レビュー一覧
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富元靖雄さん(男性/30代) 「帝一の國」5月2日 新宿ピカデリーにて |
『あー、すごく面白かった!!』これが鑑賞後の率直な気持ち。正直、期待していた以上の面白さに加え、清々しさと満足感で心をいっぱいにさせてくれる映画です。誰しもが一度は描く将来の夢。大小あれど、何かを夢中になって追い求めている人を見ると、その人を魅力的に感じ、不思議と応援したくなるものですね。その夢が大きければ大きいほど、その夢への推進力は計り知れないものがあります。 今回はそんな夢を追いかける人、目指すものへ無我夢中になる人を描いた作品として「帝一の國」をご紹介します。赤場帝一こと、主演を演じるのは菅田将暉。私自身、菅田将暉をあまり知らなかったのですが、映画鑑賞後、『菅田将暉が演じてくれて本当に良かった!!』と思えるほど、役がハマっていました。 さて、物語は全国屈指の頭脳を持つ800人のエリート学生たちが通う、日本一の超名門海帝高校が舞台です。新一年生の赤場帝一の夢、それは『総理大臣になって、自分の国を作る』こと。そのために入学式から生徒会長選挙に向けて、突っ走っていく帝一。何事にも全身全霊、本気も本気、常に全力です。それもそのはず…実は政財界に強力なコネを持ち、海帝で生徒会長をつとめたものには、将来の内閣入りが確約されているのです。 これまでいろいろな映画を観てきましたが、映画館の中で声をあげて、思わず笑ってしまうという初めての体験をしました。私のみならず映画館に来ていた人達のほとんどが笑いの渦に包まれていました。一つ一つに真剣な帝一の姿勢が、スクリーンを貫いて伝わってくるほど熱く、心地良いほど真っすぐな面白さ。また生徒会長になるべく帝一は親友の榊原光明とさまざまな作戦を練っていくのですが、それはまるで三国志の劉備と諸葛孔明さながらのナイスコンビ!!頭脳明晰な光明、自作の秘密兵器を使って、帝一を勝たせるべく陰ながら支えるその存在が本当に頼もしく、二人の信頼関係と絆に大いに惹かれます。 主演の菅田将暉をはじめ、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大など、今が旬の俳優陣でひしめく中、誰一人として埋もれることなく、生き生きとそれぞれのキャラを余すことなく発揮。映画全体のテンポの良さもさることながら、全く無駄のないストーリー、笑えるシーンでも、シリアスなシーンでも、泣けるシーンでも、最後の最後まで抜け目のない118分、すべてがきちっと意味のある内容でした。さまざまな要素を、このさじ加減で映画の中で表現することができた本作は、まさに唯一無二でしょう。出会えて幸せになれる映画でした。 |
石田桃子さん(女性/10代) 「名探偵コナン から紅の恋歌」4月25日 TジョイSEIBU大泉にて |
毎年恒例春のコナン映画を今年も観に行ってきました。コナン映画の魅力といえば「推理・アクション・ラブコメ」ですが、今回の「から紅の恋歌(ラブレター)」は近年の作品に比べてラブコメ要素が強いように感じましたが、爆発シーンなどのアクションもしっかりあり、映画館の大きなスクリーンで見ると凄い迫力でした。 今回は京都が舞台で、西の高校生探偵の服部平次と平次の幼馴染の遠山和葉メインで、話の核となる部分は「百人一首」「和葉の恋のライバル出現」です。大阪にある日売テレビで、爆破事件が生し、大パニックになります。まるでテロのような事件、しかし犯人の目的もわからない不可解な状況に違和感を禁じ得ないコナンと平次。爆破騒動の中、コナンは平次の婚約者だと言い張る女性と出会います。その名は、大岡紅葉。 時を同じくして京都・嵐山の日本家屋で、殺人事件が発生。コナンと平次は大阪府警・京都府警とともに、2つの事件に関する捜査を始めます。やがて、次々と捜査線上に浮かび上がる謎の存在。紐解いていくと、そこには「百人一首にまつわる共通点」が隠されていました。大阪と京都、2つの事件が1つに繋がる時、仕掛けられた運命の歯車が加速し始めます。 大迫力のアクションシーンにハラハラドキドキしたと思ったら、平次の和葉や新一と蘭の恋に胸キュン。色々詰まった素敵な作品でした。アクション、恋愛、推理どれをとっても2、3回観に行きたくなる面白さだと思います。私が観に行った日も子供から大人まで色々な世代の人が観に来ていました。どの世代の人が観ても楽しめる映画なんだなと感じました。 そして主題歌が映画の雰囲気にとてもあっています。「から紅の恋歌」のために書き下ろされた倉木麻衣さんの「渡月橋 ~君 想ふ~」は、映画の世界観が色濃く反映された一曲だと思いました。「から紅に染まる渡月橋~」というフレーズから始まるサビが印象的で、サウンド的にも和楽器などが取り入れられ、映画の情景が主題歌からも感じられました。曲も含めて「から紅の恋歌」は面白い映画でした。来年の春の次回作も今から楽しみです! |
