第42回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
日時: 2019(平成31)年3月1日(金)
場所: グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール
司会: 西田敏行/蒼井優

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優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞
© 2018 フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.

最優秀作品賞 「万引き家族」


【受賞コメント】
1年前のこの時期、寒かった撮影が終わり、監督は編集をしていました。それから一年。多くの方々の応援に加え、カンヌ映画祭パルムドールからアカデミー賞までいろいろ評価いただき、締め括りに日本アカデミー賞! 全キャスト・スタッフに感謝しております。日々、「寒くて汚くてやだわ」とおっしゃっていた樹木さんに、嬉しい報告をしたいと思います。(松崎薫プロデューサー)
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是枝裕和監督が、貧困と幸せ、血縁と心の絆など社会に抱いたある違和感に、この10年間描いてきた“家族”に関するテーマを投入した集大成的作品。下町の一軒家で、家主である老女の年金を目当てに暮らす一家。足りない生活費を万引きで稼いでいた彼らは、親から虐待を受ける少女を拾い、一緒に暮らし始めるが、ある事件をきっかけに家族の秘密は白日の下にさらされる。第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門パルムドールをはじめ、国内外の数々の映画賞を受賞。第92回キネマ旬報ベスト・テン日本映画1位、第73回毎日映画コンクール日本映画大賞、第31回日刊スポーツ映画大賞作品賞、第10回TAMA映画賞最優秀作品賞受賞に加え、第76回ゴールデングローブ賞や第91回アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされた。今回の日本アカデミー賞では12部門(13賞/助演女優賞2賞)を受賞している。
監督・脚本:是枝裕和
製作会社:フジテレビジョン/ギャガ/AOI Pro.

優秀作品賞 「カメラを止めるな!」


ENBUゼミナールのワークショップから選ばれた無名の俳優たちが出演する、《シネマプロジェクト》第7弾と
して製作された上田慎一郎監督初の劇場用長編映画。ゾンビ映画を撮影する自主映画のクルーに、本物のゾンビが襲い掛かる様子が、冒頭37分1シーン1カットで描かれる。その後に待つ意外なオチが観客の心をつかみ、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018を始め、国内外のファンタスティック映画祭で高評価を獲得。都内2館からスタートした上映は、その面白さがSNSなどで拡散され、全国367館まで拡大し、低予算ながら30億円を超える大ヒットとなった。第61回ブルーリボン作品賞、第73回毎日映画コンクール監督賞、第43回報知映画賞と第10回TAMA映画賞の特別賞、第31回日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞などに輝いた。日本アカデミー賞では8部門を受賞。
監督・脚本:上田慎一郎
製作:ENBUゼミナール

優秀作品賞 「北の桜守」


初めて滝田洋二郎監督と組んだ、吉永小百合の120本目の出演映画。第29回、第36回日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞した「北の零年」(05)、「北のカナリアたち」(12)に続く、“北の三部作”の最終章となる。ロシア軍が侵攻を始めた1945年8月、樺太から息子たちを連れて決死の思いで北海道へ渡った女性と、成長した彼女の息子が、母子の絆を取り戻していく姿を描いた。ヒロインの回想として綴られる樺太からの引き揚げの模様や、集団自決のエピソードは、劇中劇としてケラリーノ・サンドロヴィッチが演出を担当。愛情と厳しさを持ち息子を守り抜いた女性の一生を通じて、戦争の悲劇を伝える。激動を生きた女性に吉永小百合、息子に堺雅人、その妻に篠原涼子、母と息子を見守る男に岸部一徳が扮した。吉永曰く、「今までで一番難しい役」。今回の日本アカデミー賞では12部門を受賞。
監督:滝田洋二郎 脚本:那須真知子
製作会社:東映/テレビ朝日/木下グループ/東映アニメーション/博報堂/博報堂DYミュージック&ピクチャーズ/東映ビデオ/朝日放送/ジェイアール東日本企画/朝日新聞社/読売新聞社/北海道テレビ/メ~テレ/九州朝日放送/北海道新聞社/イノベーション デザイン/静岡朝日テレビ/広島ホームテレビ/東日本放送/新潟テレビ21

優秀作品賞 「孤狼の血」


「凶悪」(13)「日本で一番悪い奴ら」(16)など犯罪や警察内部の腐敗を描く作品を送り出してきた白石和彌監督が、「仁義なき戦い」(73)、「県警対組織暴力」(75)など東映実録やくざ映画に影響を受けた柚月裕子の同名小説を映画化。広島を舞台に、やくざと警察を手玉にとり自らの刑事道を貫く大上と、その背中を見て一人前のアウトローに変貌していく新人刑事・日岡の活躍を描く。この規格外の作品に挑む精神に錚々たる俳優陣も賛同。生々しい暴力描写とエロスが盛り込まれた衝撃作となった。第43回報知映画賞作品賞を始め、第61回ブルーリボン賞監督賞、助演男優賞(松坂桃李)、第31回日刊スポーツ映画大賞監督賞、第40回ヨコハマ映画祭主演男優賞(役所広司)、助演男優賞(松坂桃李)などを受賞。日本アカデミー賞では12部門を受賞。
監督:白石和彌 脚本:池上純哉
製作会社:東映/木下グループ/KADOKAWA/日活/山陽鋼業/電通/朝日新聞社/東映ビデオ/WOWOW/ダイバーシティメディア/報知新聞社/GYAO/トーハン/プルーク

優秀作品賞 「空飛ぶタイヤ」


人気作家・池井戸潤のベストセラー小説を映画化。通行人を死亡させたトレーラーの脱輪事故の真実を追い求める運送会社の社長・赤松と、リコールを隠すトレーラーを作った大手自動車会社との対立を描いた。「超高速!参勤交代」(14)や「釣りバカ日誌シリーズ」(88~09)などを手掛けてきた本木克英監督が、「事件」(78)や「疑惑」(82)に連なる松竹の社会派エンタテインメント作品を彷彿とさせる作品に仕上げた。長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生といった注目俳優から、笹野高史、岸部一徳らベテランまでが硬派な演技で魅せ、それぞれの立場の男たちの対立、友情、思惑が交差する骨太な作品となった。サザンオールスターズが歌う主題歌も印象的。第31回日刊スポーツ映画大賞助演男優賞(高橋一生)を受賞。今回の日本アカデミー賞では9部門を受賞。
監督:本木克英 脚本:林 民夫
製作会社:松竹/木下グループ/日活/ジェイストーム/講談社/朝日新聞社/実業之日本社 /GYAO /オフィスIKEIDO/コロナワールド/イオンエンターテイメント
優秀アニメーション作品賞
最優秀賞/優秀賞
© 2018 スタジオ地図

最優秀アニメーション作品賞 「未来のミライ」


【受賞コメント】
この映画は、子どもたちをモデルに細田監督が発想を始めた作品です。何気ない日常の中にこそ、輝きや喜び、驚き、そして奇跡があることを、たくさんの方々と共有し、確認しあえたことを嬉しく思います。4歳の男の子を主人公にしたチャレンジングな企画に、一緒に挑戦してくださった才能あふれる俳優、優秀なスタッフの皆さん、改めて感謝します。(斎藤優一郎プロデューサー)
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監督は「サマーウォーズ」(09)「おおかみこどもの雨と雪」(12)などの細田守。本作では4歳の甘えん坊の男の子“くんちゃん”が、未来からやって来たセーラー服姿の少女“ミライちゃん”とともに、時空を超え家族のルーツに出会う不思議な旅が描かれる。4歳の男の子に上白石萌歌が抜擢されたほか、黒木華、役所広司、福山雅治など豪華俳優たちが声を担当。実写映画の美術スタッフや、“くんちゃん”が住む一軒家をデザインした建築家の谷尻誠の仕事は物語に大きな影響を与えた。また、オープニングとエンディングを山下達郎が担当したことも話題に。第46回アニー賞インディペンデント長編作品賞を受賞。第71回カンヌ国際映画祭の《監督週間》にアニメーションで唯一選出されたほか、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門、第91回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた。
監督・脚本:細田 守
製作会社:NTTドコモ/日本テレビ放送網/KADOKAWA/スタジオ地図

優秀アニメーション作品賞 「ドラゴンボール超 ブロリー」


「ドラゴンボール」シリーズの劇場用映画第20作目。2018年3月まで放送されたテレビアニメ版『ドラゴン
ボール超』(CX)のシリーズディレクター・長峯達也が監督を務め、原作者の鳥山明がキャラクターデザインと脚本を担当している。復活したフリーザの一味に、ベジータ一族に恨みを持つサイヤ人・ブロリーが加わった。ブロリーの圧倒的なパワーに悟空やベジータもかなわず、彼らは合体戦士ゴジータに変身してブロリーに再挑戦する。過去3作の劇場版に登場したブロリーの性格やデザインを一新。悟空たちとの出会いから闘いまでが新たに描かれた。全米で初登場の週末興行成績第4位を獲得したほか、世界各国で軒並み初登場第1位の大ヒットを記録。シリーズの人気が“地球規模”であることを証明してみせた。
監督:長峯達也 脚本:鳥山 明
製作会社:東映/フォックス・インターナショナル・プロダクションズ・ジャパン/集英社/フジテレビジョン/東映アニメーション/バンダイ/バンダイナムコエンターテインメント

優秀アニメーション作品賞 「ペンギン・ハイウェイ」


人気作家・森見登美彦による日本SF大賞受賞作を、短編「陽なたのアオシグレ」(13)などで注目される石田祐康監督が、「台風のノルダ」(15)の監督の新井陽次郎をキャラクターデザインに迎えて制作した青春ファンタジー。瑞々しく独特な世界観で少年の成長を描いた森見作品を、色鮮やかにアニメーション映画化した。若手クリエイターが集うアニメーションスタジオ「スタジオコロリド」長編第1作目となる。小学4年生のアオヤマ君が暮らす町に突然ペンギンが現れる。その謎を解こうとするアオヤマ君は、仲のいい歯科医院のお姉さんの投げたコーラの缶が、ペンギンに変身するのを目撃してしまう。お姉さんの声に蒼井優が、好奇心旺盛なアオヤマ君には若手女優・北香那が声優初挑戦で臨んだ。主題歌は宇多田ヒカルの書き下ろし。カナダの第22回ファンタジア国際映画祭では長編部門の最優秀アニメーション賞を受賞。
監督:石田祐康 脚本:上田 誠
製作会社:フジテレビジョン/東宝/KADOKAWA/電通/ソニー・ミュージックエンタテインメント

優秀アニメーション作品賞 「名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)」


青山剛昌原作による、劇場版「名探偵コナン」シリーズ第22作目。監督は、「デス・パレード」(15)『モブサイコ100』(16)などの立川譲。今回が「コナン」初監督作となる。脚本は、劇場版4作目となる櫻井武晴が担当した。東京でサミットが開かれる巨大施設で、爆破事件が起こる。その現場で毛利小五郎の指紋が発見されたことから、容疑者として疑われた小五郎の危機を救うべくコナンの活躍が始まる。謎めいた人気キャラクター・安室透の登場による、かつてないスペクタクルアクションと謎解きが観客を魅了し、シリーズ最高の興行収入91.8億円を記録。これは昨年の邦洋合わせた興行収入第3位の成績で、アニメーションでは第1位。福山雅治が書き下ろした主題歌『零 -ZERO-』も大ヒットとなった。日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞はシリーズ10度目の受賞となる。
監督:立川 譲 脚本:櫻井武晴
製作会社:小学館/読売テレビ/日本テレビ/小学館集英社プロダクション/東宝/トムス・エンタテインメント

