第32回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
日時: 2009(平成21)年2月20日(金)
場所: グランドプリンスホテル新高輪
司会: 関口 宏/樹木希林

優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)2008 映画「おくりびと」製作委員会

最優秀作品賞 「おくりびと」


本木さんからスタートして、スタッフ・キャストの熱意が奇跡を生んでいるということです。(滝田洋二郎監督)今回の「おくりびと」っていうのはすべてのバランスが奇跡的につながっていったっていう感じがします。(本木雅弘)納棺をする彼に対し、職業への偏見とかリアルな部分を言わなくてはいけない所で、監督にはたくさん話し合いをして頂きました。(広末涼子)

「納棺師」の世界を軸に、ユーモアと哀感が絶妙に融合した感動作で、観客から高い評価を受け異例のロングラン上映を記録。日本アカデミー賞では全部門において優秀賞を受賞。モントリオール世界映画祭ではグランプリ、金鶏百花映画祭(中)では最優秀作品賞、パーム・スプリングス国際映画祭(米)で観客賞を受賞。キネマ旬報ベストテン1位、報知映画賞作品賞、日刊スポーツ映画大賞作品賞、毎日映画コンクール日本映画大賞など、国内外の映画賞を数多く受賞している。また、米アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた。
(TBS=セディックインターナショナル=松竹=電通=アミューズソフトエンタテインメント=小学館=毎日放送=朝日新聞社=テレビユー山形=TBSラジオ)

優秀作品賞 「母べえ」


原作は、長年に渡り黒澤明監督のスクリプターとして活躍した野上照代が自らの少女時代を綴った自伝的作品。これまでも「家族」(70年)、「息子」(91年)で普遍的な家族愛を描き、多くの観客に深い感動を与えてきた山田洋次監督が、「母べえ」では“日本の母”そして“人と人との絆”を丁寧に描きだした。第58回ベルリン国際映画祭コンペティション部門にも出品され、激動の昭和の時代を懸命に生きた人々の姿は海外でも話題を呼んだ。今回の日本アカデミー賞では12部門において優秀賞を受賞している。

優秀作品賞 「クライマーズ・ハイ」


未だ人々の記憶に残る85年夏に起きた史上最大の航空機事故。その報道に燃える地元新聞記者達の葛藤の日々を描き、本格社会派エンタテインメント作品として支持を得た。原作は横山秀夫のベストセラーで、05年にはドラマ化もされ話題となった同名小説。撮影は原田眞人監督自身の最高記録となる2541カットを重ね、その映像から登場人物達の緊張感がひしひしと伝わり、本年度のブルーリボン賞作品賞、日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞を受賞。今回の日本アカデミー賞では10部門において優秀賞を受賞している。

優秀作品賞 「ザ・マジックアワー」


「ラヂオの時間」(97年)、「みんなのいえ」(01年)、「THE有頂天ホテル」(06年)と監督作三作品すべて日本アカデミー賞の優秀監督賞、優秀脚本賞を受賞している三谷幸喜監督。実力、人気ともに揃った三谷監督の4作目は、映画の撮影だと思ってやってきた街で、知らないうちに“伝説の殺し屋”に仕立て上げられた売れない映画俳優と騙す人、騙される人たちの物語。作品宣伝期間における三谷監督自身のテレビ・雑誌での登場数の多さ、また24時間大ヒット舞台挨拶イベントなど、宣伝プロモーションなども見事なエンタテインメントになっていた。今回は8部門での受賞である。

優秀作品賞 「容疑者Xの献身」


原作はベストセラー作家・東野圭吾の直木賞受賞作。フジテレビ・月9ドラマで高視聴率を記録し、人気を博したドラマ「ガリレオ」の映画化作品である。ドラマは、天才物理学者“ガリレオ”こと湯川学が、熱血新人刑事・内海薫から相談された不可解な事件を次々と解明してくストーリーで、エンタテインメント作品として若い視聴者の絶大な支持を得た。一転して映画では、犯人側の感情とそれに揺れる湯川の苦悩と葛藤を描き、テレビとは全く違う雰囲気を描き出した。ドラマのファン層に加えて、本格的映画としての評価により、幅広い年齢層の支持を受け、約390万人動員し、大ヒットロングランを記録している。
優秀アニメーション作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)2008 二馬力・GNDHDDT

最優秀アニメーション作品賞 「崖の上のポニョ」


コンピューターグラフィックスが全盛のこのご時世の中で、「崖の上のポニョ」という作品は全部手で描こうということで、17万枚の絵を描きました。宮崎駿監督はそれを「鉛筆で映画をつくる」という言い方をしておりましたけれど、それが評価して頂けたんじゃないかと思います。

宮崎駿監督の4年振りの新作である本作品は、CGによる表現を廃し、すべて手で描くという原点に立ち戻って製作された。日本を舞台に、人間になりたいと願うさかなの子“ポニョ”と5歳の男の子“宗介”の友情と冒険を生き生きと描いた。第65回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品。映画公開と同時に“藤岡藤巻と大橋のぞみ”が歌う主題歌も瞬く間にブームを巻き起こし、子供から大人まで、そして海外の記者達もが口ずさむほど人気を博した。

(登壇者:株式会社スタジオジブリ 制作業務局 局長 野中晋輔)
宮崎駿監督の4年振りの新作である本作品は、CGによる表現を廃し、すべて手で描くという原点に立ち戻って製作された。日本を舞台に、人間になりたいと願うさかなの子“ポニョ”と5歳の男の子“宗介”の友情と冒険を生き生きと描いた。第65回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品。映画公開と同時に“藤岡藤巻と大橋のぞみ”が歌う主題歌も瞬く間にブームを巻き起こし、子供から大人まで、そして海外の記者達もが口ずさむほど人気を博した。
(スタジオジブリ=日本テレビ=電通=博報堂DYメディアパートナーズ=ディズニー=三菱商事=東宝)

優秀アニメーション作品賞 「映画 ドラえもん のび太と緑の巨人伝」


つねにヒットし続ける人気シリーズの新作は、のび太とその仲間が植物たちの住む『緑の星』と地球を舞台に冒険を繰り広げる壮大な物語。人間の子供のように可愛いキャラクター、キー坊が登場し、映画オリジナルのストーリーが心地よいテンポで展開していく。ドラえもん役の水田わさびなど、3年前に新たなレギュラー声優陣を迎えたこのシリーズに、今回は堀北真希、三宅裕司、そして“くりぃむしちゅー”の有田哲平など、豪華な顔ぶれがゲスト声優として参加している。また、主題歌を絢香が歌って話題になった。

