池端松夫(いけはた まつお)【背景・塗装】
63年、15歳で東映京都撮影所に入社。「緋牡丹博徒」(68)以来50年以上にわたり多くの作品で塗装・エージングを手掛ける。エージングとは長年培った職人技ともいえる唯一無二の技術で、時間経過や脚本に込められたディテールを表現し、生き生きとした世界観を作り上げる。その技術には、西岡善信、内藤昭、井川徳道をはじめとした多くの美術監督から信頼を寄せられており、手掛けた作品は450本をこえる。代表作に「里見八犬伝」(83)「長崎ぶらぶら節」(00)「男たちの大和/YAMATO」(05)「憑神」(07)「忍たま乱太郎」(11)「菊とギロチン」(18)「天外者」(20)などがある。2013年度の文化庁映画功労部門受賞。
安彦良和(やすひこ よしかず)【アニメーター・キャラクターデザイン】
70年、虫プロ養成所に入社してアニメーターとなり、73年からはフリーで活躍。キャラクター・デザインと作画監督を担当したテレビ『機動戦士ガンダム』(79~80)は81~82年に映画化され、富野喜幸(現・由悠季)監督と共に社会現象ともいえるブームを巻き起こし、それまで子ども向きとされていたアニメを大人も楽しめるものとして可能性を広げることに貢献した。「クラッシャージョウ」(83)「アリオン」(86)「ヴイナス戦記」(89)では監督・脚本も務める。89年に漫画家に転身したが、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」シリーズ(15~18)では総監督としてアニメの現場に戻り、様々な分野のクリエーターに影響を与え続けている。
納富貴久男(のうとみ きくお)【ガンエフェクト】
モデルガンメーカーを退職後、「キャバレー」(86)の特殊効果を担当。その後、映画における銃器や銃表現のスペシャリストチームとして、てっぽう屋(現・BIG SHOT)を立ち上げる。発火、被弾、着弾から、銃器演出にかかわるすべてを熟知し、日本映画におけるガンエフェクトの草分けとして、銃撃シーンに革命を起こした。北野武、押井守、佐藤信介など多くの監督からその手腕を高く評価されており、型にはまらない発想で新たなガンアクションシーンを今なお模索し続けている。代表作に「ソナチネ」(93)「図書館戦争」(13)「アウトレイジ 最終章」(17)「孤狼の血」(18)「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」(21)などがある。