優秀アニメーション作品賞 「若おかみは小学生!」


累計発行部数300万部を超え、小学生女子に絶大な人気を持つ令丈ヒロ子による同名児童文学シリーズの劇場アニメーション初映画化。「茄子 アンダルシアの夏」(03)以来、15年ぶりに高坂希太郎が監督し、「映画けいおん!」(11)、「映画 聲の形」(16)などを手掛けてきた吉田玲子が脚本を担当している。両親を交通事故で亡くし、祖母が経営する旅館に引き取られた小学6年生の“おっこ”が、旅館に住みつくユーレイ少年のウリ坊や不思議な仲間に支えられ、若おかみとして成長していく姿を丁寧に描いた。自分の心の傷と向き合いながら、まっすぐに生きる姿に共感する口コミが幅広い世代に広まり、ヒットへと繋がった。第73回毎日映画コンクールのアニメーション映画賞受賞、プチョン国際アニメーション映画祭長編部門では優秀賞と観客賞をダブル受賞した作品。
監督:高坂希太郎 脚本:吉田玲子 
製作会社:DLE/講談社/テレビ東京/ギャガ/エー・ティー・エックス/ナダ・ホールディングス/日本アドシステムズ/マッドハウス/イオンエンターテイメント
優秀監督賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞是枝裕和「万引き家族」


【最優秀受賞コメント】
小学校で話をしてきました。その中で子どもから「監督って何する仕事ですか?」と聞かれました。監督って何をする仕事なのでしょう。技術スタッフの皆さんと比べ、監督の仕事は本当に曖昧。一本撮るたびにこの問いを自分に投げかけています。これはずっと続くのでしょうが、スタッフが、キャストが評価されている中でここに立たせていただき、本当に幸せな職業だと思っております。
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【受賞歴】第39回「海街diary」第41回「三度目の殺人」で最優秀賞、第37回「そして父になる」で優秀賞受賞。今回4回目の受賞
優秀賞上田慎一郎「カメラを止めるな!」


【受賞コメント】
一昨年の夏。まだ公開の予定もなかった本作に全てを賭けて現場を駆けまわっていました。自分の「好き」を信じること。仲間を信じること。映画づくり楽しむこと。そんな月並みな真実をこの映画に改めて教わりました。この映画に関わってくれた「みんな」でいただいた賞です。映画が好きで良かった! カメラを止めなくてよかった!
初受賞
優秀賞白石和彌「孤狼の血」


【受賞コメント】
東映の実録やくざ映画の熱量を現代に蘇えらせる、という一念で作った映画です。原作者である柚月先生の想いと、俳優たちスタッフたちの情熱と、広島・呉の皆さんの献身が僕の想像を超える作品へと押し上げてくれました。デビュ̶作以来ずっと一緒に走り続けてくれた仲間たちと晴れの舞台に立てることは望外の喜びです。
【受賞歴】第37回「凶悪」で優秀賞受賞。今回2回目の受賞
優秀賞滝田洋二郎「北の桜守」


【受賞コメント】
吉永小百合さん120作目「北の桜守」は厳寒の流氷、樺太、満開の桜、激動の時代を生きぬいた親子の強い絆を背景に、東映の熱いエネルギーと底力、最高のスタッフ・キャストの思いを込めた作品になりました。吉永さんとの忘れがたい至福の映画の時間。日本アカデミー賞受賞、監督冥利です。「北の桜守」全ての方がたに感謝します!
【受賞歴】第32回「おくりびと」で最優秀賞受賞。第17回「眠らない街 新宿鮫」「僕らはみんな生きている」第25回「陰陽師」第27回「壬生義士伝」で優秀賞受賞。今回5回目の受賞
優秀賞本木克英「空飛ぶタイヤ」


【受賞コメント】
社会派の傑作を残した先輩監督への敬意を込めて、その意識に少しでも近づきたいと思いながら監督しました。理不尽と不正をめぐって七十人余りの登場人物が絡み合う難しい現場でしたが、評価していただき光栄に存じます。映画化に関わった全ての者と喜びを分かち合います。ありがとうございました!
【受賞歴】第38回「超高速!参勤交代」で優秀賞受賞。今回2回目の受賞
優秀脚本賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞是枝裕和「万引き家族」


【最優秀受賞コメント】
僕の映画作りは、撮影しながら役者さんとスタッフと一緒に脚本を作るスタイルです。今回プロットを読まれた希林さんは、「珍しくあなたが肉体を撮ろうとしているので、私は入れ歯を外し、髪を伸ばして参加をするわ」とおっしゃり、そして随所で僕が書いていないセリフを口にされた。それをきっかけに僕は脚本を書いた。この賞は希林さんと一緒にいただいたと思っています。
【受賞歴】第41回「三度目の殺人」で最優秀賞、第37回「そして父になる」第39回「海街diary」で優秀賞受賞。今回4回目の受賞
優秀賞池上純哉「孤狼の血」


【受賞コメント】
思いもよらぬ受賞です。ありがとうございます。『東映』製作で『広島』を舞台に『暴力団抗争』を描く脚本のオファーは、色んな意味でプレッシャーがありました。自分なりのエンタメ映画を作ろうと、開き直って挑みました。原作の柚月さん、監督はじめスタッフ、キャストの皆さんに感謝です。
初受賞
優秀賞上田慎一郎「カメラを止めるな!」


初受賞
優秀賞那須真知子「北の桜守」


【受賞コメント】
いつかは描きたいと思っておりました樺太を舞台にした映画が、吉永さんはじめキャストの皆様、監督、スタッフの皆様のお蔭で出来上がり、とても嬉しく思っております。その上、このような賞をいただき、皆様に感謝致しております。
【受賞歴】第11回「別れぬ理由」第20回「わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語」第29回「北の零年」第36回「北のカナリアたち」で優秀賞受賞。今回5回目の受賞
優秀賞林民夫「空飛ぶタイヤ」


【受賞コメント】
「空飛ぶタイヤ」を優秀脚本賞に選出していただいてありがとうございました。この作品にとってどうか、この物語にとってどうか、ということを最優先事項に考え、執筆しました。結果、自分でも心に残る作品になったと思います。多くの観客の皆様に観てもらえたことも励みになりました。この作品に関わったすべての皆様に感謝します。
【受賞歴】第38回「永遠の0」で優秀賞受賞。今回2回目の受賞
優秀主演男優賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞役所広司「孤狼の血」


【最優秀受賞コメント】
意外です。「死の棘」で最優秀賞を受賞された時の岸部一徳さんの、「こんなことってあるんだな」のスピーチを思い出しました。僕も2年連続でいただいて以来21年ぶり。最優秀の難しさをつくづく感じます。「孤狼の血」は広島の呉で撮影しました。西日本豪雨に被災し、復興にはまだ時間がかかると思いますが、たくさんの賞を取れたのは呉の皆さんのおかげ。ありがとうございました。
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ヤクザを手なずけ、弱みを握って警察官を脅す、型破りな刑事・大上を演じた。役所は大上を「汚れた世の中の歪みの象徴」と捉え、ダーティーな捜査をしながら自分の正義感によって行動する、仕事に命を懸ける熱い男を、広島・呉弁を駆使して見事に表現している。近作のイメージを覆す凄みのあるアウトローを誕生させ男性観客の心を騒がせた。
【受賞歴】第20回「Shall we ダンス?」第21回「うなぎ」で最優秀主演男優賞、第41回「三度目の殺人」で最優秀助演男優賞を受賞。他に優秀主演男優賞17回、優秀助演男優賞を1回受賞。本作で第43回報知映画賞、第40回ヨコハマ映画祭の主演男優賞を受賞
優秀賞岡田准一「散り椿」


葉室麟原作の映画化で、亡き妻の願いを叶えるため、危険を承知で8年ぶりに故郷の藩へ帰ってくる剣豪・瓜生新兵衛を演じた。木村大作監督の絶大な信頼を得て自らが主導して創造した、リアルかつスピーディーな殺陣で魅せた。また亡き妻や義妹への愛、今では藩の重鎮になった親友への想いを、その仕草や表情ひとつひとつで感じさせる確かな演技で作品を牽引した。
【受賞歴】第38回「永遠の0」で主演男優賞、「蜩ノ記」で助演男優賞の最優秀賞をダブル受賞。「永遠の0」では話題賞[俳優部門]も受賞。第40回「海賊と呼ばれた男」、第41回「関ヶ原」でも優秀主演男優賞を受賞
優秀賞舘ひろし「終わった人」


内舘牧子の小説を原作に、出世コースから外れて定年を迎えた元エリート銀行マンが、家族からも見放され、時間を持て余し、一時はめっきり老け込むが、やがて生活をポジティブに捉えていく様を演じた。「新たな舘ひろしに出逢えた気がします」と本人が言うように、これまでのハードボイルド・タッチの役柄とは違った、見た目も冴えない中年男の戸惑いと、再び恋をしようとあがく様をコミカルに演じて新境地を見せた。
【受賞歴】優秀主演男優賞は初受賞。第12回に「あぶない刑事」チームとして話題賞を受賞している。本作では第42回モントリオール世界映画祭最優秀男優賞、第61回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞
優秀賞濱津隆之「カメラを止めるな!」


様々なアクシデントを乗り越えながら、ゾンビ映画を完成させようとする自主映画の監督・日暮隆之を演じた。制作現場のハイテンションな演技と、映画作りを通して家族の絆を取り戻していく両極な感情をリアルに伝えた。オーディションで本役を掴み、数か月のリハーサルを行い、あのワンカットを完成させるチームワークを獲得。それをベースに笑わせつつも、胸をうつ演技を構築した。舞台を中心に活躍してきたが、映画界での活躍も期待される。
初受賞
優秀賞リリー・フランキー「万引き家族」


日雇い労働をしながら、時に息子と一緒に万引きをして生活を補填する、柴田家の父親・治を演じた。是枝裕和監督からの信頼を受け、今回4作品目の出演となる。「そして父になる」(13)で演じた子煩悩な電気店の店主役に連なる、ささやかな幸福をかみしめながら暮らす犯罪でしか繋がれない不器用な男の心情を、より深く観客の心に刻み込んだ。
【受賞歴】優秀主演男優賞は初受賞。第32回「そして父になる」で最優秀助演男優賞、第37回「凶悪」第40回「SCOOP!」で優秀助演男優賞を受賞
優秀主演女優賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞安藤サクラ「万引き家族」


【最優秀受賞コメント】
「万引き家族」で感じたのは、子育ても映画も24時間全力でやるもの、ということでした。そのバランスの取り方が今は分からないんです。私の目標は、妻として母として健やかな日常を送ること。でも映画の現場はそんな私に新しい活力を与えてくれる場所なんです。今日、諸先輩方の姿を見て思いました。必ず自分の中で決着をつけ、映画に携われる環境を整え戻ってきたいと思います。
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クリーニング店で働きながら、家族を支える柴田家の母親・信代を演じた。最初は犯罪で繋がっているだけに見えた家族の絆を、人として母親として女として存在する絶妙な演技で魅せた。台本なしで臨んだ刑務官の取調べシーンでは、役が憑依したかのような感情が溢れ出た。その演技は、カンヌ映画祭の審査委員長ケイト・ブランシェットをはじめ世界中から絶賛された。
【受賞歴】第39回「百円の恋」で最優秀主演女優賞、第38回「0.5ミリ」で優秀主演女優賞を受賞。本作では第92回キネマ旬報ベスト・テン日本映画主演女優賞、第73回毎日映画コンクール女優主演賞、第31回日刊スポーツ映画大賞主演女優賞、第40回ヨコハマ映画祭主演女優賞、第10回TAMA映画賞最優秀女優賞、山路ふみ子映画賞女優賞を受賞
優秀賞黒木華「日日是好日」