優秀アニメーション作品賞 「スカイ・クロラ」


世界の映像作家に多大なる影響を与え続けている押井守監督が、“今、若い人たちに伝えたいことがある”という思いから描いた本作品は、永遠に思春期の姿のままという運命を背負った〈キルドレ〉達の愛と生と死の物語。本年の毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞、第65回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品、シッチェス・カタロニア国際映画祭では批評家連盟賞・ヤング審査員賞・最優秀映画音楽賞を受賞し、世界70カ国を超える国と地域での公開も決定するなど国内外で高い評価を得ている。

優秀アニメーション作品賞 「名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)」


第30回より新設された日本アカデミー賞優秀アニメーション部門を3年連続受賞している。クラシックの名曲が奏でるサスペンス・オペラ。音楽家たちを狙う犯人の目的は? 数々の難問に挑む江戸川コナンの活躍は、子供のみならず、コナンを観て育ってきた大人さえも今だ虜にする本格派ミステリーサスペンスで、今回でシリーズ12作目となる息の長い作品となっている。シリーズ動員累計は2597万人を記録している。

優秀アニメーション作品賞 「ONE PIECEワンピース THE MOVIE-エピソード オブ チョッパープラス -冬に咲く、奇跡の桜」


原作は週刊「少年ジャンプ」で連載開始10年目を迎え、絶大な人気を誇る。今回が9作目となる劇場版では、数あるエピソードの中から“泣ける”とワンピースファンから呼び声が高い「冬島・ドラム王国編」を映画化。原作者・尾田栄一郎も企画段階から参加し、アイデアを加え、優しさに満ちた物語に仕上がっている。主題歌は「ONE PIECE」大ファンというDREAMS COME TRUEが担当し、みのもんたが映画オリジナルの役、ムッシュールで声優初挑戦したことも話題となった。
優秀監督賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞滝田洋二郎「おくりびと」


「納棺師」という題材との巡り合いが全てでした。企画段階ですぐにやってみたいと強く思いましたし、終わってみて、自分もこうゆう映画を撮る様になったんだという感慨もあります。作品賞・監督賞・とても嬉しく思います。何よりもこの映画に参加してくれたスタッフ・キャストがフル受賞された事を素直に喜び、誇りに思います。すべての関係者に感謝します。ありがとうございました。
優秀賞中島哲也「パコと魔法の絵本」


とにかく撮影が楽しかった。素顔が解らぬ程のメイクと重い衣装で、新境地に挑んだ勇気ある役者陣に大感謝です。また今回は、申谷弘美さんのコスチュームと山﨑聡さんの特殊メイクが、私の下手糞な演出をカバーし、この映画の不思議な世界観を際立たせてくれました。伝統ある日本アカデミー賞にぜひメイキャップや衣装デザイン賞が新設されることを願いつつ、賞金は山分けにしたいと思います。ありがとうございました。
優秀賞原田眞人「クライマーズ・ハイ」


巨匠たちの肩に乗って映画を作り続けて30 年が経ちました。節目の映画であると覚悟を決めて取り組んだ「クライマーズ・ハイ」をこういう形でアカデミー会員の皆様に評価していただけたことに心から感謝をします。2月20日のステージに立つことで、もっと高い幾つもの山々を制覇する勇気と熱情を蓄えたいと思っています。世界が不況に喘いでいる時だからこそ、映画人の集いをより華やかなものにしたいと念じております。
優秀賞三谷幸喜「ザ・マジックアワー」


前作で最優秀賞を逃したとき、異常に悔しがる僕の姿がテレビで中継されました。でもあれは本当に悔しがっていたのではなく、ちょっとふざけただけ。なぜなら悔しくなかったから。優秀賞を頂けて、他にも作品が沢山の賞を貰えて、会場では久々にスタッフの皆さんとも会えて、皆で賞の行方に一喜一憂する楽しい時間を過ごせて、それだけで僕は満足だったから。そんな訳で今回も思いっきり悔しがるつもりでいます。
優秀賞山田洋次「母べえ」


昭和という時代と格闘するような思いでこの作品を作り上げました。スタッフと出演者のみんなと共に、受賞の喜びをわかち合いたいと思います。
優秀脚本賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞小山薫堂「おくりびと」


不思議な運命に導かれ、いくつもの偶然が連鎖して、この脚本は生まれました。紆余曲折あった映画表現を、最後まで貫き通してくださった天国の小口社長には本当に感謝しています。みんなで大切に育てた作品を、今回のような賞で評価していただき、とても幸せです。
優秀賞内田けんじ「アフタースクール」


どうもありがとうございます。脚本は一人では書けません。今回もたくさんの方に助言やアイデアをいただき、改訂を重ねて形にしていきました。辛抱強く待ち、私とともに悩み、支えてくれたプロデューサー陣、スタッフ、そしてこのホンに書かれた人物たちをなんとも魅力的に完成してくれたキャストのみなさんに心から感謝しています。
優秀賞加藤正人/成島出/原田眞人「クライマーズ・ハイ」


何よりもまず、今回の栄誉は、小説家横山秀夫さんのお陰です。素晴らしい原作小説でした。また、希代の傑作を脚色するチャンスと、多くの貴重なアドバイスを与えて下さった方々に、深く感謝しております。1985年の日航機墜落事故で尊い命を落とされた520名の犠牲者の御霊と、ご遺族の皆様に、心よりおくやみ申し上げます。(加藤・成島)
優秀賞三谷幸喜「ザ・マジックアワー」


僕は脚本家で、主にコメディを書いています。だからコメディの脚本を評価して頂けるのはなによりも嬉しいことです。人を笑わせるのはとても難しい。映画で人を笑わせることはさらに難しい。この作品で、ようやく映像としてのコメディがなんたるか、おぼろげながら分かって来たように思います。やっとスタートラインに着きました。というわけで次の作品ももちろんコメディ。これは笑えますよ。
優秀賞山田洋次/平松恵美子「母べえ」


愛してやまない映画の世界で生きられることだけでも私にとっては大きな喜びであり、幸福なことですが、素晴らしいスタッフとキャストの方々のおかげで、「母べえ」という大好きな作品が仕上がり、その上思いがけない御褒美まで頂けることとなったことを心から嬉しく思っています。(平松)
優秀主演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞本木雅弘「おくりびと」


すべてのことを引き受けて、真ん中に立っていた滝田監督があって、本当にこの作品が、今回の不思議な現象のように愛されているんだという風にようやく実感することが出来るような気がします。本当にありがとうございました。

