レビュー一覧
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山﨑 光さん 「違国日記」 6/8(土) TOHOシネマズ日比谷にて鑑賞 |
事前情報は予告を拝見したくらいだったのですが、昨年公開された「正欲」(23)にて今までのイメージをがらっと覆した新垣結衣さんに『またガッキーっぽくなさそうな作品だ、、』と思ったことを覚えています。 脚本・演出・キャスト陣どれをとっても素晴らしく、物語に引き込まれました。特にメインキャストの2人。不愛想で人付き合いが苦手、でも心の中に人知れず激情を隠し持った槙生を演じる新垣結衣さん。初めて見る風変りな大人(槙生)に戸惑いながらも持ち前の天真爛漫さで槙生の心を動かしていく朝を演じる早瀬憩さん。この2人の距離感や空気感が絶妙なんです。 大抵フィクションでは、わかり合えずとも、わかり合おうとし、わかり合って、物事が良い方向へ進んでいく印象があります。でも根っこの部分でわかり合えないんです。彼女たちは。というよりも、わかり合おうともしないという方が近いかもしれません。親を亡くした悲しみを抱えた思春期真っただ中の不安定な朝。朝の母親/自身の姉を嫌う槙生はそんな朝を相手にしても、常々小説家らしくシンプルに飾らず素直に自身の思いを伝えます。本作のキャッチコピーは『わかり合えなくても寄り添えることを知った』。わかり合ってはいないけれど寄り添い想っている、朝と槙生の定義づけできない関係性が大好きです。ずっと見ていたいと心の底から思いました。 |
すずかさん 「ディア・ファミリー」 6/19(水) ららぽーと横浜にて鑑賞 |
こんなに号泣した映画は何年振りかな、と思うくらい泣き崩れました。今も目を真っ赤にしながらこのレポートを書いています(笑)
「ディア・ファミリー」は、生まれつき心臓病を持って生まれた筒井一家の娘よしみのために、医療知識のない工場経営の父親が人工心臓を作ろうと奮闘する、実話を基にしたストーリーです。 父親が娘を一心に思い、未知の世界に飛び込み挑戦する姿は、周りの登場人物の挑戦までも本気にさせます。障壁にぶつかり砕けそうになりながらも、周りに助けてもらいながらよしみとの夢をひたむきに追いかけて立ち上がります。パッションは人を動かすんだな、と再認識させられます。なんだか、見ている私までもモチベーションが上がりました。 しかし、注目する点はそれだけではなく、筒井一家の家族愛にも魅了されます。筒井一家みんながよしみを思い、よしみの気持ちを第一に考える姉や、素直でまっすぐな愛情表現をする妹、家族を支える母親の姿に、心が熱くなります。そんな愛情たくさんの筒井一家に応えるように、いきいきと生きるよしみの姿にも勇気づけられます。家族愛の描写にほっこりとした気持ちになり、夢を追いかける姿では前向きな気持ちにさせてくれます。ハンカチとティッシュ必携で、ぜひ劇場に足を運んでみてください。 |