唐沢寿明「おいしい結婚」「ハロー張りネズミ」
ミュージカル出身だけあって、ダンスや歌も得意とする若手実力派だ。「おいしい結婚」でスクリーンデビューを飾った後に、「ハロー張りネズミ」では熱血探偵役で主演と大活躍だった1991年。爽やかな好青年ぶりと、内に秘めた男くささで若い女性の圧倒的な支持を受けている。テレビドラマやCFにも引っぱりだこの人気をみせ、今後の活躍が期待されている。(東京都出身)
佐野圭亮「戦争と青春」
二世俳優の活躍が目立つなか、またひとり、期待の二世が現われた。時代劇スター、里見浩太朗のひとり息子として高校時代から俳優になることを決意。俳優座に席を置いてテレビドラマや舞台でキャリアを積んでいたが、今井正監督の「戦争と青春」で幸運な映画初出演を果たした。今後は、父を越える役者を目指して、一層の研鑽を積んでいく、と意欲十分だ。(京都府出身)
永瀬正敏「アジアンビート アイ・ラブ・ニッポン」「息子」「喪の仕事」
相米慎二監督の「ションべンライダー」でデビューした少年が、国際的な活躍が期待される演技派に成長した。山田洋次監督の「息子」では、都会に生きる若者を等身大に演じ、君塚匠監督の「喪の仕事」では、若い監督とディスカッションを重ねて映画づくりに意欲的に参加した。助演男優賞とのダブル受賞となった2 作の他に、「アジアンビート アイ・ラブ・ニッポン」も注目を集めた。(宮崎県出身)
別所哲也「新・同棲時代」「波の数だけ抱きしめて」
スケールの大きなミュージカル俳優として、話題の舞台で活躍していたが、1990年の日米合作映画「クライシス2050」でスクリーンデビューを飾った。特技は英会話という国際派で、「波の数だけ抱きしめて」「新・同棲時代」の受賞2作では、現代の若者像を爽やかに演じている。久々に大器の誕生を予感させる存在として、今後とも注目を集めそうだ。(静岡県出身)
松山千春「極道戦争 武闘派」
ニューミュージック界のスーパースターとして、長年君臨し続けた彼の映画デビューは、1991年の大きな話題でもあった。受賞作の「極道戦争武闘派」では、沈着冷静な理論派の中井貴一に対抗する、血気盛んなケンカヤクザに扮して大活躍。情を重んじる男気にあふれた役柄は、本人のキャラクターとオーバーラップして人気を集めた。今後の俳優活動が楽しみな存在である。(北海道出身)
石田ひかり「あいつ」「咬みつきたい」「ふたり」
アイドル歌手として、CMやテレビドラマに活躍する人気者だったが、1991年は「ふたり」「あいつ」「咬みつきたい」と映画にも進出。自然な演技のなかに、キラリと光る非凡な才能を感じさせた。特に初めての映画「ふたり」では、優等生だった姉の突然の死を乗り越えて、少女から女へと成長をとげていくヒロインを好演し、高い評価をうけた。大林宣彦監督の主演次回作も待機中だ。(東京都出身)
大島弘子「あの夏、いちばん静かな海。」
テレビバラエティでデビューし、演技の経験はなかったが、「あの夏、いちばん静かな海。」でヒロイン役の女優を探していた北野武監督に抜てきされ、幸運なスクリーン初登場となった。ひと目見て彼女の出演を決めた北野監督は、現代っ子には珍らしい古風な雰囲気と芯の強さにひかれたという。その期待に応えて、聴覚障害者という難役も見事にこなしている。(東京都出身)
具志堅ティナ「ぼくらの七日間戦争 2」
アメリカ人の父を持ち、アメリカと沖縄で育った国際派で、日本語よりも英語が得意という彼女。大型アイドルとして、テレビやCMで活躍するかたわら、「ぼくらの七日間戦争 2」でヒロイン・デビューした。ヒットした前作の宮沢りえに続いて、のびのびとした個性が注目を集めている。1992年には、主演映画も待機中というラッキー・ガールだ。(沖縄県出身)
観月ありさ「超少女REIKO」
4歳からモデルの仕事を始めて、10年以上のキャリアを持つ彼女は、日本人離れしたプロポーションで1991年の話題をさらったひとりだ。その美少女ぶりで人気を集め、歌手デビュー、そして「超少女 REIKO」で映画デビュー、とトントン拍子にスーパーアイドルへの道を歩んでいる。映画では、不思議な力を持った少女に扮して、その神秘的な魅力をアピールした。(東京都出身)
和久井映見「就職戦線異状なし」「息子」
「息子」「就職戦線異状なし」の2作品で、助演女優賞とのダブル受賞を果たした期待の実力派。正統派の美女として、CMやテレビドラマではおなじみの顔だったが、今回の映画では、山田洋次監督からも「愛くるしさと品の良さが兼ね備わった数少ない女優」と絶賛されるなど、女優としての評価を高めた。清楚な印象からは想像できないが、趣味はスポーツという意外な一面も。(神奈川県出身)