日々を綴ったエッセイの映画化では、俳優の存在感が鍵となる。森下典子のエッセイが原作の本作で、茶道教室に通いながら、就職、失恋、大切な人との別れを経験して成長していく典子を演じた。武田先生役の樹木希林も「黒木さんが典子をやると言った段階で、この作品は成立した」と信頼。時の流れとともに少しずつ成熟していく姿を丁寧に演じた。
【受賞歴】第38回「小さなおうち」第39回「母と暮せば」で最優秀助演女優賞受賞。第40回「リップヴァンウィンクルの花嫁」で優秀主演女優賞、第32回「舟を編む」「草原の椅子」で新人俳優賞を受賞
優秀賞篠原涼子「人魚の眠る家」


東野圭吾原作の同名小説を堤幸彦監督が映画化。意識不明のまま回復の見込みがない娘の体を、最先端医療技術で人工的に動かすことで、生きていると信じ続ける母親・薫子を演じた。脳死しているわが子の死を認めたくない母親が、どんなことをしても娘を守り抜こうとして精神的に歪んでいく姿を熱演。愛と狂気が入り交じった迫力ある演技で強い印象を与えた。
初受賞。本作で第43回報知映画賞主演女優賞を受賞
優秀賞松岡茉優「勝手にふるえてろ」


10年間片想いしている妄想の恋人“イチ”と、実際にアタックしてくる会社の同期の“二”との間で恋に揺れるOL・ヨシカを演じた。突然歌ったり、踊りだし、泣いたり、怒ったり…と感情の浮き沈みの激しいクセの強いヒロイン・ヨシカの脳内妄想を、愛嬌たっぷりに表現。長編映画初主演となる本作でコメディエンヌ的魅力を強烈に残した。
初受賞。本作で第10回TAMA映画賞最優秀女優賞受賞
優秀賞吉永小百合「北の桜守」


1945年8月に樺太から子どもたちを連れて北海道の網走へ逃れ、激動の時代を生きてきた江蓮てつを演じた。流氷が流れ着く厳寒の網走での過酷な撮影に挑み、劇中劇として登場するてつの回想シーンでは、舞台演劇にも初挑戦。家族を失い、自分を責め続けながら、忍耐強く生き抜いた女性を繊細に表現した。
【受賞歴】第29回「北の零年」、第24回「長崎ぶらぶら節」、第12回「つる‐鶴‐」「華の乱」、第8回「おはん」「天国の駅」で最優秀主演女優賞を受賞。他に優秀主演女優賞を14回受賞
優秀助演男優賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞松坂桃李「孤狼の血」


【最優秀受賞コメント】
20代半ば、少し毛色の違う作品をやりたいと思っていた時に白石和彌監督の「凶悪」を観ました。ご縁があって最初にお話をいただいたのが「彼女がその名を知らない鳥たち」。とんでもなくゲスな役です(笑)。そして間を空けず呼んでいただいのがこの「孤狼の血」。僕の財産となりました。今回、キャスト、スタッフの皆さんと一緒に喜びを分かち合うことができ、本当に嬉しいです。
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破天荒なベテラン刑事、大上と対立しながらも、影響を受ける大学卒のエリート新人刑事、日岡を演じた。自分の固定観念を崩され、もがき、苦しみながら成長する様を、徹底的に表現した。役所とは2度目の共演。役所の一挙手一投足を見逃さないようにして自身の芝居を構築するというアプローチは、劇中の大上と日岡とも重なる。18年はほかに「不能犯」「娼年」などの映画や舞台でも活躍。
【受賞歴】第36回「ツナグ」「麒麟の翼」「今日、恋をはじめます」で新人俳優賞受賞。本作で第92回キネマ旬報ベスト・テン助演男優賞、第61回ブルーリボン賞助演男優賞、第40回ヨコハマ映画祭助演男優賞、第10回TAMA映画祭最優秀男優賞受賞
優秀賞岸部一徳「北の桜守」


樺太で製材業を営んでいたころから江蓮家と親交があり、国民義勇隊として江蓮徳次郎と戦地に赴き、帰還した後も、網走に引き揚げたてつと修二郎母子を近くで見守り続ける山岡を演じた。心のうちに抱えてきた重大な秘密を、修二郎に告白する静かな芝居は、叫びこそしないものの慟哭とも取れ、観る者の胸を打った。
【受賞歴】第14回「死の棘」で最優秀主演男優賞受賞。第17回「帰ってきた 木枯らし紋次郎」「教祖誕生」「病院で死ぬということ」「僕らはみんな生きている」「水の旅人 侍KID」で優秀助演男優賞受賞。今回3度目の受賞
優秀賞ディーン・フジオカ「空飛ぶタイヤ」


脱輪事故で犠牲者を出した自動車メーカーのカスタマー戦略課課長、沢田を演じた。整備不良を疑われた運送会社社長から出された再調査依頼の矢面に立たされるが、会社のリコール隠しが発覚し、告発文を提出する。新車開発の夢と正義、企業人と個人の異なる理念の間で複雑に揺れ動く心を表現し、様々なイメージを喚起させるとキャスティングした本木克英監督に応えた。
初受賞
優秀賞西島秀俊「散り椿」


藩内での不正を巡り、道場の四天王と呼ばれた剣友たちが、真実の愛を貫き、悪事を暴こうと命を懸ける葉室麟原作、木村大作監督作。西島演じる榊原采女は、四天王のひとりにして、主人公、瓜生新兵衛(岡田准一)の亡き妻が愛した男で、藩の不正の鍵を握る側用人。少ない台詞の中で、ひとり陰謀の真実を抱え、巨悪に挑む状況を表現した。岡田と演じた、ごまかしのきかないリアルな殺陣でも魅了した。
初受賞
優秀賞二宮和也「検察側の罪人」


『犯人に告ぐ』の雫井脩介のミステリー小説を、「関ケ原」(17)の原田眞人監督が映画化。ある殺人事件をきっかけに、憧れていた先輩検事の捜査に疑問を持ち、次第に対立していく若き検事、沖野を演じた。法とはなにか? 人が人を裁くとは何か? 取調室で容疑者を追い込んでいく場面は、鬼気迫るものとなった。初共演となった、先輩検事役の木村拓哉との競演も見事。
【受賞歴】優秀助演男優賞は初受賞。第39回「母と暮せば」で最優秀主演男優賞受賞。本作で第43回報知映画賞で助演男優賞受賞
優秀助演女優賞
© 2018 フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
最優秀賞樹木希林「万引き家族」


【最優秀受賞コメント 代理:内田也哉子】
生前母がよく口にしていた、「時が来たら誇りをもって脇にどけ」が今日をもって実行できます。6年前に「わが母の記」で最優秀主演女優賞をいただいた母は、全身癌だと口を滑らせました。なぜこんなお祝いの席でとクレームをつける私に、本人は平然と「だっていつ死ぬか分からないんだから、ちゃんと断っておかなきゃご迷惑でしょ」と返してきました。なんて真っ当な心根を持ったアナーキストだと思いました。58年の役者人生において、映画作りという真剣勝負の現場で、彼女の言動が時に人を傷つけたこともあったと思います。この場をお借りして、すべての映画関係者に深くお詫び申し上げます。そしてその一つ一つの稀なる出会いに感謝申し上げます。本当に長い間お世話になりました。
****
家族で唯一、定収入があった年金受給者の母、初枝を演じる。入れ歯を外し、白髪を伸ばして、人が朽ちる様を外見からも表現してみせた。最初に撮影した夏の海での樹木のアドリブが、作品の方向性を決定づけたと是枝監督。脚本は初めから樹木を想定して書いていたものだが、一緒に作りあげた役でもあり、「樹木さん以外にできない」と語っている。
【受賞歴】本作で第43回報知映画賞助演女優賞、第31回日刊スポーツ映画大賞助演女優賞、第73回毎日映画コンクール女優助演賞、第92回キネ旬 ベスト・テン特別賞を受賞
優秀賞樹木希林「日日是好日」


広い日本家屋に独り、居住まい正しく暮らす、茶道教室の先生、武田を演じた。武田先生の存在は、鍛練を積み、決まりごとで形成していく茶道という宇宙の、その先にある自由を感じさせることに寄与した。樹木の出演は、大森立嗣監督たっての希望で実現。茶道はほぼ初心者であったが、慣れ親しんでいた着物の着こなしなど若い共演者に影響を与えた。
【受賞歴】第34回「悪人」で最優秀助演女優賞受賞。優秀助演女優賞は今回9回目の受賞となる。第31回「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」第36回「わが母の記」で最優秀主演女優賞、第39回「あん」で優秀主演女優賞受賞。本作で第43回報知映画賞助演女優賞を受賞
優秀賞篠原涼子「北の桜守」


てつの息子、修二郎の妻で帰国子女の真理を演じた。アメリカから帰国直後の70年代の日本で、事業を立ち上げようとしている夫を支えながら、考え方も習慣も異なる老いた姑と暮らし始める。服装は派手め
で、はっきりとものを言う上、夫の事業への出資者の娘という難しい人物像を、表情豊かな人間味溢れる
女性として演じて見せた。日本アカデミー賞は初受賞ながら、優秀主演女優賞と2部門での受賞となった。
初受賞
優秀賞深田恭子「空飛ぶタイヤ」


トラックの脱輪事故で犠牲者を出すが、社員運転手を信じ、トラックを販売したメーカーと戦う社長の妻、史絵を演じる。史絵は献身的に夫を支える器の大きな女性だが、自身なら「抱え込む辛さを夫に共有してしまうかもしれない」と深田は吐露している。だが、その境地で演じたことはむしろ、複雑な心を抱える史
絵の内面の表現に奏功したかもしれない。夫役の長瀬智也は、社長が諦めなかった理由として史絵の存在をあげている。
【受賞歴】優秀助演女優賞は初受賞。第28回「下妻物語」で優秀主演女優賞、第24回「死者の学園祭」で新人俳優賞受賞
優秀賞真木よう子「孤狼の血」


広島・呉原にあるクラブ「梨子」のママで、アウトローのマル暴刑事、大上の理解者。女手一つで男児を育てる母でもある。裏の世界の男たちから惚れられ、一目置かれる女性という設定のために、ナンバーワンホステスとしての仕草や在り方、哲学を学んだ。無名塾の先輩である役所とは初共演。
【受賞歴】第37回「さよなら渓谷」で主演女優賞、「そして父になる」で助演女優賞の最優秀賞をダブル受賞
優秀賞松岡茉優「万引き家族」


