レビュー一覧
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榎本泰之さん(20歳/大学) |
普段は、毎日映画ニュースをチェックしながら公開前の作品を楽しみに待ち、一方で興味のある作品はなるべく映画館で観ようとして日々を追われています。 2010年は(私事ですが)大学にも入学し、忙しい中、年間を通して66本もの作品を鑑賞する事が出来ました。月平均は、5.5本。今まであまり観なかったような作品にまで手を出して、映画の多様性に気づき、更なる可能性を深く実感しました。 私は、名作と言われている作品を選んで観るよりもむしろ、様々な作品を観て、隠れた名作や世間には注目されなくても自分にとって印象的な作品を探すのが好きです。本年では、「ソラニン」や「君に届け」「マイレージ、マイライフ」などがそれに当たります。しかし、それ以外にも2010年は邦画・洋画どちらも、前年に比べて良い作品に恵まれたように思えます。洋画では質も高かった3D映画が大ヒットし、一方で「悪人」や「キャタピラー」など、多くの邦画が海外で注目を浴びました。このいい流れがさらによい循環へとつながっていくことを願っています。 2010年のベスト5〈邦画編〉 1位 悪人 2位 最後の忠臣蔵 3位 必死剣 鳥刺し 4位 ソラニン 5位 今度は愛妻家 2010年のベスト5〈洋画編〉 1位 マイレージ、マイライフ 2位 トイストーリー3 3位 インセプション 4位 (500)日のサマー 5位 ナイト&デイ |
杉山さん(女性/専門学校講師) |
観ました。会員証をいただいてからの十ヶ月間、新作映画を満喫させていただきました。ロードショー作品111本、これだけ映画館へ通ったのは初体験でした。 特に意識して邦画をたくさん観ました。2010年は「告白」「悪人」「ノルウェイの森」などベストセラーの映画化も多く、映画と前後して原作を読み返したのも良い経験になりました。仕事柄、学生へ映画を薦める機会も多いのですが、原作と映画の両方を説明して薦めた際、学生が映画の感想を述べるだけでなく、「本を読んだ」「本を貸して」と言ってくることが頻繁にあり、原作と映画の相乗効果を肌で実感しました。 時代劇も印象に残っています。私は血が飛び散るシーンがダメなので激しい殺陣は基本的にパスなのですが、「座頭市THE LAST」「必死剣鳥刺し」「十三人の刺客」の迫力溢れる殺陣に思わず引き込まれました。また、男女逆転世界の「大奥」、刀ではなくそろばんが主役の「武士の家計簿」といった、今まで観たことのない新しい時代劇の世界観はとても楽しめました。 2010年の手帳を見直してみて、当たり前ですが3日と開けずに映画の記録があり、他にも観劇、美術鑑賞を約40本づつ、ライブに10本出かけたので、まさに「ぴあ」三昧、逆に人と会うことは極端に少なくならざるを得なかった部分もありましたが、忘れられない一年になりました。それでも、気になった作品を全て制覇することは出来ず、もっと観る時間があったら良かったのに……との思いも残りました。一年間、映画とじっくり向き合わせてもらう機会をいただいた企画に感謝の気持ちでいっぱいです。また改めて思ったことは、映画の世界は実に奥は深く、自分がその魅力に惹きつけられている、ということ。これからも多くの作品を観続けてゆきたいと思います。 |
男性・29歳/会社員 |
幸運にも『ぴあ』の日本アカデミー賞協会・読者特別会員として選んでいただいてから1年が経ちました。幼い頃から映画が大好きだった自分ですが、昨年は、自分の人生の中で最も映画に触れたと断言できる1年になりました。 一般の一映画ファンに過ぎない自分の手元に夢にまで見た会員カードが届き、「ああ、本当にすごいチャンスをもらったんだな」と興奮しました。その日からというもの、時間が空けば必ず劇場に足を運びました。3D元年とも言えるまさに3D大作が目白押しだった年とあって、行ったことのなかった劇場も含め、同じ作品を複数の映画館で観比べる、なんていうとても贅沢な試みも実践してみました。 そんな中で、年末の「優秀賞」の投票に参加できたことも、自分にとって興奮そのものでした。