レビュー一覧
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桑原美香さん(女性/40代) 「デッド・ドント・ダイ」3月30日 先行上映にて鑑賞 |
緊急事態宣言がでる前に、先行上映で鑑賞したお気に入りの作品です。アメリカの田舎町を舞台にした、ある意味衝撃的なゾンビ映画でした。いまだかつて、こんなに悠長なゾンビ映画があったでしょうか?! 「ショーン・オブ・ザ・デッド」(04)、「新感染 ファイナル・エクスプレス」(16)、「ゾンビランド」(09)etc…私がこれまでに観てきたゾンビ映画は、『ゾンビ』と人間との闘いが劇的に描写されていました。しかしながら、本作の主人公たるクリフとロニーは、終始一貫してテンション低め。異常事態に慌てるそぶりもみせず、冷静に『ゾンビ』の出現を受容し、のらりくらりと『ゾンビ』対策に乗り出すのです。 スタージル・シンプソンが歌うカントリー・ミュージック『THE DEAD DON'T DIE』が、ゾンビ映画にはおよそ似つかわしくない、のんびりした風情を助長させています。なんとも不思議なテイストの作品ですが、ジム・ジャームッシュ監督らしい独特な世界観に大満足!曖昧に張られた伏線が終盤できっちり回収されていますが、あまりに破天荒なオチの付け方に思わず吹き出してしまいました。 本作は、己の欲求を満たすことを最優先する『ゾンビ』もどきの人間が増えつつある現代社会への警鐘とも受け取れます。現在は公開延期となっておりますが、示唆に富んだ風変わりなゾンビ映画を是非とも映画館で鑑賞して頂きたいものです。 |
南 星佳さん(女性/10代) 「おおかみこどもの雨と雪」 |
今回は私の好きな映画「おおかみこどもの雨と雪」(12)を紹介したいと思います。主人公の花が恋愛・結婚・出産・子育てをして成長する物語で、第36回日本アカデミー賞で最優秀アニメーション作品賞を受賞した作品です。 この作品を母と妹と3人で観た記憶があります。作品名にもあるように、おおかみと人間との間に産まれた雨と雪が、最終的に人間として生きるか、おおかみとして生きるか、選択をします。鑑賞した時、私はまだ小さいながら、自分がその立場であったらどちらを選択するだろうかと考えましたが、結局結論は出ませんでした。今でも結論を出せないです。自分の生きる道を決めるのは難しいですし、自立することも難しい。そんな方が多いのではないでしょうか。雨と雪、それから母の花から心の強さを学べる…そんな映画です。おうち時間が長くなっている今、是非観ていただきたい映画です。 映画との思い出を振り返ると 映画には、感謝しかありません。辛い時、悲しい時、映画は私の支えとなってくれました。劇場の暗い雰囲気。その場にいるみんなが同じスクリーンを見て、笑い、涙する。私にとってずっと当たり前の環境でした。私はそんな場所が大好きでした。新型コロナウイルスの影響で全国の映画館が閉鎖されています。当たり前の日常が戻り、また劇場で映画を鑑賞できるまで、おうちで過去の映画のDVDをみて新作の映画を待っていようと思います。 |