おばあちゃん子でお金至上主義、JK見学店で働く疑似家族の妹、亜紀を、自然な存在感で演じた。15歳の頃、「ワンダフルライフ」(99)を観て、俳優を志し、以後、是枝作品への出演を熱望してきた。家族との関係を築けない亜紀の役作りとして、監督らとともにJKリフレを見学するなど、様々な人間観察からそのヒントをつかんでいった。
初受賞。本作で第61回ブルーリボン賞、第40回ヨコハマ映画祭の助演女優賞を受賞
優秀音楽賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞細野晴臣「万引き家族」


【最優秀受賞コメント】
びっくりしました。制作当時は、一人でスタジオにこもって地味に音楽を作っていましたが、公開されたらあれよあれよと。カンヌ映画祭でパルムドールまで取って、びっくりしました。すごいことになっているなと、他人事のように拍手喝采していました。指をくわえつつ。こういう賞をいただいて、やっと光を当てていただいたという気持ち。感謝でいっぱいです。
初受賞
優秀賞小椋佳/星勝/海田庄吾「北の桜守」


【受賞コメント】
小椋:このたびは素晴らしい賞を賜り、大変嬉しく思います。「北の桜守」に関わった全ての方々に感謝いたします。
初受賞
星:「北の桜守」の主題歌が小椋佳さんから届いた時、桜の情景と吉永小百合さんが美しく重なり、そこから音作りが始まった。
【受賞歴】第16回「おろしや国酔夢譚」で優秀賞受賞。今回2回目の受賞
海田:踠き苦しみ作曲させて頂きました、勇気をいただけました。精進を重ね、賞に恥じぬ音楽家としてこれからも頑張ります。
初受賞
優秀賞加古隆「散り椿」


【受賞コメント】
物語の最後の方に、主人公の亡き妻の声で「あなたが生き抜いてくださるなら、私の心もあなたと共にあるはず…」と聞こえます。「散り椿」のテーマともなるこのセリフを読み、武士の孤独と熱い思慕の念を音楽に込めました。木村監督とは初仕事ですが、この美しく力強い作品に参加できて良かった、と心から思っています。
【受賞歴】第26回「阿弥陀堂だより」第35回「最後の忠臣蔵」第38回「蜩ノ記」で優秀賞受賞。今回4回目の受賞
優秀賞鈴木伸宏/伊藤翔磨/永井カイル「カメラを止めるな!」


【受賞コメント】
鈴木:自分が良いと思うことを信じて貫いた作品で優秀音楽賞をいただけたことを本当に嬉しく思います。今後僕が進むべき道をこの作品が教えてくれました。本当にありがとうございます。 
初受賞
伊藤:この度は素晴らしい賞をいただき、また「カメラを止めるな!」という素晴らしい作品に参加出来たこと、心から誇りに思います。本当にありがとうございます。「最高かよ。」 
初受賞
永井:いつも通りいつもより少しでも良い音を。マイナスで溢れてゼロさえ見えない中、そうやって積み重ねたものが地上に届いた気持ちです。これからも変わらず積み上げ続けます。 
初受賞
優秀賞安川午朗「孤狼の血」


【受賞コメント】
コンプライアンスという言葉が物作りにおいて慎重にしなければいけない現在。映画という自由に表現出来る場所で、とことん作り手として楽しませていただいた作品です。もうこういう映画は観れないという風潮に対し、まだ挑戦できた事が本当に嬉しかったです。しかも東映作品。評価していただいて嬉しいです。
優秀賞安川午朗「空飛ぶタイヤ」


【受賞コメント】
それぞれの正義感、企業に属するという事、そして亡くした命、家族。考えさせられる映画です。 本木監督とは20数年来の旧知の仲ですが映画を一緒に作った事は今作までありませんでした。今回積年の思いが叶い、全力を尽くしました。評価していただきありがとうございます。
【受賞歴】第35回「八日目の蟬」で初受賞にして最優秀賞を受賞。第38回「ふしぎな岬の物語」第39回「ソロモンの偽証 前篇・事件」で優秀賞を受賞。今回4回目の受賞
優秀撮影賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞近藤龍人「万引き家族」


【最優秀受賞コメント】
本日はこんな立派な賞をいただき嬉しく思っています。この作品はとても多くの方に見ていただけた作品。スタッフで力を合わせて作った作品が、これだけ多くの人に観ていただけたことを嬉しく思っています。
初受賞
優秀賞木村大作「散り椿」


【受賞コメント】
42年前に日本アカデミー賞が生まれ、第一回では優秀技術賞を「八甲田山」の撮影で選ばれた。「散り椿」で22回目の優秀撮影賞になり、今まで最優秀撮影賞を5回、最優秀監督賞を1回。今年で80歳の節目になり、歴史を感じて嬉しい。「散り椿」は日本の叙情を表現し、私の持っているものが全て出ている作品であると思います。
【受賞歴】第1回「八甲田山」で技術賞ノミネート以後、今回で優秀賞22回目の撮影賞最多受賞(第23回にダブル受賞を含める)。第10回、第21回、第23回、第33回、第36回に最優秀賞を受賞
優秀賞曽根剛「カメラを止めるな!」


【受賞コメント】
撮影当時は、実験的に手探りで制作していた映画が評価いただけて嬉しく思います。皆が作品作りを純粋に楽しんで撮影でき、完成後にキャスト、スタッフ関係者だけでなく多くの方に支えられ観ていただけたからこその受賞です。ありがとうございます。今後も新しい試みに挑戦していきたいと思います。
初受賞
優秀賞灰原隆裕「孤狼の血」


【受賞コメント】
まずは関係者の皆様、鑑賞していただいた皆様、ロケ地である呉の皆様にお礼を申し上げます。ストーリーが持つ熱量を、強い陰影でうつしとっていくことが狙いでした。この熱が、次の時代のエネルギーに繋がっていくと信じています。ありがとうございました。
初受賞
優秀賞浜田 毅「北の桜守」


【受賞コメント】
1945年の樺太から稚内、網走、そして1970年の札幌。私の生まれ故郷の土地と時代を思い切り再現出来ました。流氷と吹雪の冬ロケと、撮影所内に再現した狸小路のオープンセットから始まった春、夏編まで思い出は尽きません。映画の仕掛けを楽しんでください。
【受賞歴】第32回「おくりびと」で最優秀賞受賞。第17回「僕らはみんな生きている」第27回「壬生義士伝」第28回「血と骨」第36回「天地明察」第37回「利休にたずねよ」で優秀賞を受賞。今回7回目の受賞
優秀照明賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞藤井勇「万引き家族」


【最優秀受賞コメント】
初めまして、トム・クルーズです。あまり真面目なことを言うなといわれているので(笑)。現場を抜けてきました。終わったらまた現場に戻ります。シュークリーム50個ほど差し入れして帰りたいと思います。
初受賞
優秀賞宗賢次郎「散り椿」


【受賞コメント】
この度は優秀照明賞をいただき大変光栄に思います。木村大作組、時代劇ということで大変プレッシャーを感じながらの撮影でしたが、毎日無我夢中でやりきりました。富山ロケでお世話になった方々、素晴らしいキャスト、スタッフの皆様に感謝します。そして素晴らしい作品に参加できるチャンスをくれた木村大作監督に感謝します。
初受賞
優秀賞川井稔「孤狼の血」


【受賞コメント】
「孤狼の血」に誘っていただいたプロデューサーはじめ、スタッフ、キャストに感謝致します。そして最大の功労者、呉の人々。ボランティアスタッフ、建込みスタッフ、ロケセットを提供していただいた関係各位、呉の映画が出来ました。西日本豪雨で大変な被害にもかかわらず応援ありがとうございます。今後も復興復旧にちょっとだけお手伝いするつもりです。最後にアペックス全従業員に感謝。
【受賞歴】第25回「冷静と情熱のあいだ」で優秀賞受賞。今回2回目の受賞
優秀賞髙屋 齋「北の桜守」


【受賞コメント】
滝田監督、吉永小百合さんを始め、素晴らしいキャストとスタッフと一緒に楽しく仕事をすることができました。過去と現在、映画と舞台、壮大な自然と大掛かりなセット等、様々な要素が組み込まれたスケールの大きな作品に携わることができて感謝しています。
【受賞歴】第25回「GO」第27回「座頭市」第32回「おくりびと」で最優秀賞受賞。第17回、第22回、第26回、第28回で優秀賞受賞。今回8回目の受賞
優秀美術賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞今村力「孤狼の血」


【最優秀コメント】
私がこの業界に入ったのは1965年。先のオリンピックの翌年です。その後、松竹の大船撮影所、東映の東京撮影所でご指導たまわりながら、55年やってまいりました。60~70年代には多くのヤクザ映画、実録物の現場につき、芯から鍛えられました。その流れを引く東映の「孤狼の血」で初めて日本アカデミーの最優秀賞をいただけたのは、望外の喜びです。
【受賞歴】第6回「誘拐報道」第9回「結婚案内ミステリー」「それから」「魔の刻」「夜叉」第10回「ア・ホーマンス」「キャバレー」で優秀賞受賞。今回4回目の受賞
優秀賞西村貴志「空飛ぶタイヤ」


【受賞コメント】
何よりも素晴らしい人柄と技術を持つスタッフが揃った本木組で、美術賞をいただいたことが大変うれしいです。各パートの相乗効果で、美術の評価を引き上げてもらったと思っております。膨大なシーン数を妥協することなく作り込んだ、思い入れの強い作品です。
初受賞
優秀賞原田満生「散り椿」


【受賞コメント】
優秀美術賞ありがとうございます。共に創り込んでくれた、全スタッフ、俳優部、関係者に感謝したいと思います。
【受賞歴】第29回「亡国のイージス」第31回「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」第36回「北のカナリアたち」「テルマエ・ロマエ」第37回「許されざる者」「舟を編む」で優秀賞受賞。今回5回目の受賞
優秀賞部谷京子「北の桜守」


【受賞コメント】
吉永小百合さんご出演120本目である本作に参加出来たことは、映画人として大変光栄なことでした。加えてこのような賞までいただき本当に幸せです。滝田監督や関係各位、美術スタッフに感謝します。この度は誠にありがとうございます。
【受賞歴】第20回「Shall we ダンス?」第31回「それでもボクはやってない」で最優秀賞を受賞。第18回、第21回、第23回、第25回、第26回、第27回、第29回、第36回で優秀賞受賞。今回で11回目の受賞
優秀賞三ツ松けいこ「万引き家族」


【受賞コメント】
とても感慨深く登場人物が魅力的で、是枝作品の中でもとても好きな作品でした。初めてプロットを読んだ時から、どんなボロ家を作れるのか楽しみでワクワクしていました。賞をいただけたこと、大変嬉しく思います。今後の励みにして、いろいろなことに挑戦していきたいと思います。どうもありがとうございました。 
【受賞歴】第39回「海街diary」で優秀賞受賞。今回2回目の受賞
優秀録音賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞浦田和治「孤狼の血」


【最優秀受賞コメント】
映画界に入ったのは1975年。劇映画の現場なんてほとんどありませんでした。いまやこんなに劇映画の本数が増え、俳優さんも目立つ人がたくさんいます。これから映画を目指す人は、どんどん録音に入ってきてほしい。撮影とかじゃなくて(笑)。本当に今日は幸せだし、嬉しいです。
初受賞
優秀賞小野寺修「北の桜守」


【受賞コメント】
2月の網走ロケの寒さを思い出します。そして何よりも吉永さんと仕事が出来た事を誇りに思っています。ありがとうございました。
【受賞歴】第7回「家族ゲーム」「みゆき」で初受賞以後、今回で優秀賞16回目の録音賞最多受賞。第11回、第16回、第24回、第25回、第32回で最優秀賞を受賞
優秀賞栗原和弘「空飛ぶタイヤ」