この投票の権利が欲しくて応募をしたということもあり、投票用紙に記入するときは、感激で手が震えてしまいました。例年になく邦画が海外で評価された昨年のラインナップの中で、改めて、重厚な脚本とその本を演じ切る、確固たる実力を持った俳優の力量が延いては作品そのものの世界観を支配し、目の肥えた世界の映画ファンの心をも掴むのだなと再認識しました。 そんな中で選出された「優秀賞」の受賞作、受賞者は文句なしに一流といえる豪華な顔ぶれです。今からこの一年の総決算である授賞式に赴くのが本当に楽しみでなりません。この一年の貴重な経験を大切にし、また、いつものように劇場に足を運ぼうと思っています。そしてまた素敵な作品、素敵な俳優さんに劇場で出会えることを楽しみにしています。 |
室岡陽子さん(女性・58歳/アルバイト) |
2011年もめでたく明け、毎年恒例我が家の行事、元旦朝イチ映画「武士の家計簿」を大雪の盛岡で家族と一緒に楽しく鑑賞してきました。刀をそろばんに替えて、静かに生き抜いて行く幕末の下級武士一家の物語は、時代劇といえばチャンバラのイメージを覆す異色のホームドラマとして、出色の出来でした。日々の積み重ねに家族の歴史がオーバーラップして、たとえ貧しくとも誇りを失わず、家族が力を合わせて明るく生きて行く姿に思わずホロリ。存在感のある父親像を見せてくれた堺雅人、コミカルで品のいい松坂慶子、貫禄の草笛光子、ほのぼのとした仲間由紀恵、シャープな印象のナイスじい西村雅彦など演技陣も充実。年明けを飾るにふさわしい映画で、今年を始める事ができて私も大満足の作品でした。 さて、今年もどれだけ沢山の映画を見る事ができるのか。そしてどれだけ新しい発見や感動、出会いがあるのがあるのかが本当に楽しみです。昨年は幸運にもぴあ特別会員として、日本アカデミー賞に一票を投じる事ができ、本当に嬉しい一年でした。物心ついて以来、いつも映画を見てきました。涙も笑いも怒りも感動も、様々な人間の姿に映画を通して触れてきました。そして、様々な国の様々な人種、歴史、文化、今自分が生きている世界がどのようなものであるのかを私は映画から学んできたような気がします。さらに無限に広がる夢と想像の世界の素晴らしさ、本当に映画の魅力は尽きる事がありません。私の子供の頃の夢は、家で映画が見られたら、そして無料で映画館に行けたらというものでした。ビデオやDVDの登場で最初の夢はほどなく実現し、不可能と思われた二番目の夢も日本アカデミー賞とぴあ誌のおかげで叶えられ、もう思い残す事はないくらいです。これからも死ぬまで映画を見続けて『映画の神様』にお返ししたいと思っています。本当に有り難うございました。では皆様、又映画館でお会いしましょう! |
藤井さん(女性/建築士) |
日本アカデミー賞会員を1年間させていただいて、本当に楽しく過ごせました。たくさんの作品を観られたし、普段は観ないような作品も観ようという気持ちになりました。それにしても、邦画だけでも随分とたくさんの作品が作られているんですね。今まで小さな作品はあまり知る事が無かったのですが、今年は日本アカデミー賞会員として「投票」するのだと思い、色々調べて作品を観てみました。若手監督から年配の監督まで、色々な方が映画を作っていて、映像、音楽もそれぞれ違うのですね。たくさんの映画を観て比べるとそれぞれの良し悪しが見えてきて、とても面白い感覚を味あわせていただきました。所詮素人なので、難しい偉そうな事は語れませんでしたが、映画を観るのは一般の方なので、一般の意見として、今年一杯、感想を書かせていただきました。楽しかったです。 映画を観てキチンと意見を残すと再度映画の内容を辿ることになるので製作者の意図が少し見えてきて、もう一度観てみたいと思う作品がいくつもありました。どこかの解説者のようですが、本当に映画って面白いですね。これからも、この経験を生かして、色々なジャンルの映画を観て行きたいと思っています。映画は、年を取っても続けていける趣味だし脳の活性化にも繋がるので、たくさんの年齢の方に映画の楽しさを伝えて行ければと思っています。本当に1年間、ありがとうございました。 |