江夏豊「最後の博徒」
現役引退後のマルチな活躍には、目を見はるものがある。この人のタレント性の豊かさに期待する者は多い。「最後の博徒」のデビューも見事という他なく、ユニホームを着流し姿に替えて、スケールの大きい新人の登場を映画ファンの心に焼き付けた。元来が映画好き。高倉健の東映やくざ映画に胸踊らせたファンの一人でもあった。(大阪府出身)
新藤栄作「俺ら東京さ行ぐだ」
「俺ら東京さ行ぐだ」は、初の主演作品である。NHK朝のテレビ小説「心はいつもラムネ色」の主役に、全国オーディションで抜擢されたラッキーボーイだ。高校時代に空手部、大学中退後、プロのキックボクシング界に籍を置いた変り種。それだけにがっしりした体躯である。甘いマスクと、野性味を兼ね備えた好青年だ。(和歌山県出身)
山下規介「ビッグ・マグナム 黒岩先生」
「ビッグ・マグナム黒岩先生」は「廃市」に続く映画出演作。テレビでの活躍も多く、レギュラー番組に「スーパーポリス」「アイアイゲーム」。その他、NHKの朝のテレビ小説「澪つくし」等にも出演した。ちなみに、この「澪つくし」の作者、ジェームス三木は父である。ピアノを弾き、スポーツは万能という現代的な青年である。(神奈川県出身)
河野美地子「瀬降り物語」
中島貞夫監督作品「瀬降り物語」でデビューを飾った。中島監督が「この映画のために」と他の仕事を一切させずにおいたという“秘蔵っ子”だ。映画では、山の民の戒律を破ってまでも一人の青年を情熱的に愛する野性的な娘を演じた。明るい性格と芯の強さに、中島監督直伝の映画魂が加わった期待の新人である。(大分県出身)
沢口靖子「ゴジラ」
第1回東宝シンデレラ女優に選ばれて以来の成長はまことに素晴らしく、大物女優としての将来に日本映画界が寄せる期待は大きい。若さに似合わぬ落着きと、日本女性の情趣を備え、年齢、男女の区別なく支持されている。「ゴジラ」でもその美しさが光っていた。清楚で古風とも思える情感を漂よわす美しさなのである。(大阪府出身)
早見優「キッズ」
「KIDS/キッズ」は初の主演作。歌にドラマに大活躍のアイドルとして多くのファンを持つが、この作品は一般的なアイドル映画のイメージを突き破る優れた映画作品として注目された。他に、映画出演作として「零戦燃ゆ」があり、映画での活躍が期待される若手女優として、これからが非常に楽しみな人である。(ハワイ出身)