第13回新人俳優賞を(「226」「べっぴん町」「ラッフルズホテル」)で初受賞。第16回最優秀主演男優賞を「シコふんじゃった」で受賞。これまで数多くの映画に出演してきているが、本作品は本木自身が企画の発案者である。戸惑いながらも、主人公が納棺師として成長していく姿を丁寧に演じ、本年度のキネマ旬報映画賞、ブルーリボン映画賞ともに主演男優賞に輝いている。
優秀賞佐藤浩市「ザ・マジックアワー」


日本アカデミー賞は第5回新人俳優賞を「青春の門」で初受賞。第18回最優秀主演男優賞を「忠臣蔵外伝 四谷怪談」で、最優秀助演男優賞を第24回(「ホワイトアウト」)、第27回(「壬生義士伝」)で受賞している。今回で7度目(主演、助演)の受賞となる。これまで数多くの作品に出演してきたが、徹底したコメディ映画の主演で三谷幸喜監督とタッグを組んだ本作品では、映画の撮影だと思い込まされ、伝説の殺し屋をまじめに演じ続ける売れない俳優を巧みに演じた。
優秀賞堤真一「クライマーズ・ハイ」


これまで助演男優賞は受賞しているが、主演男優賞は初受賞。本作品と「容疑者χの献身」によって、本年度の報知映画賞主演男優賞を受賞。映画、舞台、テレビと縦横に活躍し、人気実力とも不動のものにしている。本作品では空前の航空機事故の全権デスクを命じられた地元紙の遊軍記者・悠木を的確に演じ、作品の緊迫感を盛り上げると共に新聞記者の匂いをリアルに醸し出している。
優秀賞松山ケンイチ「デトロイト・メタル・シティ」


主演男優賞は今回が初受賞。第30回に新人俳優賞(「男たちの大和 YAMATO」)と助演男優賞(「デスノート 前編」)をダブル受賞。08年にはアジア太平洋・プロデューサーズ・ネットワーク主催でアジアの映画で活躍した人物に送られるAPNアワードを受賞するなど、俳優としてのキャリアを着実につんでいる。本作品では、音楽好きの優しい青年とデスメタルバンドのカリスマボーカリストという、まったく性格の違うキャラクターを印象的に演じ分け、話題を呼んだ。
優秀賞役所広司「パコと魔法の絵本」


主演男優賞は、第14回に「オーロラの下で」で初受賞。今回で主演男優賞12度目の受賞になる。更に第20回(「Shall we ダンス?」)、第21回(「うなぎ」)で最優秀主演男優賞を2年連続受賞という快挙も成し得ている。昨年春、ドービル・アジア映画祭(仏)において、これまでのアジア映画への貢献等に対し“TRIBUTE(賛辞式)”を受けるなど、国内はもとより、海外での評価も高い。今までになく大掛かりな扮装で臨んだ本作品では、少女パコに心を開いていく頑迷な老人を大胆かつ繊細に演じ、改めて芸域の広さを感じさせた。
優秀主演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞木村多江「ぐるりのこと。」


この賞に似合うような俳優になれるように心を磨いていきます。今日ここに立たせて頂くのにたくさんの方の協力があり、迷惑掛けたり、支えて頂いたり、色々な方達にここまで来させて頂きました。私は幸せ者だと思います。今まで応援して下さった皆様、本当にありがとうございます。

97年「MOROCCO」で映画デビュー。本作品では映画初主演作にして日本アカデミー賞主演女優賞を受賞。またブルーリボン賞主演女優賞にも輝いている。橋口亮輔監督は“翔子役を演じるのは彼女しかいないという強い確信を持っていた”というほど、役と彼女自身が一体化した演技はまるでドキュメンタリーを見ているような印象を与えた。リリー・フランキーと築きあげた、どんなことがあっても寄り添い思い合う夫婦像が、女性層のみならず、多くの観客に圧倒的な支持を得た。
優秀賞仲間由紀恵「私は貝になりたい」


主演女優賞は第31回に「大奥」で初受賞し、今回2年連続での受賞となる。「トリック」「ごくせん」などで見せるコミカルな演技から本作でのシリアスな演技まで、その役柄の幅は広く、彼女の出演する番組は常に高視聴率をあげるなど話題が尽きない。本作では、夫が戦犯となる中、必死の想いで時代を生き抜いた一人の女性を、きめ細やかに表現し、改めてその存在感を魅せた。
優秀賞広末涼子「おくりびと」


第21回新人俳優賞を「20世紀ノスタルジア」で初受賞。第23回では、主演女優賞(「秘密」)と助演女優賞(「鉄道員(ぽっぽや)」)をダブル受賞している。今回は「秘密」以来9年振りの滝田監督作品の出演になる。納棺師になった夫に最初は反対しつつも、やがて全力で夫を支えていく妻を演じ、作品に温かさを与えている。
優秀賞吉永小百合「母べえ」


第4回主演女優賞を「動乱」で初受賞。今回の受賞で主演女優賞は13度目の受賞になる。うち第8回(「おはん」「天国の駅」)、第12回(「つる―鶴―」「華の乱」)、第24回(「長崎ぶらぶら節」)、第29回(「北の零年」)で最優秀主演女優賞を受賞している。山田洋次監督とは74年「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」以来34年振りの作品となり、あの暗く苦しい時代に生き抜いた芯の強い“日本の母”の姿をスクリーンに存分に焼き付けた。
優秀賞吉永小百合「まぼろしの邪馬台国 YAMATAIKOKU」


「母べえ」とともに主演女優賞ダブル受賞。昭和40年代、その著書によって全国に邪馬台国ブームを巻き起こした盲目の文学者・宮崎康平を支えた妻・和子を演じた。吉永は原作を読み宮●夫婦の姿に心を打たれ出演を快諾。実際に和子さん本人と会い、夫婦のエピソードを聞いたり、撮影では堤幸彦監督にアイデアを提案するなど、意欲的に作品に取り組み、どんな困難も楽しさに切り替える和子の明るさが伝わってくる心地よい作品となった。
優秀助演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞山﨑努「おくりびと」


樹木希林さんがおっしゃっていたように、将来ある若い後輩に譲りたいという気持もなくはないのですが、しかし半分は「せっかくネクタイを締めて革靴を履いてきたのだから欲しいなぁ」という気持もありました。今日は本当に嬉しいです。どうもありがとうございます。

第3回助演男優賞を「夜叉ヶ池」で受賞。最優秀主演男優賞は第8回(「お葬式」「さらば箱舟」)、第11回(「マルサの女」)で、最優秀助演男優賞は第25回(「GO」)に受賞しており、今回で8度目(主演・助演)の受賞となる。脚本を読んで出演を快諾したという本作品では、謎めいた一筋縄ではいかぬベテラン納棺師を圧倒的な存在感で演じた。したたかな骨太さとさりげない思い遣り、そして死者への慈愛がスクリーンに溢れていた。
優秀賞浅野忠信「母べえ」


