レビュー一覧
|
佐々木悠衣さん 「先生、私の隣に座っていただけませんか?」9月22日 MOVIXさいたまにて鑑賞 |
黒木華さん演じる早川佐和子、柄本佑さん演じる早川俊夫の漫画家夫婦の話です。俊夫は佐和子の担当編集者と不倫をしています。ある日、俊夫は佐和子の部屋で自分の不倫の様子がそのまま描かれているネームを見つけ、困惑します。恐る恐る読み進めていくと、次第に佐和子と佐和子が通う教習所の教官との恋の様子が描かれていき、俊夫は精神的に追い詰められていきます。このネームは現実なのか、フィクションなのか… 私は、この映画はリアルを追求している映画だと感じました。まず、サウンドトラックが少なく、環境音がよく聞こえるので、自分が映画の中の人達と同じ空間にいるような緊張感や気まずさをリアルに感じました。また、劇中で佐和子が描いている漫画もとてもリアルで、佐和子自身の不倫をそのまま描いているのか、それともフィクションを描いているのか、俊夫と同じ気持ちで物語を楽しむことが出来ました。佐和子が描く漫画の続きがとても気になります。 第44回日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞を受賞された黒木華さんの演技は、やはりとても惹きつけられるものがありました。映画を最後まで見るとタイトルの意味がわかるので、感染対策を徹底してぜひ劇場で『リアル』を感じていただきたいです。 |
神月 淳さん 「オールド」9月27日 横浜ブルク13にて鑑賞 |
とても解りやすいストーリー構成で、複雑な伏線等が無く、グロいシーンもほとんど無かったので、スリラー作品の割には、どなたにもかなり観やすい映画ではないでしょうか。 伏線だらけの難しいスリラーや強めの画が好きな人には、少し物足りないかも知れませんがその分、中々しっかりとしたメッセージ性があり、日常をなんとなく過ごしてしまいがちな私などには、少し違った意味合いでゾッとするような部分もありました…笑。同時に、老化が進行していく難病の事を思い出しました。自分に与えられたいつ終わるかわからない時間の使い方や、日頃の行いを見直すきっかけにもなり得るでしょう。 また、歳を重ね、老い、死に向かっていく事への不安や怖さも少し軽くなるような、そんな感覚にもなる作品です。まだまだ続きそうなコロナ禍において、上手く時間を使えなかったり、遊びやストレス発散など、やりたい事も思うようにしづらくなっていたりしますがそれでも、少しでも、こうして劇場で映画を観られる贅沢な時間を持てている事は、とても幸せなことなんだなぁと沁々感じています。 |