小塚すずゆさん
一年間ぴあ特別会員として活動させていただき、最後の役目となる日本アカデミー賞授賞式への出席は、私にとって手に汗を握りつつ感動と喜びを感じた経験でした。
ホテルに着き、扉を開けるとテレビの画面でしか見たことのなかったレッドカーペットと煌びやかな会場が目の前に広がっていました。著名な受賞者たちの緊張と、受賞の喜びをスピーチから感じた3時間でした。
長いようで短かった授賞式の中で1番印象的だったのは最優秀アニメーション作品賞が発表された時です。どの作品も本当に素晴らしく、一体何が選ばれるのだろうと固唾を飲んで見守っていました。友達と一緒に鑑賞した『THE FIRST SLAM DUNK』が受賞した時はとても嬉しかったです。
会長功労賞の加山雄三さんがスピーチにて、人生において感動すること、関心を持つこと、感謝することが大切とお話しされていました。私もこれからも、映画やドラマ、様々な芸術に関心を持って、感動する心を持ちつつ、自分の周りの人、感動を与えてくれた作品への感謝を忘れずに過ごしたいと思います。 |
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川端七成さん
子どもの頃に観た映画は細かい部分まで覚えているのに、大人になってから観た映画は面白かったこと自体は覚えていても、具体的にどこがよかったのか、だんだん忘れてしまいます。それは多分、日々観たり聴いたりするものが増えるにつれて、自分にとっての『特別』の濃度が薄まっていくからではないかと思うのですが、日本アカデミー賞の投票に関わったこの1年間は、濃度の高いたくさんの『特別』と出会う日々でした。
その集大成として迎えた授賞式の日。スクリーン越しに見ていた方々を目の前にし、尊敬、憧れ、感動、愛…彼らを称えるたくさんの言葉や感情が自分の中に溢れ出してきて、それを最大限に伝えるため、何度も何度も手を叩きました。
中でも岸井ゆきのさんの受賞スピーチには胸を打たれました。『あぁ、これを観るために今までがあったんだなって思うことがあって、映画はずっとそこで、見つけてもらうのを待ってくれている』。このスピーチを聞いて、岸井さんは女優さんでありながら、私たちと同じように、ただ映画を愛している人でもあるのだなと思えてとても嬉しかったです。作品を通して、自分の過去や人生そのものを肯定してもらえたような気持ちになれる。そんな瞬間に出会ったことがあるから、私は映画を観続けているのだと思います。これからも映画を愛し、映画に救われる日々を送っていきたいです。 |