日本アカデミー賞では第20回話題賞(俳優部門)を初受賞後、第27回に「座頭市」で助演男優賞を受賞している。映画中心の活躍は、主演を務めたセルゲイ・ボドロフ監督の「モンゴル」が、昨年の米アカデミー賞外国作品賞にノミネートされるなど日本国内にとどまらない。本作品ではこれまでにない純情で心優しい青年を演じ、観客に強い印象を残すと共に、新たな境地を開いている。
優秀賞堺雅人「クライマーズ・ハイ」


日本アカデミー賞は今回が初受賞。08年映画では「ジャージの二人」「アフタースクール」に出演。また「篤姫」(NHK大河)で演じた第13代将軍家定が好評を博し、お茶の間での人気を不動のものにする。本作品では、したたかでタフな敏腕新聞記者を熱演。報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞、キネマ旬報、ブルーリボン映画賞、毎日映画コンクールの助演男優賞に輝き、本年度の主要映画賞を総なめにしている。
優秀賞堤真一「容疑者Xの献身」


第29回に「ALWAYS 三丁目の夕日」で最優秀助演男優賞に輝く。助演男優賞をダブル受賞(「ALWAYS続・三丁目の夕日」「舞妓Haaaan!!!」)した昨年に続き、今回は、主演と助演でのダブル受賞となった。本作では、かつて主人公湯川に数学の天才とまで評されながら、今は高校教師となってしがない日々をおくっている石神を演じた。深く掘り下げた凄みのある演技で、彼のこれまでのイメージを覆した。人間が“情”によって崩れていくさまは、緻密で計算をしつくされていたように思える。
優秀賞寺脇康文「相棒-劇場版-絶体絶命!42.195km」


今回が初受賞。デビュー以来数多くの映画、舞台、ドラマ等で活躍。テレビの人気シリーズ「相棒」が満を持して映画化となり、08年上半期興行成績・観客動員数1位、先日発表された08年の邦画興行成績で第5位という、テレビファンのみならず、映画ファンをも巻き込んだ大ヒットを記録。彼の演じる一本気で熱血漢の薫と頭脳明晰な右京の絶妙なコンビネーションがこのシリーズの魅力を支えている。
優秀助演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞余貴美子「おくりびと」


俳優というのは何人もの生と死を経験するのですが、誰も私に要求しなかったようなレッドカーペットを歩く役柄を今与えられたような気持で浮かれて来ました。こういう経験が出来たのも滝田監督が私を雇って下さって、私を解雇しないでずっと雇い続けてくれた事務所の方達、仕事仲間の方達のお陰です。

助演女優賞は第22回に「学校Ⅲ」で初受賞して以来2度目となる。映画、テレビ、CMなどこれまで数多くの作品に出演し、その存在感を示す。本作では家族に背を向けたという暗い過去を秘めた女性をミステリアスに演じた。主人公が納棺師として成長する中で悩み戸惑う姿を、時に温かく見守り、時に背中を押すという非常に難しい役柄を控え目な演技で魅せ、観客にさらなる感動を与えた。毎日映画コンクールで田中絹代賞にも輝いた。
優秀賞樹木希林「歩いても 歩いても」


日本アカデミー賞では、第9回助演女優賞を「夢千代日記」で初受賞し、これまで7度(主演、助演)受賞している。本作で、ナント三大陸映画祭(仏)最優秀女優賞、報知映画賞、キネマ旬報、ブルーリボン賞ともに助演女優賞に輝き、国内外で高い評価を得ている。夫や子供の世話を生き甲斐にし、孫にも囲まれた専業主婦という現在の姿の中に、これまで通ってきた人生の出来事…夫の浮気や子供の死という、人生において忘れ得ぬ感情の起伏を秘めた女性を見事に演じている。
優秀賞檀れい「母べえ」


宝塚歌劇団で主演娘役として活躍した後、映画初出演作となる「武士の一分」で、第30回主演女優賞と新人俳優賞をダブルで受賞し、話題となった。同作では、キネマ旬報を始めとする数々の新人賞を獲得している。その後、映画・ドラマ・CMと活躍の場を広げ、山田組2作品連続の出演となった本作で、助演女優賞に輝いた。困難な時代に生きながらも優しさと気品を失わぬ女性を自然な演技で表現した。

宝塚歌劇団で主演娘役として活躍した後、映画初出演作となる「武士の一分」で、第30回主演女優賞と新人俳優賞をダブルで受賞し、話題となった。同作では、キネマ旬報を始めとする数々の新人賞を獲得している。その後、映画・ドラマ・CMと活躍の場を広げ、山田組2作品連続の出演となった本作で、助演女優賞に輝いた。困難な時代に生きながらも優しさと気品を失わぬ女性を自然な演技で表現した。
優秀賞松雪泰子「デトロイト・メタル・シティ」


第30回主演女優賞を「フラガール」で受賞し、助演女優賞は今回が初受賞となる。数多くの映画、テレビ、CM等で活躍。最近では舞台での活躍も目覚ましいものがある。本作では、デスメタルに心酔し、口汚い言葉で容赦なく主人公を鍛える、過激な音楽事務所の社長を熱演。そのエネルギー&テンションは観客を圧倒させるとともに新境地を開いた。
優秀賞松雪泰子「容疑者Xの献身」


08年に出演した映画2作品どちらも助演女優賞に輝く。彼女自身「苦しい役でした」というように、本作品では自身初の容疑者役。警察の問い詰めに対し、真実のみを話しているという確信を持ちながら、常に罪悪感と恐怖感にさらされているという相反する感情の難しい役を明確な演技で熱演。彼女が追い詰められ悩む姿はスクリーンからひしひしと伝わってきた。「デトロイト・メタル・シティ」から本作まで、自身が幅広い役柄がこなせる力を証明してみせた。
優秀音楽賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞久石譲「崖の上のポニョ」


「崖の上のポニョ」では宮崎監督の凄まじいイマジネーションに触発されて、自分のもっているすべてを出し切りました。この素晴らしい作品に参加することができ、主題歌、本編楽曲をたくさんの方に耳にして頂けている事を大変嬉しく、光栄に思っています。皆様に心から感謝しています。
優秀賞荻野清子「ザ・マジックアワー」


