第18回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
日時: 1995(平成7)年3月18日(土)
場所: 国立京都国際会館 メインホール
司会: 高島忠夫/三田佳子

優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)松竹(株)

最優秀作品賞 「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


四谷怪談の主人公・民谷伊右衛門が、実は赤穂の浪士だった…。一見まったく性質の異なる物語が、運命の意図に操られて壮大なひとつの物語となってアンサンブルを奏でだす。 全編にみなぎるカラフルでパワフルな映像が見るものを圧倒し、異色の時代劇に仕上がった。(松竹)

優秀作品賞 「居酒屋ゆうれい」


妻の死後、若い後妻をもらった主人のもとに、先妻の幽霊が現われる。小さな居酒屋を舞台に、この世の女とあの世の女の間で右往左往する男の姿を描いたコメディー。山本昌代の同名小説を「君は僕をスキになる」で監督デビュー以来、若手の代表として精力的な活躍を見せる渡邊孝好が映像化。(サントリー=テレビ朝日=東北新社=キティ・フィルム)

優秀作品賞 「119」


初監督作「無能の人」でその才能が注目を集めた竹中直人監督の第二作。18年間も火事が起きていない海辺の町の消防士たちが主人公。静かな毎日をかき乱す美女の出現に揺れた、この町の二週間が独特の作品世界に展開する。町の人々のほのぼのとした暮らしが、こまやかに映し出されていた。(松竹=テレビ東京=イメージファクトリー・アイエム)

優秀作品賞 「四十七人の刺客」


かつて幾度となく映画化されてきた「忠臣蔵」を新解釈で描いた池宮彰一郎原作の時代小説をオールスターキャストで映画化。これまで“忠誠心”をベースに日本人の美意識に訴えかける物語として描かれてきたものを、『討ち入り』は緻密なリサーチに基づいた情報・経済戦争だった…とした現代的な設定が目を引いた。(東宝=日本テレビ=サントリー)

優秀作品賞 「ラストソング」


若者に絶大な人気を誇る本木雅弘、吉岡秀隆、安田成美の3人を主役に配した青春映画。「北の国から」などの作品で多くのテレビドラマを手がけている杉田成道が、「優駿」に続いてメガホンを取っている。ロックミュージシャンとしての成功を夢見る若者たちの希望と挫折が瑞々しい映像と共に綴られている。(東宝=フジテレビ)
優秀監督賞
最優秀賞深作欣二「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


久しぶりの本格アクション映画「いつかギラギラする日」で、観客をアッと驚かせた深作監督。今回は“四谷怪談”と“忠臣蔵”という日本人になじみの深い物語を題材に、再びエネルギッシュな映像世界を体験させてくれた。庶民の間に浸透していた仇討ちの世界と、お岩さんの幽霊世界を華麗な映像で見事に融合させ、これまでにない大胆で新鮮な作品に作り上げている。(1930年 茨城県)
優秀賞市川崑「四十七人の刺客」


「四十七人の刺客」が監督70作目にあたる、日本映画を代表する巨匠。「史実というものと、真正面に取り組みながら、現代的な生気が漲っている映画になるといいなぁと思った」という言葉通り、大石内蔵助と吉良・上杉側の司令塔、色部又四郎の謀略戦争として『討ち入り』を描き出した。映画づくりへの飽くなき挑戦が、「忠臣蔵」の真実に迫ろうという意欲に重なっていた。(1915年 三重県)
優秀賞奥山和由「RAMPO 奥山監督版」


「ハチ公物語」「無能の人」などを手がけ、プロデューサーとして高い評価を得ている奥山氏。今回は、監督業に初挑戦し、見事に優秀賞を受賞した。江戸川乱歩……幻想世界を描き続けた作家を主人公に、現実世界と夢の世界が妖しく交錯する映画「RAMPO 奥山監督版」。この不思議なイマジネーションの世界を、奥山氏は溜息の出るような映像美で描き、観客を夢の世界に誘った。(1953年 東京都)
優秀賞竹中直人「119」


