レビュー一覧
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石田桃子さん(女性/10代) 「PとJK」3月26日 TOHOシネマズ渋谷にて |
「ぴあ特別会員に選ばれました。」というメールを受け取った時、実感がなく驚きでいっぱいでした。時間が経つにつれてどんどん嬉しさが増していき、私なりに皆さんに素敵な作品について伝えられる場ができることに胸が高まっています。私は高校生になってからほぼ毎日DVDを借りてきて映画を観るという生活をしています。時々時間があると映画館に行き劇場で映画を観るのですが、やはり家でDVDをみるのとは違って、目の前に広がる大きなスクリーンや音響、観客との一体感が私は大好きです。なので、ぴあ特別会員としてたくさんの映画を観ることができ、とても楽しい日々をおくっています。 今回は「PとJK」をレポートしたいと思います。高校で話題になっていたので観に行ってみました。警察官・佐賀野功太の役を亀梨和也さんが演じ、女子高生・本谷歌子を土屋太鳳さんが演じています。ストーリーは、友達の姉が企画した合コンに人数合わせで駆り出され、年齢と身分を偽って参加した、高校1年生の歌子。そこで出会った功太と良い雰囲気になります。後日偶然起こった出来事で二人は急接近。様々な問題はあるものの恋に落ちた二人は結婚することになります。胸キュン映画というよりヒューマン映画であり、函館の素晴らしい景色と音楽が見事にマッチしていて、主人公やヒロイン、その両親、職場の同僚等々、人物設定がしっかりと構成されていたりそれぞれの気持ちが丁寧に描かれていて、いろいろな年代の人がそれぞれの立場で感情移入出来る作品でした。 「恋した人と家族になる」これは相手を大切にしたい、幸せにしたいと思う気持ちがあれば現実に叶えることができる夢なんだと2人が教えてくれます。愛がいっぱいの幸せな映画でした。映画レポートを上手く書けるか不安ですが、1年間私が感じたことを素直に書いていけたらと思っています。 |
藤野薫子さん(女性/20代) 「モアナと伝説の海」3月20日 新宿バルト9にて |
まだ少し寒い日もある今日この頃、早く暖かい季節になってほしいと待ちきれず「モアナと伝説の海」を観に行ってきました。映画のポスターからも連想できますが、そう、この作品で舞台となるのは南の島。海の青と島の緑がとっても綺麗で一気に南国気分でした。美しい情景の数々でしたが、中でも特に良かったのが海の上に夜空が広がるシーンでした。空と海の辺り一面に星が輝く素敵な景色はぜひ大画面で味わってほしいです。 物語はモトゥヌイと呼ばれる島で生まれ育った女の子モアナが、古くから語られる海にまつわる伝説をもとに大海原の世界へと旅立つものです。海で繰り広げられる冒険はいくつもの壁がモアナの前に立ちはだかりましたが、旅を共にする仲間の助けもあり無事乗り越えていきます。時には一人で挫けそうになってしまいそうな時があっても、家族や仲間のことを思い、自分の心に耳を傾け自分を信じ、諦めず立ち上がるその姿に所々涙させられつつ勇気をもらいました。冒険を共にする仲間や立ちはだかる壁として出てくるキャラクターがまた個性的で、ハラハラさせられながらも楽しませてくれ、見終わった後も印象に残る存在感で作品を引き立てているなぁと思いました。 最後にディズニー作品といえば劇中の音楽も忘れてはいけないポイント!本作でも主題歌の『How far I’ll go』や他にも、鑑賞後は頭から離れずつい口ずさんでしまう曲が多かったのでぜひそこも注目してもらいたいです。個人的には「リトル・マーメイド」(89)の監督コンビが本作を手がけている、というのもちょっとポイントでした。笑 今回鑑賞したモアナではないですが、本当に好きなことは何か、自分の心の声に従うことは時にとても大切なことだと思います。私としては自分の心に従った結果の1つとして、今回こうしてぴあ特別会員としての約1年を始めることができたと思っています。 本当にこんな機会を頂くことができたとは今でも信じられず、「これだから人生、何が起こるかわからない!」と選考が通った通知を目にした時はまるで、ドラマチックな映画の主人公にでもなったような気分でした。そもそも映画を好きになったきっかけは映画を通して新しい世界を知り、自分の視野や価値観を拡げられたことにあります。今回はぴあ特別会員として普段は味わうことのできない感覚で、作品といつも以上に深く、新鮮な関わり方ができるのではと、この一年が本当に楽しみです。約1年よろしくお願いします! |
北 奈々さん(女性/30代) 「ひるね姫 知らないワタシの物語」 3月24日 新宿ピカデリーにて |