「ザ・マジックアワー」は映画に対する愛がいっぱい詰まった作品だと思います。三谷監督を始めとする素晴らしいスタッフ、キャストの皆さんと共にこの作品を作り上げることが出来て、とても光栄でした。今は、これまで自分を支えてくれた全ての方への感謝の気持ちでいっぱいです。
優秀賞ガブリエル・ロベルト「パコと魔法の絵本」


日本アカデミー賞協会の皆様に深くお礼を申し上げます。この賞に参加でき、大変光栄でございます。中島監督、音楽プロデューサーの金橋さん、そして音楽制作に携わった皆様に感謝しております。「パコと魔法の絵本」への参加は私にとって貴重な旅路となり、私自身を一段と成長させてくれました。
優秀賞冨田勲「母べえ」


私は中学生の多感な頃、学徒動員で岡崎の戦闘機の部品を作る軍需工場に従事させたれていた際に玉音放送を聞きました。終戦後も赤狩などで思想の自由はなく、実に殺伐としたデリカシーのない時代でした。そのため台本を読んだ段階では正直いって音楽の発想がまったく浮かびませんでしたが、吉永さん演じる母べえのまわりに空から差すひとすじの光冥を感じ、バロックの音樂を透明なピアノの音で表現することに思いつきました。
優秀賞久石譲「おくりびと」


「おくりびと」では主人公が元チェリストであったことからチェロを作曲の核にした。本編のすべての楽曲をチェロ中心に書いた事は、自分にとってもひとつの挑戦だった。その音楽でこのような賞をいただけた事をとても嬉しく思います。そして、滝田監督をはじめ素晴らしいスタッフ、キャストの皆様と出会えた事に心から感謝しています。
優秀撮影賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞浜田 毅「おくりびと」


妻の実家は函館にある。「おくりびと」は12月に公開された。クリスマスに帰省したとき足腰の弱かった両親を連れて観にいった。最後まで体力が持つのか少し心配だったが、エンドロールが始まると拍手が起きた。見ると両親が涙を流しながら手をたたき続けていた。最高のクリスマスになった。こんなに長く広く公開される映画に携われたことは幸せです。
優秀賞阿藤正一/尾澤篤史「パコと魔法の絵本」


このたび、「パコと魔法の絵本」で日本アカデミー賞撮影賞を受賞できたことを、大変、光栄に思います。この映画が、たくさんの方々にみてもらえたこと、そして、その撮影が評価されたことを大変うれしく思います。これは、撮影だけの力ではなく、美術や衣装、ヘアメイク、合成等々、この映画に関わった多くの人たちの努力があったからこそのものだと思っています。(阿藤)

「パコと魔法の絵本」はCG合成が多く、本隊撮影以外にセカンドユニットを担当させていただきました。中島監督や阿藤カメラマンに囲まれ、既存の撮影形態に捕われない映像造り。初挑戦が多く、試行錯誤し撮影に臨みました。このセカンドユニットを支えて下さったチームの皆様に感謝しております。ありがとうございました。これからも新しい事に挑戦して行きたいと思います。(尾澤)
優秀賞小林元「クライマーズ・ハイ」


この度の受賞、光栄に思います。山岳撮影など未経験の撮影の中、毎日が緊張の連続でした。監督の狙い通りに映像化出来ているか不安でもありましたが、素晴らしいスタッフに恵まれ、一生懸命取り組んだ結果が、この優秀賞という形で実を結んだ事を大変嬉しく思います。この「クライマーズ・ハイ」で出会った全ての方に感謝致します。ありがとうございました。
優秀賞長沼六男「母べえ」


東京、高円寺界隈の昭和15年当時、三畳の居間を中心とする慎ましい野上家の生活を誇張や過剰表現を排し、極々自然に見せる事が大事だと思いました。その中で、子供の心に一生悲しみとして残った<父の検束と死>という二つの悲劇を<優しい父の最後の姿>と、無言の人となって帰った夜の<暗さや、降る雪の写り方>を特に印象深くしたかった…。観客の心に届いただろうか…。
優秀賞松島孝助「私は貝になりたい」


今回は戦争の悲劇を描いた名作のリメイク。ほとんどのスタッフが戦争を知らない世代の中、脚本家の橋本忍さんに先導して戴き完成にこぎつけた様に思います。私自身も初回映画化の際、撮影担当された、故中井朝一さんに助手時代に大変お世話になり教わった事も思い出され背中を押して戴いたように思います。今回の受賞によって、語り継ぐべき名作のバトンの一端を担う事が出来たのなら光栄に思います。
優秀照明賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞髙屋 齋「おくりびと」


「僕らはみんな生きている」以来、滝田組に参加できただけでなく、賞まで戴いて大変嬉しいです。
優秀賞高倉進「パコと魔法の絵本」


この度は、大変名誉ある賞に選考して頂き誠に光栄に思います。これも一重にこの様な素晴らしい作品に出会えた事と、私と共にこの作品に参加してくれた、照明部のメンバーを始めとする関係各位の皆様が、照明技師として映画業界では、まだまだ経験の浅い私を暖かい目で見守って頂きながらも、全力で後押ししてくださったお蔭と感謝しております。またこれからも、この様な素晴らしい作品、スタッフと共に仕事が出来るように、 今回の事に満足する事なく日々精進していきたいと思います。
優秀賞堀直之「クライマーズ・ハイ」


自分は常に『リアリティーとインパクト』をライティング理念としています。この作品からも微少ながらプレゼンできていれば幸いです。夏の撮影で頑張ってくれた助手の皆さん、機材チームを始め、全スタッフ、キャストの労をねぎらうと共に、この作品に、原田組に参加できた事に感謝しています。
優秀賞中須岳士「母べえ」


今回の受賞において、助手さん達をはじめ業者やスタジオ等、沢山の方々のお力添えをこの様なかたちで評価して頂いた事を心から感謝致します。「母べえ」では、オープンセットと撮影所の両方に主人公の母屋があり、ロケマッチングをデリケイトに心がけました。そして昨今の撮影現場には珍しく丁寧に時間をかけて作り上げられたこの作品に参加できたことを嬉しく思います。ありがとうございます。
優秀賞木村太朗「私は貝になりたい」


戦争がもたらす悲劇の中でほんろうされる人々。堅い夫婦の絆、そして家族愛等に描いた映画「私は貝になりたい」は福澤監督の熱血指揮のもと素晴らしい作品になりました。強いテーマ性のあるこの映画に臨み、全体的には奇をてらわず軸のぶれないスケール感のあるものに。巣鴨プリズン等のシーンでは、劇中何度も同場所が出て来るので、時間の経過、季節感を工夫しました。皆さんに助けて頂き感謝します。そして多くの人達に観てもらいうれしく思います。
優秀美術賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞桑島十和子「パコと魔法の絵本」