【受賞コメント】
この度は、優秀録音賞に選出され誠に光栄に思っております。監督をはじめ、この映画に携わってくださった関係各位の皆様、およびキャストの皆様には深く感謝してます。今後も、この賞に恥じないよう精進してまいります。
初受賞
優秀賞古茂田耕吉「カメラを止めるな!」


【受賞コメント】
驚きでいっぱいの受賞です。これ以上無い程のシンプルな録音手法、小規模作品にありがちな録音部一名体制での現場でしたが、それでも結果の「音」が評価されたのは喜びです。同様な状況で収音をしている技術者は多いと思いますが、今回の件が少しだけでも仕事の励みになってくれれば嬉しいです。
初受賞
優秀賞冨田和彦「万引き家族」


【受賞コメント】
東京下町の小さな小さな物語がこれほど評価をいただくなんて! 疑似家族が暮らすボロの平屋の生活感や、時代に取り残された平屋の雰囲気を「音」としてこだわったつもりです。現場は極寒でしたがキャストもスタッフも和やかでほっこりしました。長い間是枝作品を支えてくれた樹木希林さんのご冥福をお祈りいたします。
【受賞歴】第41回「三度目の殺人」で優秀賞受賞。今回2回目の受賞
優秀編集賞
© 日本アカデミー賞協会
最優秀賞上田慎一郎「カメラを止めるな!」


【最優秀受賞コメント】
まさか編集賞をいただけるとは思ってなかったので、一応考えてきたスピーチがぶっ飛んでしまいました(笑)。7年前に買ったMac Proを置いたまな板2個分のスペースで、自宅で編集をした作品です。それが300館以上でかかり、このような評価をいただき、改めて編集って人の粘りやひらめきであると信じられました。Mac Proを共同で買った仲間にもありがとうと伝えたいです。
初受賞
優秀賞加藤ひとみ「孤狼の血」


【受賞コメント】
撮影現場から届く素材の「熱」を感じた時、絶対に観客が滾るような映画にする! と気合いが入りました。お互い初監督・編集技師デビュー作から共に歩んできた白石監督の作品で、名誉ある賞をいただき、大変嬉しく思っています。尊敬する白石組のスタッフ、最高のキャストの皆さまと熱い映画を生み出せたこと、本当に感謝いたします。
初受賞
優秀賞川瀬功「空飛ぶタイヤ」


【受賞コメント】
ベストセラー作家、池井戸潤氏の初映画化で、上下巻ある原作を最終的に2時間の作品にまとめました。観客に切り過ぎた印象を与えないように芝居のテンポやスピード感を工夫することで、窮地に追いつめられていく主人公の緊張感も増幅され、よりダイナミックなエンターテインメント作品になったのではないかと思います。
初受賞
優秀賞是枝裕和「万引き家族」


【受賞歴】第41回「三度目の殺人」で最優秀賞、第37回「そして父になる」第39回「海街diary」で優秀賞受賞。今回4回目の受賞
優秀賞李英美「北の桜守」


【受賞コメント】
このような栄誉ある賞をいただき大変嬉しく思います。スタッフ・キャストの皆様、そして滝田監督に心より感謝致します。「北の桜守」は戦中から戦後にかけて懸命に生き抜いた母と子の物語。私はこの作品が完成する頃に新たな命を授かりました。主人公“てつ”のようにたくましく、息子を育てながら仕事も精進していきたいと思います。
初受賞
優秀外国作品賞
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
最優秀賞ボヘミアン・ラプソディ


【最優秀受賞コメント】
数多く、素晴らしい作品の中で、フォックスの映画を4作品も選んでくださって、ありがとうございます。社員を代表して、お礼申し上げます。そしてラミ・マレック、フレディ・マーキュリーに代わって、応援上映で歌ってくれた日本の全国の映画ファンにも感謝いたします。(ジェシー・リー20世紀フォックス映画日本代表)
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伝説のロックバンド、クイーンと、45歳の若さでこの世を去ったリードボーカル、フレディ・マーキュリーの栄光と
挫折、そして復活を描いた伝記的ミュージック・エンタテインメント。劇中ではフレディ自身の歌声による28曲が使用されている。20世紀最大のチャリティコンサート『ライブ・エイド』での伝説的なパフォーマンスをクライマックスに、名曲誕生の瞬間や知られざるフレディの苦悩も描かれる。見た目もフレディになりきったラミ・マレックの熱演が圧巻だ。日本では100億円を突破し、18年の興行収入第1位となる大ヒットを記録した。第76回ゴールデングローブ賞では最優秀作品賞と最優秀主演男優賞を受賞、第91回アカデミー賞でも作品賞、主演男優賞、音響編集賞、録音賞、編集賞にノミネートされている。第61回ブルーリボン賞外国映画賞を受賞。
原題:Bohemian Rhapsody
監督:ブライアン・シンガー  脚本:アンソニー・マクカーテン
配給:20世紀フォックス映画
優秀賞グレイテスト・ショーマン


第75回ゴールデングローブ賞で最優秀主題歌賞を受賞した、ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル・エンタテインメント。19世紀半ばのアメリカを背景に、ショービジネスの原点を築いた伝説の興行師P.T.バーナムが、妻への一途な愛を糧に夢を追いかける姿を描く。「ラ・ラ・ランド」(17)で第89回アカデミー賞主題歌賞を受賞した、ベンジ・パセックとジャスティン・ポールの音楽&作詞コンビが全9曲のミュージカル・ナンバーを書き下ろし、中でもキアラ・セトルがメインボーカルを務めた主題歌『THIS IS ME』は、ありのままに自分らしく生きようとする人々の想いが胸を打つ名曲である。「レ・ミゼラブル」(12)でも感動を呼んだ、ヒュー・ジャックマンの見事な歌唱力も映画の魅力になっている。
原題:THE GREATEST SHOWMAN
監督:マイケル・グレイシー 脚本:ジェニー・ビックス、ビル・コンドン
配給:20世紀フォックス映画
優秀賞シェイプ・オブ・ウォーター


冷戦時代を背景に、ギレルモ・デル・トロ監督が愛すべきアウトサイダーたちを優しいまなざしで描いたファン
タジー・ロマンス。1962年のアメリカ。政府の極秘研究所で働くイライザは、アマゾンの奥地から運ばれてきた見たことのない生物と心を通わせていく。デル・トロ監督は、クラシカルなコメディやミュージカルの要素と、最新のVFXを融合させ、独特な世界観を構築し、異形の生物と人間との恋をロマンティックに映し出した。愛するもののために強くしなやかに変わっていくヒロイン、イライザ役は、最初からサリー・ホーキンスにあて書きされたもの。第74回ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞、第90回アカデミー賞では作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞の4部門、さらに第75回ゴールデングローブ賞でも最優秀監督賞と最優秀作曲賞に輝いている。
原題:The Shape of Water
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
配給:20世紀フォックス映画
優秀賞スリー・ビルボード


人間の愛と怒りを描く、マーティン・マクドナー監督&脚本による重量級のクライム・サスペンス。第74回ヴェネチア国際映画祭最優秀脚本賞、第90回アカデミー賞では主演女優賞と助演男優賞、第75回ゴールデングローブ賞では作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚本賞を受賞した。アメリカの田舎町に立てられた警察署長を批判する3枚の広告看板(ビルボード)。広告主は7カ月前に娘を殺された母親ミルドレッドで、彼女はたった一人で警察の捜査の怠慢を追求していく。強固に自分の意志を貫くミルドレッドを、フランシス・マクドーマンドが熱演。彼女と対立する粗野な警察官を演じて各助演賞を受賞したサム・ロックウェルの存在感も光る。第31回日刊スポーツ映画大賞外国作品賞、第73回毎日映画コンクール外国映画ベストワン賞も受賞。
原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
監督・脚本:マーティン・マクドナー
配給:20世紀フォックス映画
優秀賞ミッション:インポッシブル/フォールアウト


トム・クルーズ製作・主演による人気スパイアクション・シリーズの第6作。奪われたプルトニウムを奪還す
るべく、イーサン・ハントとその仲間が活躍する。イーサンを演じたトムは撮影中、ビルに飛び移るシーンで
壁にぶつかり足首を骨折。全治9カ月と診断されたが6週間で撮影に復帰し、ヘリコプターを操縦してのア
クロバティック飛行や地上8000メートルからのヘイロージャンプなど、かつてない危険なアクションに自ら挑んでいる。このシリーズの監督は毎回、変わってきたが、今回初めて前作に続いてクリストファー・マッカリーがメガホンを取り、息つく暇もないノンストップ・アクション映画に仕上げた。シリーズ第1作が、第20回日本アカデミー賞優秀外国作品賞を受賞。今回はシリーズ2度目の受賞となる。
原題:Mission:impossible Fallout
監督・脚本:クリストファー・マッカリー
配給:東和ピクチャーズ
新人俳優賞
© 日本アカデミー賞協会
優秀賞上白石萌歌「羊と鋼の森」


【受賞コメント】
お芝居を始めて8年になりますが、まだ思い悩んだり、苦しむことばかりです。でも間違いなく演じることに助けられてる自分がいます。より責任と覚悟をもって、誰かの明日の活力になれるようなエネルギーをお届けできたらいいなと思っています。

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11年第7回『東宝シンデレラ』オーディションでグランプリ受賞。12年に女優デビュー。18年は細田守監督の「未来のミライ」で4歳児のくんちゃんの声を担当するほか、「3D彼女 リアルガール」や『義母と娘のブルース』(TBS)などで活躍。本作では実の姉の上白石萌音と姉妹役で初共演。ピアニストを目指す、闊達な由仁を演じた。多感な時期の少女を繊細に演じると共に、半年間特訓を重ね、由仁の心情を音色でも表現してみせたピアノの演奏は秀逸だ。
優秀賞趣里「生きてるだけで、愛。」


【受賞コメント】
共演した菅田将暉さんから盾をもらえて嬉しいです。たくさん支えていただきました。私は、映画というエンタテインメントに何度も救われてきました。このような素晴らしい賞を受賞でき、支えてくれている方への感謝の気持ちとともに、誰かの心に寄り添える人間でい続けられるよう、日々歩んできたいと思います。
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11年、ドラマ『3年B組金八先生ファイナル~「最後の贈る言葉」』(TBS)で女優デビュー。NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(16)で注目され、狂気を感じさせる代議士の妻を演じた『リバース』(17/TBS)、少ない台詞ながら存在感を示した『ブラックペアン』(18/TBS)などのドラマや舞台で活躍。本谷有希子の原作の映画化である本作では、全てに嘘がつけず、エキセントリックで社会にうまく適合できない不器用なヒロイン役を確かな演技で昇華させた。
優秀賞平手友梨奈「響 -HIBIKI-」


