがとうございます! |
村上梨緒さん 「法廷遊戯」 11月19日(日) Tジョイ横浜にて鑑賞 |
『最後の無辜ゲームをしよう』-学生時代の親友に呼ばれ、主人公の久我清義は数年ぶりに母校へ向かう。しかし親友は死亡しており、その脇ではもう1人の親友が血のついたナイフを持って震えていた。『被害者は親友で、その被疑者はもう1人の親友であり自身の弁護相手』という複雑な立場に置かれた主人公がこの殺人事件のカラクリを解いていくのが本作の主なあらすじだ。 謎が謎を呼び、過去が過去に結びついていく展開が続いており、100分弱という短い上映時間とは思えないほどの濃密な映画体験であった。『法科大学院の学生』という主人公たちの設定を聞くと選ばれた一部のエリートたちの物語のような印象を受けるが、彼らが抱える問題は私たちと共通しており、時に私たちが被害者にも加害者にもなり得るような事柄であった。殺人事件の裏には何があったのか、そしてその謎を解くことで何が明らかになるのか―全ての謎が明かされたとき、私はそれぞれの重すぎる思いを感じると共に、この社会を構成する1人として何が出来るのか思わず考え込んでしまった。 華のある若手俳優を中心に置きつつ、周りには経験豊富な中堅俳優を据えるというキャスティングも妙であった。『イケメン好きな若い子向けの作品でしょ』なんて思わず、是非多くの人に観てもらいたい作品だ。 |