素晴らしい賞を頂き、身が引き締まる思いです。沢山の子供達に楽しんでもらいたいと思い、作った作品です。大人になった子供達が、いつか一度でも思い出してくれる事があれば、大変喜ばしいです。共に世界観を創っていった美術部、衣装部、CG部、VFX部に感謝致します。ありがとうございました。
優秀賞小川富美夫「おくりびと」


プロデューサーから『のうかんし』の仕事の話ですと聞かされ???漢字で書けば『納棺師』。なるほどと理解しかける。台本が面白い。そういえば、一年前母の他界の時、頬紅とうっすら口紅が赤かったのを憶えていた。映画が完成に近づくと、『また会おうの…』の、合言葉でスタッフとも別れ、公開を待つ緊張感の二年間でした。
優秀賞種田陽平「ザ・マジックアワー」


三谷監督がスタッフ、裏方に光を当てた、映画『ザ・マジックアワー』で優秀美術賞という評価を頂くことができ、本当に嬉しいです。映画づくりを描いたこの作品の、スタッフ全員の受賞だと思います。
優秀賞出川三男「母べえ」


1945年(昭和20年)8月15日、日本が戦争に負けた時、僕は小学校4年生でした。「母べえ」に出ている子供達と同じ年代です。東京の下町に住んでいたので空襲に合い、戦後の焼跡のバラックで育ちました。「母べえ」は正に僕の子供の頃の体験そのものです。あの辛い悲惨な時代のことを思えば、決して双び戦争を起してはいけないと常に心しております。
優秀賞福澤勝広「クライマーズ・ハイ」


映画が扱う事実が重すぎて、押しつぶされそうになっていました。この映画に参加させていただく事で『あの大事故を風化させない!』為に頑張れた気がします。仕事を評価していただくのは本当に嬉しい事ですが『あの大事故を風化させない!』為にも、もっともっと多くの方々に、この映画を見ていただけるよう強く願っています。
優秀録音賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞尾崎聡/小野寺修「おくりびと」


今回、日本アカデミー賞優秀録音賞に選ばれ大変光栄です。これも、滝田監督を始め、スタッフ・キャストの皆さんのお陰であると共に、私の助手についてくれた三名に感謝しています。そして、「おくりびと」という作品に出会えたことを何よりも嬉しく思っております。有り難うございました。(尾崎)

現場及び仕上げスタッフの皆さんに感謝します。久石さんの素敵な音楽のおかげで、楽しみながらダビングができました。ありがとうございました。(小野寺)
優秀賞岸田和美「母べえ」


優秀賞受賞の知らせ受け大変嬉しく思います。映画「母べえ」は昭和15年~17年のどん底の時代に必死になって家族を守った『母』の作品である。素晴らしいスタッフ、キャストと脚本との出会い。山田組の厳しくも温かいチームワークに支えられ心地よい緊張感を味わいながら参加できた作品でした。あの時代の空気感が映像に伝わるMIXを心がけました。
優秀賞瀬川徹夫「ザ・マジックアワー」


三谷監督とは今度で4作品目のお付き合い、しかも4作品とも賞に選出されるという栄誉に恵まれとても感激しています。今回の作品は今までの作品とは違って銃を使ってのアクションも多く、仕上げではドルビー EX の6.1chに挑戦、なんとかその迫力は出せたかなと自負しています。また、監督のこだわりであったマリのステージでは監督の要望通り同時録音での収録もでき、とても満足のいく仕上がりになったと思っています。
優秀賞福田伸/太斉唯夫「パコと魔法の絵本」


12月中頃、株式会社リクリの鈴木さんから日本アカデミー賞優秀録音賞に太斉さんと連名で受賞したと知らされて非常におどろきびっくりしました。私が映画界に入って40数年間で初めての事なので大変うれしく思います。この作品で監督、スタッフの皆様と出会えていっしょに仕事が出来た事に感謝します。(福田)

数多くの作品の中から優秀賞に選出していただき、本当に有難う御座います。音響効果の岡瀬さんをはじめ、ポスプロの皆様にはただただ感謝です。この映画は家族みんなで見に行きました。三人いる子供たちが、それぞれ笑ったり泣いたりしているのを見て、この作品に参加できたことを少し嬉しく思ったことを覚えています。(太斉)
優秀賞矢野正人「クライマーズ・ハイ」


今回の受賞、大変嬉しく思います。ありがとうございました。監督を始め、スタッフ、キャストの気持ちが一つになった結果だと思います。つらい現場だったのですが(仕上げも含め)、この作品に参加できたこと、そのことに感謝します。
優秀編集賞
最優秀賞川島章正「おくりびと」


滝田監督と初めて御一緒した作品で受賞できたことをとても嬉しく思います。この作品の編集で心掛けたことは、最愛の人をおくる人達の表情の変化を注意深く選んだことと、山形の風景もキャストの一員という想いで、出来るだけカッティングを感じさせないように繋ぎました。
優秀賞石井巌「母べえ」


名誉ある優秀編集賞を頂きとても感激しております。監督始めスタッフの皆々様が『良い映画を作りたい』『少しでも良い映画にしたい』この一点に集中して、それぞれの現場はものすごい熱気です。このようなすばらしいスタッフと一緒に仕事が出来て、本当に楽しく幸せでした。丁寧でかつ力作になったと思います。
優秀賞上野聡一「ザ・マジックアワー」


今回は潤沢な編集期間だったのですが、佐藤浩市さんがナイフを舐めるところは最後の最後まで悩みました。劇場での反応を伝え聞く限り、その逡巡は無駄ではなかったようです。そして、作品は実に多くの人の尽力に支えられています。構成は記録の甲斐さんに助言をいただき、カーテンコールは助手の辻田に編集してもらいました。渡辺さんのSFXに大竹君の本編集。そして何より監督の意気込み!これだから編集はやめられません。
優秀賞小池義幸「パコと魔法の絵本」


「パコと魔法の絵本」には、後半にCGを多用したシーンがありますが、自分はここまで多くのCGを使った作品は初めてだったので大いに悩みました。実写の世界とCGの世界を行き来する複雑なシーンでしたが、監督をはじめ多くのスタッフに支えられ編集する事が出来ました。色々ご迷惑をかけたスタッフの皆さん、ありがとうございました。
優秀賞須永弘志/原田遊人「クライマーズ・ハイ」