【受賞コメント】
お芝居をするということに対して、自分に嘘をついているんじゃないかと、疑問を持ったこともありました。でも最終的には自然体ででき、すごく嬉しかったです。チームのみんなと、今まで私に関わってくださった皆さんに感謝します。初めての映画でしたが、すごくいい体験をさせていただきました。
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女性アイドルグループ『欅坂46』のメンバーとして、16年にデビュー。グループの圧倒的センターとして活躍し、中高生を核に幅広く支持されている。『マンガ大賞2017』大賞の受賞作の映画化で、映画初出演にして初主演となるヒロイン、響を演じた。平手と響が重なって見えるほど彼女自身とシンクロするその役に対して、演じるのではなく響としてそこにいるというアプローチで取り組んだ。響の持つ意志の強さを、目で魅せる演技で強烈な印象を残した。
優秀賞芳根京子「累 -かさね-」「散り椿」


【受賞コメント】
お芝居をやらせていただいて6年が経ちました。「散り椿」も、「累‐かさね‐」も、どちらも自分では逃げたくなるような高い壁だと感じていました。でもあのとき真正面からぶつからせてもらえたから今があると思っています。これからもいろいろな人生に挑戦させてもらいたいなと心から思っています。
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13年、『ラスト♡シンデレラ』(CX)で女優デビュー。16年、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』のヒロインに抜擢される。「累 -かさね-」では、これまでの明るいイメージを覆す、欲と嫉妬にかられるダークな役に臨んだ。土屋太鳳と顔が入れ替わる設定で、自分のキャラクターに加え、相手の役も演じる難易度の高い芝居をこなした。初の時代劇で木村大作組への出演となった「散り椿」では、運命に翻弄される武士の娘を気丈かつ可憐に演じた。
優秀賞伊藤健太郎「コーヒーが冷めないうちに」


【受賞コメント】
この作品を試写室で初めて見た日、塚原あゆ子監督から手紙をいただきました。手紙には、「あなたは見る人を幸せにできる役者さんになれます」と書かれており、これから役者をやっていく上で、その言葉を大切にいい映画を作っていきたいと思ってます。
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14年、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(CX)で俳優デビュー。「俺物語!!」(15)、「ミュージアム」(16)で注目され、映画「デメキン」(17)で初主演。18年は映画に「ルームロンダリング」「ういらぶ。」やドラマ『今日から俺は!!』(NTV)などに出演し、その緩急自在の演技を魅せつけ、中高生から絶大な支持を集めた。本作では過去に戻る不思議な喫茶店の女主人にまっすぐな思いを寄せる大学生を魅力的に演じた。唯一の映画オリジナルキャラクター。
優秀賞中川大志「坂道のアポロン」「覚悟はいいかそこの女子。」


【受賞コメント】
自分でも憧れの場所に立てて、この景色を見て、これからも映画作りの世界に携わりたいと、改めて強く感じました。ここにはいつかお仕事をご一緒したい先輩もたくさんいます。監督、プロデューサーの皆様、もし僕を思い出したらオーディションに呼んでください。
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09年俳優デビュー。18年は『花のち晴れ~花男 Next Season~』(TBS)、「虹色デイズ」で人気を不動のものに。「坂道のアポロン」では大柄でケンカが強くジャズドラムを叩く日米ハーフの高校生、千太郎を演じるために、10カ月間のドラムの練習と肉体トレーニングを積み、役を徹底的に体に染み込ませ説得力を持たせた。「覚悟はいいかそこの女子。」では少女漫画に登場する王子様的男子像に集約されない魅力的でヘタレなイケメン高校生を軽快に演じた。
優秀賞成田凌「スマホを落としただけなのに」「ビブリア古書堂の事件手帖」


【受賞コメント】
映画の現場にいくたびに、自分の未熟さを感じます。このような賞をいただけてありがたく、ほっとしたというのが正直な気持ちです。またこの場に帰ってきたいし、帰ってこられたら自信を持って立っていられるようになりたいと思います。
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13年、第28回『MEN’S NON-NO』のオーディションに合格し、モデルとして人気に。14年に俳優デビュー。18年は「ニワトリ★スター」「劇場版コード・ブルー ‒ドクターヘリ緊急救命‒」をはじめ、作品によって変幻自在に自身のイメージを変えその存在感を示した。「スマホを落としただけなのに」では物語の鍵を握るネットセキュリティの専門家、「ビブリア古書堂の事件手帖」ではヒロイン・栞子に近づく漫画古書のネット販売を行うミステリアスな男を魅惑的に演じきった。
優秀賞吉沢亮「リバーズ・エッジ」


【受賞コメント】
この作品で、ベルリン国際映画祭やいろいろな映画賞に呼んでいただきました。映画を愛する映画人にお会いし、熱を感じ、改めて映画ってすごくエネルギーを持ってる素敵なものだと感じる一年でした。これからもたくさんの現場に携わって、たくさんの出会いを楽しめればいいなと思います。
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09年『アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン』を機にデビュー。18年は「銀魂2」「ママレード・ボーイ」「あのコの、トリコ。」などをはじめ8本もの映画に出演。カリスマ的存在の岡崎京子原作の本作を演じるにあたり、これまではキャラクターの外見から役作りすることが多かったが、内面からその世界観を引出し、感情の起伏を抑えて臨んだという。揺るぎなき存在である死体を宝物とする、同級生からいじめを受けるゲイの青年をピュアに演じた。
協会特別賞
© 日本アカデミー賞協会
© 日本アカデミー賞協会
© 日本アカデミー賞協会
© 日本アカデミー賞協会
優秀賞大塚康生【 アニメーター】


【受賞コメント】
アニメーションは絵を描きます。いろんな人が絵を描いているので、自分の仕事は大したことはないと思っているのですが。このたびは賞をいただき、感激しております。
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日本におけるアニメーション映画の歴史を辿るうえで大塚康生氏の名前を欠かすことはできない。戦後、厚生省の麻薬取締官などの職業を経て、老舗のアニメーション・スタジオ、日動(日本動画社)から、56年、東映動画(現・東映アニメーション)の第一期生となる。日本初の本格カラー長編アニメーション映画「白蛇伝」(58)で動画を担当。以後は原画として「わんぱく王子の大蛇退治」(63)などを手がけ、作画監督として参加した「太陽の王子 ホルスの大冒険」(68)では演出に高畑勲を推薦し、彼が世に出る契機を作った。“アニメーターとは演技者である”と定義して、キャラクターの動きにこだわる。68年、同社を退社後、Aプロダクションに移籍し、テレビシリーズ『ムーミン』(69~70)『ルパン三世』旧シリーズ(71~72)『未来少年コナン』(78)映画「パンダコパンダ」2部作(72,73)などでその才能を遺憾なく発揮する。78年、テレコムアニメーションに移り「ルパン三世 カリオストロの城」(79)「じゃりン子チエ」(81)の作画監督を務める。高畑勲や宮崎駿の名作を支え、大きな役割を果たし、現在も日本のアニメーターの草分けとして、後進の指導育成にあたる。02年文化庁長官表彰を受ける。著書に『作画汗まみれ』(01)『大塚康生インタビュー アニメーション縦横無尽』(06)などがある。
優秀賞金田正【映画スチールマン】


【受賞コメント】
いつもはライトの向こう側にいますが、今日はライトの当たる側にいて、心臓がバクバクして居心地が悪いです。でも実際映画を作ることには直接関わってはいないのですが、こんなにしていただいてありがとうございます。
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動かない一枚の写真で、いかにその映画を表現するか。スチール写真は観客が最初に目撃する映画の“顔”であり、撮影現場から切りとったワンカットが、映画を代表する名場面として観客の脳裏に刻みこまれる。時には実際に映画の中にないシーンも、その映画を象徴する画として撮影し、それを宣伝材料として使用することも多い。その映画の本質を誰よりも的確に把握していなければ不可能な作業であり、スチールが映画のスタッフに不可欠であることを証明している。金田氏は松竹京都撮影所の宣伝部スチール係に配属され「命との対決」(60)でスチールマンとして撮影現場に参加。62年、大船撮影所に異動後も一貫してスチールを担当し、大島渚監督「帰ってきたヨッパライ」(68)、野村芳太郎監督「砂の器」(74)、木下惠介監督「新・喜びも悲しみも幾年月」(86)などを担当し、これまで携わった作品は、およそ60年間で150本を超える。山田洋次監督「男はつらいよ」シリーズでは、第41作目「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」(89)から最新作「男はつらいよ50 おかえり寅さん」(仮題)まで担当。後進の育成に努めながら今も現役として活躍し、製作から配給まで、作品に携わる全てのスタッフから高い信頼を寄せられている。11年、文化庁映画賞映画功労部門で受賞。
優秀賞櫻井勉【プロデューサー】


【受賞コメント】
ほぼ50年やっているので、お前もそろそろ現場を退けということなのかなと思いながら本日参りましたが、僕よりも年長の方が結構いらっしゃる(笑)。もうちょっとやっても大丈夫かなと思いました。あとどれだけできるかわかりませんが、頑張りたいと思います。
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監督やスタッフの意向を汲み、限られた条件下でより良い撮影環境を作り出す手腕において、櫻井勉プロデューサーは周囲から篤い信頼を寄せられている。独立プロの助監督からそのキャリアをスタートし、テレビシリーズ『新藤兼人劇場』(70)や「婉という女」(71)で制作進行を務め、近代映協では神山征二郎監督のデビュー作「鯉のいる村」(71)など数多くの作品を担当する。ラインプロデューサーを経て「三本足のアロー」(80)でプロデューサーとなる。黒澤明監督「乱」(85)や佐藤純彌監督「敦煌」(88「) おろしや国酔夢譚」(92)などの超大作から、森田芳光監督「失楽園」(97)、小泉堯史監督「雨あがる」(00)「阿弥陀堂だより」(02)、黒木和雄監督「紙屋悦子の青春」(06)など名匠の作品、五十嵐匠監督「地雷を踏んだらサヨウナラ」(99)、長澤雅彦監督「13階段」(03)、新藤風監督「島々清しゃ」(17)といった若手監督まで数多くの作品を担当し、その数は65本に及ぶ。インディペンデントの現場を知るプロデューサーとして、撮影所システムとは異なる視点から、合理的な制作体制の考案に努め、製作部が担う仕事の範囲と手法を確立した。「限られた予算の中で、予算とスケジュールを管理し、作品にとってベストをめざしたい」という発言が心強い。16年、文化庁映画賞映画功労部門で受賞。
優秀賞千代田圭介【衣裳】


【受賞コメント】
この道に入って46年経ちます。特別賞という重みを忘れずに、衣裳の道を楽しく朗らかに歩いていきたいと思います。
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時代劇、現代劇を問わず、映画の衣裳担当者には膨大な知識が要求される。特に時代劇や戦前、戦中、戦後を描く作品では、俳優が身に纏う衣裳には、正確で緻密な時代考証が求められる。その第一人者、千代田圭介氏は幼少時から東映時代劇に親しみ、73年、京都衣裳(現・東宝コスチューム)に入社し、憧れていた加藤泰監督「日本俠花伝」(73)に見習いとして就き、加藤監督から「日本一の衣裳担当に」と励まされて感動。三船プロ製作の時代劇などで技術を磨く。今村昌平監督「カンゾー先生」(98)「赤い橋の下のぬるい水」(01)、篠田正浩監督「梟の城」(99)「スパイ・ゾルゲ」(03)、鈴木清順監督「オペレッタ狸御殿」(05)、大林宣彦監督「なごり雪 あるいは、五十歳の悲歌」(02)「風の歌が聴きたい」(98)、佐藤純彌監督「桜田門外ノ変」(10)、原田眞人監督「突入せよ!『あさま山荘』事件」(02)「関ケ原」(17)ら各監督の代表作を手がけ、個性的な若手監督たちとの作品も数多く担当。近年では「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」(15)「シン・ゴジラ」(16)などSF作品も手がけ、監督や俳優、美術監督からも信頼されている。「衣裳だけが目立つ作品よりも、俳優さんの芝居より目立つことなく、何よりも作品の内容に溶けこんだ衣裳をめざしたい」という言葉に千代田氏の自負が窺える。大林監督の最新作「海辺の映画館-キネマの玉手箱」(19)の公開が期待される。
会長功労賞
優秀賞岡田茉莉子【俳優・プロデューサー】


