第42回 日本アカデミー賞 優秀賞発表 記者会見(2019.1.15)

 1月15日(火)、東京・グランドプリンスホテル新高輪 3F「天平」にて、第42回 日本アカデミー賞『優秀賞発表』記者会見が行われた。

 本年度の日本アカデミー賞優秀作品賞には、「カメラを止めるな!」、「北の桜守」、「孤狼の血」、「空飛ぶタイヤ」そして「万引き家族」の5作品が受賞となった。
「カメラを止めるな!」は、約300万円で制作され新宿と池袋の2館で上映がスタートすると主にSNS等を通じて口コミで大ヒット。作品賞・監督賞・主演男優賞をはじめ8部門で受賞。本作が公開されるまで“無名”の映画人達が何部門最優秀賞を受賞できるか今から楽しみだ。続いて「北の桜守」と「孤狼の血」が12部門で受賞。「北の桜守」は歴代最多主演女優賞受賞の吉永小百合さんが優秀主演女優賞を受賞。極寒の北海道でロケを敢行し、深い親子の物語は観客を感動させた。「孤狼の血」は柚月裕子氏の同名小説で広島の架空都市を舞台に暴力団と警察の全面戦争を描ききった意欲作。同じく歴代最多主演男優賞の役所広司さんが優秀主演男優賞を受賞し、昨年の「三度目の殺人」での最優秀助演男優賞に続き、二連連続の最優秀受賞になるか今回も期待される。続いて、池井戸潤氏の原作を初映画化した「空飛ぶタイヤ」が9部門で受賞。ディーン・フジオカさんが助演男優賞、深田恭子さんが助演女優賞を受賞している。今回の優秀作品賞で最多12部門13賞で受賞となった「万引き家族」はカンヌ国際映画祭で日本映画として21年ぶりに最高賞であるパルム・ドールを獲得。是枝裕和監督は昨年の最優秀作品賞「三度目の殺人」に続いて二年連続の優秀賞受賞となり最優秀賞の行方が気になるところ。なかでも昨年9月に突然の訃報で日本中に衝撃が走った樹木希林さんが助演女優賞を受賞している。

 冒頭、日本アカデミー賞協会会長である岡田裕介さんより昨年7月7日に逝去された日本アカデミー賞を象徴する『映画神像』および受賞者に贈られる「ブロンズ像」を制作された流政之先生に対し感謝と追悼の言葉をのべた。また「昨年は実写映画が数多く優秀な作品が多く豊作の年だった、どの作品が優秀賞に選ばれているのか大変興味深かった。実写作品やアニメーション作品とともに映画界をさらに盛り上げていきたい」と2018年の映画界を振り返った。

 続いて、今年度の授賞式を盛りあげてくれる司会者が紹介された。男性司会者は6年連続で司会を務める西田敏行さん、女性司会者は昨年「彼女がその名を知らない鳥たち」で最優秀主演女優賞に輝いた蒼井優さん。西田さんは「昨年は話題作が多く、どの作品が最優秀賞を受賞するのか今から楽しみです」とコメント。今回、初めて司会を担当される蒼井さんは「学生時代も含め人生で初めて司会をする場が日本アカデミー賞という大きな場となりとても緊張しています」と緊張気味にコメント。蒼井さんは過去に「フラガール」で最優秀助演女優賞も受賞されており、演技派の2人の司会によって平成最後の日本アカデミー賞授賞式は、例年以上に華やかで映画愛に溢れた日本映画界最高の式典になることだろう。

 授賞式は3月1日(金)、グランドプリンスホテル新高輪・国際館パミールにて開催される。

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