映画をつくる一番の喜びは、こうして作品を評価していただくことだと思います。原田監督の熱意と情熱には気迫がこもって、この作品のあらゆる部分にその気迫が沁みわたっています。編集もその気迫に溢れたものになり、評価していただいて嬉しいかぎりです。そしていつも新しい道を差し示してくれた原田遊人氏、優秀賞を受賞した仲間たち、部門がなくても気迫を作品に染み込ませることに大きく関わった原田組の仲間に『おつかれさま!』(須永)

この度は優秀編集賞受賞者となった事に感謝いたします。これもひとえにこの作品に関わるプロデューサー・スタッフ・キャスト全員のお力添えがあっての事と存じます。また、師であり良き先輩で友でもある須永と共にこの晴れの舞台に参加出来てとても光栄であり、未熟な僕を導いてくれた父・原田眞人監督に感謝致します。若輩ではありますが、これからも沢山の作品に携わり、更に向上していきたいと思います。(原田)
優秀外国作品賞
(C)2008 Warner Bros. Ent.All Rights Reserved.
最優秀賞ダークナイト


この素晴らしい賞を頂きまして本当にありがとうございます。ジャンルはアメリカンコミックという、割と作品の質が評価されにくいものだったんですけども、そういうジャンルの中でこの作品を正当に評価して頂いて本当に感謝をしております。ありがとうございました。
(登壇者:ワーナーブラザース映画 マーケティング本部マーケティング本部長 福永智一)

バットマンシリーズの最新作は、アクションに継ぐアクション、意表を突く展開、そして最強の宿敵ジョーカー役で怪演を見せたヒース・レジャーの突然の死も話題を呼んだ。日本ではブルーリボン賞、報知映画賞とも外国映画賞を受賞している。また第81回米アカデミー賞には全8部門においてノミネートしており、ヒース・レジャーが助演男優賞に故人としてノミネートを果たしている。
優秀賞最高の人生の見つけ方


余命6ヶ月と宣告された末期がん患者の二人の男が意気投合し、死を待つだけの残りの人生を変えるべく人生のやり残したことを『棺桶リスト』にした。それを実現するためにふたりは、病院を抜け出して冒険の旅に出る。ロブ・ライナー監督そして、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンのハリウッド2大スターが初競演したことも話題となった。随所にユーモアを織りまぜながら、「死」を目の前にし、改めて生きる事のすばらしさを教えてくれる作品として、多くの観客に感動を与えた。
優秀賞ノーカントリー


2007年カンヌ国際映画祭コンペティション部門にも出品され、昨年の米アカデミー賞では作品賞ほか主要4部門を受賞している。80年代のテキサス。組織の金を奪ったベトナム帰還兵を追って非情の殺し屋が動きだした。追う者と追われる者、更に殺し屋が引き起こした殺人事件の足跡を追う保安官の三すくみの攻防。コーエン兄弟が描くスタイリッシュ・スリラー・サスペンスで、彼らの最高傑作と呼び声も高い。キネマ旬報外国語映画ベスト・テン1位、日刊スポーツ映画大賞外国語映画賞を受賞。
優秀賞ラスト、コーション


日本占領下の上海で、心から国を思う若者たちのいちずなパッションが、いつしか危険な愛へと変貌し姿を変えていく…。やがてそれは、時代の大きな渦に飲み込まれ悲劇的な最後を迎える。暗殺の命をうけた女スパイとその相手との、あまりにも危険な愛の物語。中国映画としては異色内容と性描写で衝撃を与えた本作品で、アン・リー監督は「ブロークバック・マウンテン」に続き、ヴェネチア国際映画祭で2度目のグランプリである金獅子賞を受賞した。
優秀賞レッドクリフ PartⅠ


「三国志」のクライマックスとも言える、“赤壁の戦い”をジョン・ウー監督が壮大なスケールとアクションでアジアの英雄の物語を描き出した『パート1』。中国、台湾、日本、韓国の合作で総製作費100億円を超えるビッグプロジェクトで、2部作として、クライマックスへの続編が最も期待される。日刊スポーツ映画大賞、毎日映画コンクールともにファン賞を受賞しており、国内においても多くの観客から支持された。
新人俳優賞
(C)日本アカデミー賞協会
(C)日本アカデミー賞協会
(C)日本アカデミー賞協会
(C)日本アカデミー賞協会
(C)日本アカデミー賞協会
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞小池徹平「ホームレス中学生」


お芝居で賞を頂くのは初めてで嬉しいのですが、何よりもずっと支えて下さる皆さんに改めて感謝したいです。初めは十歳年下の中学生と言う役に戸惑いながらやりました。俳優業というのをもっとやって行けたら良いなと思います。

01年、「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞。その後はウエンツ瑛士と結成した「WaT」での音楽活動など多方面で活躍し、俳優としても透明感のある演技で人気を得ている。映画4作目となる今回は、家族が離散し、公園で生活する境遇に追いやられた主人公を生き生きと演じ、高い評価を受けた。
優秀賞松田翔太「イキガミ」


まだまだこの賞を頂いて喜んでいる場合じゃないぞと自分が思っているものですから、素直に喜べない反面、本当に嬉しいという気持で複雑な心境です。 自分が自信を持ってまたここに戻れるように俳優業がんばっていきたいと思います。

ドラマ「不良少年の夢」で05年に俳優デビュー。以来、映画やCMでも才能を発揮し、瞬く間に存在感のある役者になった。日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎新人賞を受賞した本作では、国家の方針で命を奪われる人々への死亡予告書配達人という難役に挑み、使命に疑いを抱きながら生きる男の苦悩を、繊細な配慮で演じ切った。
優秀賞アヤカ・ウィルソン「パコと魔法の絵本」


このような賞を頂けて本当に嬉しいです。中島監督を始めスタッフの皆さん、共演者の皆さん、家族のみんなに支えられてここに今立てると思っています。

カナダ人の父と日本人の母を持ち、3歳からモデルとしてCMなど様々な媒体で活躍してきた。映画への出演は今回が初めてであり、演技もまったくの初体験であったが、撮影中にめきめきと力をつけて周りの人々を驚かせた。彼女は、頑な老人の心をも動かす純真な少女パコを、少しも物おじすることなく、伸びやかに演じている。
優秀賞長渕文音「三本木農業高校、馬術部~盲目の馬と少女の実話~」


この映画は馬術の特訓から始まり、一年を掛けての撮影の中で佐々部監督を始め、多くの方に色んなことを教えて頂きました。私はまだ今映画の入口に立ったばかりですが、この賞を励みにして、地に足をつけ頑張っていきたいです。