【映画人生を振り返ってのコメント】
サイレント時代の名優岡田時彦を父にもち、亡き父と同様に谷崎潤一郎氏より命名をしていただいて一八歳のとき、しかも映画界は全盛の時代、幸せなデビューでした。その後映画界の巨匠といわれる小津安二郎、成瀬巳喜男、木下惠介監督の作品に出演することができたのです。そして吉田喜重監督と出会い『秋津温泉』を製作、その後吉田と結婚。それにしても幸せな女優の一生だったと思っております。
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父は大正から昭和にかけて活躍した俳優、岡田時彦。母は宝塚スターの田鶴園子。少女時代から、その美貌と気品は注目され、東宝のプロデューサーであった叔父の山本紫朗の勧めで、51年、東宝ニューフェイスの第3期として東宝演技研究所に入所し、同年成瀬巳喜男監督「舞姫」の準主役に抜擢されて映画デビュー。芸名は文豪、谷崎潤一郎の命名。「春の囁き」(52)「吹けよ春風」(53)などの助演を経て「芸者小夏」(54)に主演し、評判になる。57年にはフリーになり、その後松竹と専属契約。早くから自身の意志を貫くスタイルで、作品をプロデュースする意思を持ち、井上和男監督「熱愛者」(61)を手がけたのち、自身の100本出演記念作品として「秋津温泉」(62)をプロデュース。当時ヌーヴェルヴァーグの旗手として注目されていた吉田喜重を監督に請い、自ら主演して代表作とする。公私ともにパートナーとなる吉田監督とは66年に現代映画社を設立。「エロス+虐殺」「煉獄エロイカ」(共に70)「告白的女優論」(71)「戒厳令」(73/プロデュースのみ)「鏡の女たち」(03)などの野心作を発表し、強烈な印象を残す。他に代表作として「浮雲」(55)「秋日和」(60)「秋刀魚の味」(62)「香華」(64)「人間の証明」(77)「マルサの女」(87)などがあり、09年には女優人生を自ら書き下ろした『女優 岡田茉莉子』を刊行し話題を呼ぶ。
優秀賞岸惠子【俳優】


【映画人生を振り返ってのコメント】
物語を書くのが好きだった私が、ふとしたことで映画界に入り、その魅力にとりつかれて六十五年以上になります。女優としてやや成熟期に入ったかな、という時期にフランスに渡り、四十三年もの間海外で暮らしたため、出演作品が驚くほど少なくて、このような賞をいただくのは申し訳なく思います。わたしはどんな役でも演じる上手い女優ではありません。ああ、いいなあと思っていただける女優でありたいと願っていました。
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その凛とした眼差しと演技力が多くの映画ファンを魅了する岸惠子氏は、横浜第一高女に在学中、松竹大船撮影所を見学したことがきっかけで、51年松竹に入社。同年「我が家は楽し」でデビューした。菊田一夫作の国民的な人気ラジオドラマ『君の名は』の映画化(53)で、ヒロイン、氏家真知子役に抜擢され大ヒット。三部作が作られる。木下惠介監督「女の園」(54)や、今井正監督「ここに泉あり」(55)、小津安二郎監督「早春」(56)などで女優として足場を固める。日仏合作「忘れえぬ慕情」(56)などに出演し、国際女優として活躍すると共に、日本では久我美子、有馬稲子と独立プロ『文芸プロダクションにんじんくらぶ』を設立。「怪談」(64)「約束」(72)「細雪」(83)など数々の傑作に出演し、市川崑監督作品「おとうと」(60)では毎日映画コンクール、ブルーリボン賞などの女優賞を受賞。名実ともに日本映画を代表する女優となる。「悪魔の手毬唄」(77)や「かあちゃん」(01)「たそがれ清兵衛」(02)などの映画出演を続けると共に、ジャーナリスト、作家としても活躍の幅を広げ『巴里の空はあかね雲』(83/日本文芸大賞エッセイ賞受賞)『ベラルーシの林檎』(93/日本エッセイスト・クラブ賞受賞)『風が見ていた』(03)『私の人生のア・ラ・カルト』(05)『愛のかたち』(17)など著作も数多い。
【日本アカデミー賞受賞歴】第25回「かあちゃん」で最優秀主演女優賞、第1回「悪魔の手毬唄」で主演女優賞ノミネート。第26回「たそがれ清兵衛」で優秀助演女優賞受賞
優秀賞佐藤純彌【監督・脚本】


【映画人生を振り返ってのコメント】
スパシーボ、メルシー・ボークー、ダンケ・シェーン、多謝々々、ヘェリイ・モチャケラム、サンクス・ベリマッチ、ありがとうございました……
世界各地の人々、映画関係者の方々に、言葉に盡せぬ程、お世話になった、幸せな“映画人生”でした。本当に、本当に、心から、お礼申し上げます。
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社会派作品から海外ロケを敢行した超大作まで、いかなる題材を手がけても、真摯かつ誠実に人間と対峙する佐藤純彌監督は、56年に東映入社。東映東京撮影所で助監督としてのキャリアを積み、三國連太郎主演「陸軍残虐物語」(63)で監督デビューを果たし、ブルーリボン新人監督賞を受賞。東映任俠映画ブーム全盛期には「組織暴力」(67)や「博徒斬り込み隊」(71)「実録・私設銀座警察」(73)などの傑作を次々と発表し、組織と個人との葛藤を鋭く描破する。68年、東映退社後は「新幹線大爆破」(75)「君よ憤怒の河を渉れ」(76)「野性の証明」など高倉健主演作を連打し、その手腕を発揮した。東映在籍時から「荒野の渡世人」(68)のオーストラリア、「旅に出た極道」(69)の香港、「未完の対局」(82)「空海」(84)「敦煌」(88)「北京原人 Who are you ?」(97)の中国、「ゴルゴ13」(73)のイラン、「人間の証明」(77)「野性の証明」(78)のアメリカ、「植村直己物語」(86)の北極、エベレス
ト、「おろしや国酔夢譚」(92)のソ連など、世界各国に積極的にロケし、現地スタッフとも見事に連帯した。代表作として他に「遥かなる走路」(80)「男たちの大和 YAMATO」(05)「桜田門外ノ変」(10)などがあり、著書に『シネマ遁走曲』(86)や自作を語った集大成本『映画監督佐藤純彌・映画よ憤怒の河を渉れ』(18)がある。
【日本アカデミー賞受賞歴】第12回「敦煌」で最優秀監督賞。第10回「植村直己物語」第30回「男たちの大和 YAMATO」で優秀監督賞受賞
優秀賞吉田喜重【監督・脚本】


【映画人生を振り返ってのコメント】
わたしが映画の世界に入った頃は、テレビ放送が始まり、そのために映画を見る人が激減、映画界は危機的状況だった。しかしこうした転換期が新しい映画監督としてデビューするには幸いしたのである。既成の映画や家庭のテレビでは見られないような斬新な作品を製作することができた。そしてわたしは七十歳になった折り最後の作品『鏡の女たち』を発表。それにしてもわたしは幸せな監督だったと思う。
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55年、松竹大船撮影所に助監督として入社し、主に大庭秀雄監督、木下惠介監督に師事。「ろくでなし」(60)で監督デビュー。「甘い夜の果て」(61)「嵐を呼ぶ十八人」(63)「日本脱出」(64)などの問題作を次々と発表し、大島渚監督、篠田正浩監督らと共に“松竹ヌーヴェルヴァーグ”の旗手として脚光を浴びる。岡田茉莉子がプロデュースした「秋津温泉」(62)の監督に指名され、初期の代表作とする。64年、松竹を退社。66年、岡田と共に設立した現代映画社で大正時代のアナーキスト大杉栄の政治と性を現代の状況と並列しつつ描いた「エロス+虐殺」(70)をはじめ「煉獄エロイカ」(70)「告白的女優論」(71)「戒厳令」(73)などを発表。水や鏡をモチーフにした独特の手法による映像美が、国内のみならず、フランスでも高く評価される。70年代後半から、その活動をテレビドキュメンタリーの世界に移したが、13年ぶりに発表した「人間の約束」(86)が国内では芸術選奨文部大臣賞ほか、海外ではサン・セバスチャン国際映画祭銀の貝殻賞を受賞。舞台を日本の中世に大胆に置き換えた「嵐が丘」(88)は、第41回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品。「鏡の女たち」(03)は同映画祭第55回特別招待作品として上映されるなど国際的に高評価を得た。著書に『自己否定の論理・想像力による変身』(70)『見ることのアナーキズム 吉田喜重映像論集』(71)などがある。
【日本アカデミー賞受賞歴】第10回「人間の約束」で優秀監督賞受賞
特別追悼
優秀賞沢島忠【監督】1月27日没 享年91


1950年東横映画入社。「忍術御前試合」(57)で監督デビュー以来、美空ひばりの最後の主演映画「女の花道」(71)まで、時代劇にミュージカルを融合させたモダンな演出で東映時代劇を支え、完成度の高いスター映画をシリーズ化させる。中でも初代中村錦之介(萬屋錦之介)作品の「一心太助」シリーズ(58~63)、「殿さま弥次喜多」シリーズ(58~60)で熱狂的ファンを獲得した。代表作に「ひばり捕物帖 かんざし小判」(58)「殿さま弥次喜多 捕物道中」(59)「右門捕物帖片目の狼」(59)「人生劇場 飛車角」(63)。
<受賞歴>第40回特別賞
優秀賞木下忠司【音楽】4月30日没 享年102


戦後日本映画の黄金期を質量ともに支えた。1946年「わが恋せし乙女」以降、兄である木下惠介監督作品すべての音楽を担当した。川島雄三監督「とんかつ大将」(52)、野村芳太郎監督「伊豆の踊子」(54)、小林正樹監督「人間の條件<第1~6部>」(59~61)に始まり山田洋次監督「なつかしい風来坊」(66)へと至る松竹の流れに加え、日本初の長編カラーアニメ「白蛇伝」(58)「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」(66)「日本俠客伝花と龍」(69)「トラック野郎」シリーズ(75~79)など多彩を極める。
<受賞歴>第3回「衝撃殺人 息子よ」「トラック野郎」シリーズで音楽賞ノミネート
第40回会長功労賞
優秀賞橋本忍【脚本・製作・監督】7月19日没 享年100


1950年黒澤明監督「羅生門」で脚本家デビュー。以来「生きる」(52)「七人の侍」(54)など8本の黒澤作品の脚本を担う。他、代表作は「張込み」(58)「切腹」(62)「白い巨塔」(66)「日本のいちばん長い日」(67)「日本沈没」(73)など。作品数は74本に及ぶ。73年橋本プロダクションを設立し、脚本のみならず製作者として「砂の器」(74)「八甲田山」(77)を大ヒットに導く。監督作品に「私は貝になりたい」(59)「幻の湖」(82)がある。
<受賞歴>第1回「八甲田山」「八つ墓村」で脚本賞ノミネート
第40回会長功労賞
会長特別賞
優秀賞高畑勲【アニメーション監督】4月5日没 享年82