北 奈々さん(女性/30代) 「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」 5月6日 角川シネマ新宿にて |
『人生は、思うように生きていいんだよ』そんなステキなメッセージが感じられるすばらしい映画をご紹介します。アメリカで有名な絵本作家であるターシャ・テューダーと、その暮らしをテーマにしたドキュメンタリー映画「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」です。 バーモント州の山中で、朗らかな笑顔を浮かべながらコーギー犬とともに幸せに暮らすターシャは、近隣に住む息子や孫夫婦などにも支えられながらも、自然や動植物に囲まれながら19世紀頃のアメリカンスタイルを貫きつつ日々生活を楽しんで暮らしています。古き懐かしい農家のような造りのお家に住み、花で彩られた庭を手入れし、小動物とともに生活を送るターシャは、まるで森の中に住む優しい魔法使いのおばあさんのよう!子どもの頃にどこかで読んだような絵本の世界に出てくるような雰囲気のある女性で、一目見て大好きになりました。 春夏秋冬、季節の移り変わりを身にしみながらも、自然と動植物と共存しながら生きる彼女の姿をスクリーンを通して見ていると、時間に日々追われながら生き急ぐような毎日を過ごす自身にとって、『生活』とは何なのかを改めて見直したくなるような気持ちに駆られます。 映画では大きなスクリーンいっぱいに広がる庭の美しさや、アンティークや手作り感溢れる家の中を見ているだけで、まるでターシャの家へ遊びに来ているような気持ちにもなります。これは映画館ならではの楽しみ方です。 また、ところどころターシャが手がけた絵本が出てきますが、その中でもコーギー犬は特に活躍しています。映画の中ではちょっとしたアニメーションによる演出もあって、コミカルで可愛らしい要素もあり、コーギー犬の愛くるしい可愛らしさにも思わず目を奪われてしまいました。 そして何よりもすばらしいのはターシャの人生観、哲学も同時に学ぶことができること。90年以上も長生きをしてきた中で苦労も多々あっただろうに、その言葉には漲る力と包容力のある温かさがあり、またキャッチフレーズにもあるように『静かな水』のようにとても心に響くのです。ほっと一息つきたいとき、何かに追われていて心が折れそうなとき、また自分自身を見つめ直したいとき、そんなときにはこの作品を見てもう一度自分自身のあり方を見つめなおすのもいいかもしれません。 貴方だけのターシャのステキな『言葉』を映画を通じてぜひ見つけていただけたら嬉しいです。 |
なおとさん(男性/30代) 「グレートウォール」 5月6日 TOHOシネマズシャンテにて |
映画を楽しむことが大好きで、映画館のスクリーンで観ることは生活の一部になっています。皆様に映画の楽しさをお伝えできるようにがんばります。今回はマット・デイモン主演の「グレートウォール」をレポートしようと思います。この作品はアメリカと中国の合作で、歴史ファンタジーであり、歴史アクションです。巨匠チャン・イーモウ監督による万里の長城を舞台にした、リアリティーある、素晴らしくとてもたくましい内容です。 戦闘シーンは、俳優陣の武器(弓)の使い方が上手く、迫力があり、CGもきれいに仕上がった完成度の高いデザインです。ウィリアム役のマット・デイモンと司令官役のジン・ティエンが、チームを組んで強い敵に積極的に立ち向かい、万里の長城を一生懸命守るために大量のモンスターに槍や武器を巧みに使って戦う姿は、チームワークを大切にしているところがすごく印象に残りました。マット・デイモンは色々な役ができるので中国のスタイルの中にマット・デイモンらしさが出ていると思います。衣装が似合っていたのと演技の良さが引き出されていました。万里の長城の下に潜むモンスターに爆弾みたいなものを投げて見事命中し、爆発と同時に周りのモンスターをやっつけたシーンでは、お手柄だと思いました。マット・デイモンがアジアを舞台にしたハリウッド作品とあってファンは必見です。 中国の女優ジン・ティエンにも注目です。万里の長城を守る司令官役でアクションの演技に魅力があり、重要な役割を担っています。司令官らしさが出ており、万里の長城を大切にしていて最後まで万里の長城に残って守り続けることで責任感の強さが伝わりました。恰好良い戦い方をしていてこれらの役柄には憧れます。モンスターを退治する演出は、迫力があって、チームで万里の長城を守っていることもとても伝わります。 全体的に特殊効果音や脚色など他にも良いところを兼ね備えた完成度の高い作品だと思います。恰好良くて楽しくて感動する作品です。ハリウッド映画、中国映画がお好きな方、ぜひ足を運んでみてはと思います。 |