より多くの映画作品に出会い、その素晴らしさをより多くの人と共有したい、という想いで応募し、この度ぴあ特別会員という形でその機会を得ることができました。大変幸運なことであり、また同時に責任も感じております。しかしながら、せっかく手に入れたチャンス。十分に生かすべく、今まで観たくてもなかなか観られなかった映画を、行ったことがなかった映画館でも観ていこう、と心がけてまいります。 さて、そのような決意の中で出会った作品でまずご紹介したいのは、神山健治監督のアニメーション映画「ひるね姫 知らないワタシの物語」です。昨今の流れにあるような原作をベースにした作品ではなく、神山監督自らが綴ったオリジナル作品であるということがまず特徴的です。主人公である女子高生のココネが、幼馴染のモリオと一緒に狙われたタブレットを守りつつ、警察に捕まったという父親を救うために岡山県倉敷市から東京へと向かいます。ココネはたびたび夢を見るのですが、夢の中で起こる不思議なことが現実にも徐々に反映されていきます。夢と現実を行き交いながら、謎解き要素もあり、逃走劇でもあり、また家族の物語でもあるこの作品は、テンポもよく、アニメーションも綺麗で観ていて飽きることがありません。夢の中で描かれる機械づくりの国もファンタジックな色合いながらもどこかの国を彷彿とさせるようなイメージですし、また瀬戸内海や街並みなども、どこか懐かしい気持ちにさせられる風景ばかりです。また印象的だったのは、ラストのエンドロール。本編では語られなかったエピソードから繰り広げられる工夫は見事です。ぜひ劇場へお越しの際には最後まで席に座っていただきたいと思います。私自身このエンドロールだけでも涙がほろほろとこぼれてしまいました。 子どもだけではなく、社会人や家族を持つ大人たちにこそ観ていただきたい作品です。きっとどこで心に引っかかったり、考えさせられるシーンが出てくることでしょう。 |
富元靖雄さん(男性/30代) 「はじまりへの旅」 4月3日 新宿ピカデリーにて |
私の中で、映画鑑賞が最大の趣味となったきっかけは、「バックトゥザフューチャー」シリーズの3部作です。物心ついたとき、映画の意味がわからなくともこの映画を感覚的に楽しんでいたのを覚えています。それから時間が経って観たときは、映画の内容に込められた監督・俳優の思いや一つ一つのセリフ、ストーリー性、風景や背景、音楽、撮影の手法、小道具、小ネタなど、四方八方に散りばめられた多くの感性に触れることができました。 映画の魅力、それは“映画と共に歩める時間”そのものだと思います。決して一過性のものではなく、時間をかけて映画を知ろうとするほど、多角的に映画の面白さに気がついていく過程が楽しくて仕方ないことが最大の魅力なのでしょう。そして何よりも、一人で楽しむも大勢で楽しむも良し、気分転換に観るも良し、何かのヒントを得るために観るも良し、映画への接し方は十人十色。映画との付き合い方も人それぞれなのが大きな魅力でもあります。会員に選ばれた今、私自身がそんな映画の魅力を多くの人に知ってもらう架け橋として、多くの人に映画の素晴らしさを伝えられる会員でありたいと思っております。ゆくゆくは、私から映画への恩返しになれば素敵だなぁと感じております。 さて、私が会員としてみなさんに紹介したい1作目の映画は「はじまりへの旅」です。ヴィゴ・モーテンセンが演じる父親と6人の子供たちの話。社会と触れることなくガスも電気も水道もない森の奥に住み、日々、父親仕込みの教育と訓練で体力はアスリート並み、何事にも知識豊富かつ考察できる優秀な子供たち。家族愛を感じる本作、冒頭の家族で音楽を奏でるシーンでそれを早速感じさせられます。父親の何気ないギター演奏から始まるのですが、次男レリアンが挑戦的に曲のリズムを変えます。それを聴くやいなや、家族みんながレリアンに合わせて、しんみりした曲から一気ににぎやかな曲へと移りゆきます。言葉は無くとも、家族だから分かり合える空気や絆がそこにはあります。そんな中、母が亡くなり、葬儀のために家族は旅に出ます。「コーラって何?」という三女サージの質問に、「毒の水だ」と答える父親。親子の会話に思わず笑みがこぼれます。 旅の中でいろいろな“初めて”に出会う子供たちですが、一般社会の中で家族の常識は異彩を放ちます。それは不器用でいて、でも何事にも本気だからこそとても美しく温かい、子供たちの行動一つ一つが愛おしく感じます。何が普通なのか、何が幸せなのか、生きるヒントが散りばめられた本作、家族が見つけた答えとは… この映画に出会えて良かった、心からそう思える作品です。 |