盲目の馬の目になろうとし、次第に馬と心を通わせていく女子高生の青春を大らかに、自然体で演じ、映画デビュー作ながら観客の心に爽やかな印象を残した。また、馬術競技で障害を飛び越える所など、随所で馬との一体感が画面に醸し出されており、彼女が積んだ修練の数々がそこに生きている。本作で報知映画賞新人賞を受賞した。
優秀賞福田沙紀「櫻の園-さくらのその-」


今回私達で新たに作り出すという難しさに直面しましたが、皆で新しいものを作り上げていくということを、一つ一つの行程を大事にやって行けた作品だと思っています。私自身、これから色々な作品に出会って、良いものを作っていきたいなと思います。

「第10回全日本国民的美少女コンテスト」の演技部門賞を受賞後、ドラマ「3年B組金八先生」で女優デビュー。その後はバラエティなどにも出演し、活動の場を広げた。映画初出演、初主演となった本作では、一度挫折を経験しても、新たな夢に向かって突き進む芯の強い高校生を演じ、その演技力で魅力的なキャラクターを創出した。
優秀賞吉高由里子「蛇にピアス」


本当に嬉しく思っています。人と人に感謝しています。ありがとうございました。

06年の映画「紀子の食卓」に初出演以来、数多くの映画やドラマに出演し、成果を挙げている。金原ひとみの芥川賞受賞作となったこの作品では、ピアスや刺青など、身体の痛みを感じる時にしか生の実感が持てぬ少女ルイを全力で表現し、ブルーリボン賞新人賞にも輝いた。映像からは、ルイの絶望感がひしひしと伝わってくる。
協会特別賞
(C)日本アカデミー賞協会
(C)日本アカデミー賞協会
(C)日本アカデミー賞協会
優秀賞羽鳥博幸「操演」


どうもありがとうございました。これはうちのメンバーと家族が貰ったもので、感謝しています。

あなたは長年撮影現場においてワイヤー操作を始めとする特殊技術を創意工夫を持って駆使し、監督・スタッフ・キャストを助け、作品の質の向上に多大な貢献をされて来ました。ここにその偉業を讃え協会特別賞を授与いたします。
08年公開作品 「クライマーズ・ハイ」、「ザ・マジックアワー」、「私は貝になりたい」
優秀賞鳴海聡「操演」


夢のような気持でございます。現場はたいへん危険な仕事でありまして、責任ばかりが重くのしかかって来ますが、今日この賞を頂くことにあたって、初めて市民権を頂いたような気がしております。またあしたから突っ走って行きたいと思います。ありがとうございました。

あなたは長年撮影現場においてワイヤー操作を始めとする特殊技術を創意工夫を持って駆使し、監督・スタッフ・キャストを助け、作品の質の向上に多大な貢献をされて来ました。ここにその偉業を讃え協会特別賞を授与いたします。
08年公開作品 「母べえ」、「パコと魔法の絵本」
優秀賞宮忠臣「ドッグトレーナー」


ドックトレーナーの宮です。今日はありがとうございました。今まで現場で一緒に苦労してきた犬たちに、本当にここで大声で「ありがとう」と言いたいです。今日はどうもありがとうございました。
あなたは初期代表作「南極物語」以来今日に至るまで、動物撮影の第一人者ドッグトレーナーとして活躍、動物映画になくてはならない存在として監督・スタッフ・キャストを助け、作品の質の向上に多大な貢献をされてきました。ここにその偉業を讃え協会特別賞を授与いたします。
近年公開作品 「マリと子犬の物語」、「犬と私の10の約束」
岡田茂賞
優秀賞株式会社スタジオジブリ


スタジオジブリが設立されて24年になりますけれど、当初は先のことはまったくわかりませんでした。一作ずつ作品を製作し続けて、幸いにしてそれがたくさんの方に観て頂くことが出来てここまで続けることが出来ました。良い作品を作るというのは最大の目標ですけれど、同時に、常に映画は娯楽だということも意識して作ってきたつもりです。今回のこの受賞を励みとしてこれからも皆さんに楽しんで頂ける作品を作っていきたいと思います。

名作「風の谷のナウシカ」を機に1985年に設立された貴社は、昨年大ヒットした「崖の上のポニョ」まで15本の長編劇場用アニメーションを製作、「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」と次々日本興行記録を塗り替え日本映画界を中心的に支えてこられました。加えて海外で多くのファンを獲得すると同時に、映画祭でも数々の賞を受賞。日本アニメーションの存在を世界に強く印象付けて来ました。その独創的にしてチャレンジ精神あふれる創作姿勢と、スタッフの育成のために最適な製作環境の創出を両立させる会社理念は、製作プロダクションの理想像を追求する高い志の顕れとして賞賛に値します。貴社の独自の創造性と弛まぬ技術力の向上を目指す進取の精神を顕彰しここに岡田茂賞を贈ります。
会長特別賞
優秀賞市川崑「監督」


父は生涯に約80本、映画を監督致しました。父が62歳の時だったと記憶しておりますけれど、この日本アカデミー賞第1回の優秀監督賞(※)を頂きました。そして今回、会長特別賞というたいへん名誉ある賞を頂きました。皆さまのお陰です。ありがとうございました。
※「悪魔の手毬唄」「獄門島」

あなたは生涯を通じて、斬新な手法で光と影の映像美を追求、幾多の比類なき名作傑作映画を世に送り続けました。ここにその偉業を讃え会長特別賞を授与いたします。
代表作 「ビルマの竪琴」(56年、86年)、「鍵」(59年)、「おとうと」(60年)、「東京オリンピック」(65年)、「犬神家の一族」(76年、06年)、「細雪」(83年)
優秀賞緒形拳


素晴らしい賞を頂きましてありがとうございます。父が亡くなってまもなく5ヶ月が経とうとしています。あちらの世界では新人俳優として台本でも読みあさっている頃じゃないかと思います。50年、この俳優という仕事をやってこられたのも、支えて頂いた皆様のお陰と深く感謝しております。

あなたは俳優として常に人間表現の極限に挑み、気迫溢れる魂の名演をスクリーンに刻みつけられました。ここにその偉業を讃え会長特別賞を授与いたします。
代表作 「鬼畜」(78年)、「復讐するは我にあり」(79年)、「楢山節考」(83年)、「火宅の人」(86年)、「大誘拐 RAINBOW KIDS」(91年)、「長い散歩」(06年)
話題賞
(C)2008 フジテレビジョン=アミューズ=S・D・P=FNS27社

作品部門:「容疑者Xの献身」


フジテレビジョン=アミューズ=S・D・P=FNS27社
(C)日本アカデミー賞協会

俳優部門:松山ケンイチ「デトロイト・メタル・シティ」