東映動画時代から約半世紀、宮崎駿監督と共に、まさに日本アニメ界を牽引してきた存在といえるだろう。59年、東映動画(現・東映アニメーション)に入社。テレビアニメ『狼少年ケン』(63~65)で演出デビュー。「太陽の王子 ホルスの大冒険」(68)で長編アニメーション映画の初監督を務める。70年代には『アルプスの少女ハイジ』(74)『母をたずねて三千里』(76)『赤毛のアン』(79)など名作シリーズを手がけ『アルプスの少女ハイジ』では「現地の人が見ても違和感がないものを」と、当時は異例の海外ロケハンを敢行する。84年には宮崎監督の「風の谷のナウシカ」をプロデュース。翌年、宮崎監督とスタジオジブリを設立し、二人三脚でヒット作を生み出す。野坂昭如原作の「火垂るの墓」(88)では戦争に翻弄される子供たちの悲惨な運命を描き、紅花作りに生きるヒロインを描いた「おもひでぽろぽろ」(91)では芸術選奨文部大臣賞を受賞。また3年をかけて完成させた長編記録映画「柳川掘割物語」(87)では毎日映画コンクール文化記録映画賞を受賞した。98年には紫綬褒章を受賞。他に代表作として「セロ弾きのゴーシュ」(82)「平成狸合戦ぽんぽこ」(94)「かぐや姫の物語」(13)などがある。『映画を作りながら考えたこと』(91)『映画を作りながら考えたこと2』『十二世紀のアニメーション』(99)など著書も多数ある。
【日本アカデミー賞受賞歴】第15回「おもひでぽろぽろ」話題賞[作品部門]第37回「かぐや姫の物語」優秀アニメーション作品賞受賞
優秀賞星由里子【俳優】5月16日没 享年74


ある世代の映画ファンにとっては、憧れのマドンナだった。「大学の若大将」(61)からはじまる東宝「若大将」シリーズで主人公・田沼雄一(加山雄三)の恋人、澄子役を演じ、その明るく活発なキャラクターは誰からも愛された。東宝カラーと見事にマッチし、数多くの作品にヒロインとして出演。映画全盛期の東宝になくてはならない存在だった。58年宝塚歌劇団月組の東京宝塚劇場『ブロードウェイ・シンデレラ』公演にちなんで公募された『ミス・シンデレラ娘』に選ばれて東宝と専属契約を結び、59年、堀川弘通監督「すずかけの散歩道」で銀幕デビュー。「ある日わたしは」(59)「娘と私」「河のほとりで」(62)「何処へ」(66)などで東宝の看板女優となり、前述した若大将シリーズでは、第11作「ゴー!ゴー!若大将」(67)まで澄子役を演じ、人気を博した。また「世界大戦争」(61)や「モスラ対ゴジラ」(64)など東宝特撮映画にもヒロインとして出演し、ファンを喜ばせた。67年、それまでのお嬢さんタイプからの脱皮をめざし「千曲川絶唱」で体当りの熱演を見せ、ミリオン・パール賞を受賞。以後、貴重なバイプレイヤーとして「恋する女たち」(86)「虹の橋」(93)「わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語」(96)などに出演。02年には第28回菊田一夫演劇賞受賞。
【日本アカデミー賞受賞歴】第20回「わが心の銀座鉄道 宮沢賢治物語」優秀助演女優賞受賞
優秀賞津川雅彦【監督・俳優】8月4日没 享年78


祖父は「日本映画の父」牧野省三、父は時代劇スターの沢村国太郎、母は牧野省三の長女で女優のマキノ智子、兄は俳優の長門裕之という映画人一家に育つ。5才の時に阪東妻三郎主演「狐の呉れた赤ん坊」(45)で映画初出演。伊藤大輔監督「獅子の座」(53)、溝口健二監督「山椒大夫」(54)など巨匠の作品に子役として出演し、中平康監督「狂った果実」(56)で本格的に映画デビュー。以後、美男スターとして青春映画に欠かせぬ存在となる。人気絶頂の58年に松竹に移籍。「ろくでなし」「日本の夜と霧」「悪人志願」(60)など、松竹ヌーヴェルヴァーグ作品で活躍。64年にフリーとなり、東映任俠映画にも出演。加藤泰監督「明治俠客伝 三代目襲名」(65)、マキノ雅弘監督「昭和残俠伝 血染の唐獅子」(67)などに好助演する。
優秀賞樹木希林【俳優】9月15日没 享年75


その長いキャリアを通じて最晩年に近づくにつれ代表作を多発したことに、本当の意味でこの人の女優としての凄味を感じる。61年、文学座附属演劇研究所の第1期生として入所。芸名を“悠木千帆”とする。テレビドラマ『七人の孫』(64~66)で森繁久彌にその才能を見出され、65年に文学座正座員となるが、翌年退団。『時間ですよ』(70~75)『寺内貫太郎一家』(74~75)『ムー』『ムー一族』(77~79)や、独創的なCMなどで、お茶の間の話題を集め、テレビ界において独自の地位を固めていった。「殿方御用心」(66)で映画初出演。77年、NETテレビが局名をテレビ朝日に変更する際に放送された記念番組のオークションで、自身の芸名を出品。名前は2万200円で落札され、その後「樹や木が集まり、希な林を作る」ということから“樹木希林“と改名。代表作として「はなれ瞽女おりん」(77)「半落ち」(04)「悪人」(10)「わが母の記」(12)「あん」(15)などがあり、18年には「モリのいる場所」「万引き家族」「日日是
好日」が公開され、19年には自身が企画も手がけた「エリカ38」と、ドイツ映画「Cherry Blossoms and Demons」(原題)も公開予定。生涯現役だった。著書に『一切なりゆき』(18)がある。08年に紫綬褒章、14年に旭日小綬章を受賞。
【日本アカデミー賞受賞歴】第31回「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」第36回「わが母の記」で最優秀主演女優賞、第39回「あん」で優秀主演女優賞受賞。第34回「悪人」で最優秀助演女優賞、第9回「夢千代日記」第12回「郷愁」「つる-鶴-」第15回「戦争と青春」「大誘拐」第17回「夢の女」第26回「Returner〈リターナー〉」第28回「半落ち」第32回「歩いても歩いても」で優秀助演女優賞受賞
優秀賞吉田貞次【撮影】10月28日没 享年100


「仁義なき戦い」5部作(73~74)のシャープなカメラワークで知られるが、映画創世期から培われた技術の冴えは日本映画のエポックと絶賛された同シリーズの成立に大きく貢献した。36年、マキノトーキー製作所に入社後、翌年、日活京都撮影所へ。40年、映画法による第1回技能審査で撮影者として認定される。42年、満州映画協会(満映)の関東報道隊に参加。第1作は加藤泰監督の文化映画「虱は怖い」(44)。戦後は松竹京都撮影所を経て東横映画(のちの東映)創立時に移籍。中川信夫監督「江戸の花道」(53)で劇映画のカメラマンとしてデビューする。内田吐夢監督とは「血槍富士」(55)以降コンビを組み「宮本武蔵」5部作(63~65)では京都市民映画祭技術賞を受賞。マキノ雅弘監督「月形半平太」(61)「日本俠客伝 関東篇」(65)、五社英雄監督「丹下左膳 飛燕居合斬り」(66)、工藤栄一監督「十一人の侍」(67)、中島貞夫監督「日本暗殺秘録」(69)、山下耕作監督「博奕打ち いの
ち札」(71)など巨匠名匠だけでなく、当時の若手監督とも積極的に組み、東映京都撮影所黄金期の時代劇、任俠映画の重要な担い手となった。「仁義なき戦い」シリーズでは、それまでのオーソドックスな技法に寄りかかることなく、手持ちキャメラを多用した大胆な撮影で、かつてない実録やくざ映画の誕生を見事に支えた。
優秀賞黒澤満【プロデューサー】11月30日没 享年85


故松田優作をはじめ、舘ひろしや仲村トオル、窪塚洋介ら数多くの俳優やスタッフを育て、映画、テレビを含めて約500本の作品を手がけてきた黒澤満氏は、55年日活に入社。劇場、宣伝、日活撮影所製作部門を経て、73年、撮影所長に就任。71年から始まった日活ロマンポルノでは、その企画製作の中核として若手監督を次々にデビューさせ、ブームを作り出す。77年に退社後は、東映、岡田茂社長にその製作手腕を見込まれ、東映芸能ビデオに入社。同年、東映が新たに立ち上げた東映セントラルフィルム(その製作部門がのちにセントラル・アーツに発展)に招聘され、翌年公開の第1回作品「最も危険な遊戯」が話題となる。以降、アクションから文芸大作まで多様な作品の製作を手がけた。代表作は「野獣死すべし」(80)「Wの悲劇」(84)「それから」(85)「時雨の記」(98)「今度は愛妻家」(10)「北のカナリアたち」(12)など。周南「絆」映画祭においては、第4回から増設された脚本賞の松田優作賞を審査から企画監修までおこない、第1回受賞作「百円の恋」(14)をヒットに導くなど、製作者として一貫して若手監督やスタッフに機会を与え続けた。07年に文化庁映画賞映画功労部門で受賞。13年に毎日映画コンクール特別賞を受賞。18年、第23回新藤兼人賞において、日本映画製作者協会特別賞を受賞。
【日本アカデミー賞受賞歴】第12回特別賞企画賞受賞。第36回自身が代表を務めた「セントラル・アーツ」が岡田茂賞受賞

深水三章【俳優】12月30日没 享年70
夏木陽介【俳優】1月14日没 享年81
川地民夫【俳優】2月10日没 享年79
大杉漣【俳優】2月21日没 享年66
左とん平【俳優】2月24日没 享年80
朝丘雪路【俳優】4月27日没 享年82井上堯之【音楽】5月2日没 享年77たむらまさき【撮影】5月23日没 享年79寺尾次郎【字幕翻訳】6月6日没 享年62加藤剛【俳優】6月18日没 享年80
藤原智子【監督】6月19日没 享年86名和宏【俳優】6月26日没 享年85三上真一郎【俳優】7月14日没 享年77生田悦子【俳優】7月15日没 享年71常田富士男【俳優】7月18日没 享年81
菅井きん【俳優】8月10日没 享年92小野竜之助【脚本】9月27日没 享年84長部日出雄【原作】10月18日没 享年84江波杏子【俳優】10月27日没 享年76角替和枝【俳優】10月27日没 享年64
赤木春恵【俳優】11月29日没 享年94

映画界に多大なる功績を残され2018年に逝去された映画人(没日順)

話題賞
© ENBUゼミナール

作品部門:「カメラを止めるな!」


監督・脚本:上田慎一郎
[製作会社]ENBUゼミナール
© 2018「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会

俳優部門:伊藤健太郎


対象作品:「コーヒーが冷めないうちに」
監督:塚原あゆ子 脚本:奥寺佐渡子
[製作会社]TBSテレビ/東宝/MBS/サンマーク出版/FLaMme/CBCテレビ/KDDI/博報堂/RKB/TCエンタテインメント/TBSラジオ/トーハン/HBC/TBC/SBS/RCC/GYAO