須賀健太「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」
子役としては、すでに02年の頃からテレビで活躍し、映画等にも出演していたが、何と言っても彼の名を広く世に知らしめたのは、昨年の「ALWAYS三丁目の夕日」で淳之介少年を演じたことであろう。それほど彼の演技力と存在感は際立っていた。今回は大ヒットコミックを映画化した「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」で、淳之介役とは正反対のガキ大将花田一路を、エネルギッシュに演じている。(東京都出身)
塚地武雅「間宮兄弟」
お笑いコンビ、ドランクドラゴンでデビューして以来、テレビやラジオ等で大活躍、近年はドラマにも出演して独特の存在感を示している。映画出演2作目となった「間宮兄弟」では、驚くほど仲の良い兄弟の弟、徹信を演じているが、これは、演者の素の部分にも人柄の良さを求めた森田監督直々のキャスティングであった。彼は、不器用ながら繊細で誠実なその役柄を、余すことなく表現して評価された。(大阪府出身)
速水もこみち「ラフ」
02年のテレビドラマ「逮捕しちゃうぞ」でデビューを飾り、それ以降、恵まれたと容姿と体格を生かして、ドラマやCMなどで活躍。現在では各方面から引っ張りだこの人気を博している。映画初出演となった青春ラブストーリー「ラフ」では、競泳に賭ける一途な青年を演じているが、撮影の終了を残念に思ったほど、映画に対して愛着をもって臨んでおり、そんな彼の情熱は画面からも伝わってくる。(東京都出身)
松山ケンイチ「男たちの大和/YAMATO」
01年に本格デビューして以降、映画やテレビドラマでの活躍は目覚ましいものがある。今回の受賞作である「男たちの大和/YAMATO」では、特別年少兵を演じているが、大和に関する原資料を読み、そして生存者からも貴重な話を聞き、精一杯の努力で、戦争の時代を生きた若者の役を自分のものにしていった。その成果は、優秀助演男優賞受賞となった「デスノート前編」の演技にも生かされている。(青森県出身)
蒼井優「フラガール」
99年のミュジーカル「アニー」で、およそ1万人の中からポリー役に抜擢されて舞台デビュー。01年には映画「リリイ・シュシュのすべて」に出演、以後は映画を中心に、活動の場をテレビやCMにも広げていった。今回の「フラガール」では、フラダンスに人生を賭けた炭鉱の娘、紀美子を演じているが、演技や踊りはもちろんのこと、方言にも熱心に取り組み、その存在は映像の中で光彩を放っている。(福岡県出身)
檀れい「武士の一分」
92年、宝塚歌劇団雪組の公演「この恋は雲の涯まで」で初舞台を踏む。93年には月組に配属され、99年の「うたかたの恋/ミリオン・ドリームズ」では、主演の一人として男爵令嬢マリーを演じ、好評を博した。「武士の一分」は、05年に宝塚を退団以来、初めての映画出演となったが、凛としながらも可憐な主人公の妻、加世の存在感を画面に醸し出し、その演技力によって優秀主演女優賞にも輝いた。(京都府出身)
山崎静代「フラガール」
03年に結成したお笑いコンビ、南海キャンディーズでの活躍によって、〝しずちゃん〟は、一躍お茶の間の人気者に。「フラガール」は2度目の映画出演であるが、この作品が女優としての本格的デビューとなった。彼女が演じたのは、寡黙でありながらフラダンスに情熱を燃やす娘、小百合の役であったが、のびのびとした演技と個性輝く踊りを見せて、今後多方面での、さらなる飛躍の可能性を示した。(大阪府出身)
YUI「タイヨウのうた」
05年に自作の曲「feel my soul」が、フジテレビの月9ドラマ「不機嫌なジーン」の主題歌に起用され、シンガーソングライターとして幸運なデビューを飾る。映画初出演となる「タイヨウのうた」では、太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)という病を持った16歳の少女、薫に抜擢された。この作品には、夜の公園で弾き語りするシーンなどもあり、彼女は今の自分を最大限に生かして役を演じている。(福岡県出身)