監督第2作目にあたる「119」は3年前から温めてきた企画。“何も起こらない”小さな町のゆったりとした時の流れを描きつつ、設定・ロケ地・音楽・出演者などすべての要素に監督自身の映画への強いこだわりを感じさせる。その画面づくりは今回も見るものをうならせた。もちろん前作と同じく脚本と出演もこなし、独特の竹中ワールドを作り上げている。(1956年 神奈川県)
優秀賞渡邊孝好「居酒屋ゆうれい」


鈴木清順、大森一樹らの助監督を務め、1989年に「君はボクを好きになる」で監督デビュー。以来「ボクが病気になった理由」「スキ!」「エンジェル僕の歌は君の歌」とキャリアを積んできた。今回の「居酒屋ゆうれい」では、幽霊になった前妻と若い新妻、そしてその主人の不思議な三角関係をコミカルに描きつつ、居酒屋に集まるクセのある人間たちをイキイキととらえてみせた。(1955年 京都府)
優秀脚本賞
最優秀賞古田求/深作欣二「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


今までにないパワフルで幻想的な時代劇を産み出した深作氏と古田氏。脚本作りを古田氏の実家がある九州からスタートしたと言う。「忠臣蔵には、庶民に伝わる話、歌舞伎、そして史実と3つくらいの種類がある。これに四谷怪談を合わせたので、4つの物語と取り組んでいるような作業だった」と古田氏。(1947年 佐賀県)(1930年 茨城県)
優秀賞池上金男/竹山洋/市川崑「四十七人の刺客」


「四十七人の刺客」では監督の市川氏、原作者(脚本には別名を使用)池上氏、そして竹山氏の3名が共同で脚本を手掛けた。「市川さんとの共同作業が楽しい仕事だった」と語る竹山氏、「今後も小説の世界で頑張る」と語る池上氏。両氏ともうれしい初受賞となった。(1923年 静岡県)(1946年 埼玉県)(1915年 三重県)
優秀賞奥山和由/榎祐平「RAMPO 奥山監督版」


「RAMPO奥山監督版」で監督初体験の奥山氏が、「東京上空いらっしゃいませ」「真夏の地球」などのフレッシュな脚本で知られる榎氏とコンビを組み、共に初の優秀賞受賞となった。「短距離走を繰り返して、結果、随分長く走った、という感じだった。複数の声の織物のような脚本であれば嬉しい」と榎氏。(1953年 東京都)(1960年 東京都)
優秀賞田中陽造「居酒屋ゆうれい」


第7回以来の久しぶりの受賞だが、今回は若い渡邊監督と初めての顔合わせとなった。「脚本を書きながら、映像化は難しいだろうと考えていたが、少ない予算の中で巧みに演出して見せた監督の力量に感心した」と語る。幽霊となった前妻が出現するところまでを描いている原作にあわせて、その発想を生かした『その後』の部分はオリジナルで構築している。(1939年 東京都)
優秀賞野沢尚「集団左遷」


リストラ時代のサラリーマンの厳しい現実を描いた「集団左遷」でうれしい初受賞。ここまで硬派な映画を手掛けたことはなく、東映がやくざ路線からの転換を図った企業ものということで、プレッシャーと闘いながらの仕事だったと振り返る。自身にサラリーマン経験はなく、この仕事でたくさん資料を読んだことが、今の日本や社会を知るためにも勉強になったと語る。(1960年 愛知県)
優秀主演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞佐藤浩市「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


映画だけでなく、テレビドラマでも演技派の若手として活躍を見せているが、今回の受賞作「忠臣蔵外伝四谷怪談」では、これまでにない新しい伊右衛門像に挑み、観客に新鮮な驚きを与えてくれた。一人の女性に純粋に魅かれながらも、浪士という立場ゆえに人生の深みにはまっていく男、伊右衛門。この複雑な役どころを、鮮烈に演じ、強烈な印象を残している。(東京都出身)
優秀賞赤井英和「119」


「どついたるねん」で鮮烈なデビューを飾って以来、既存の俳優にはない型破りなスケールで、映画にテレビに引っ張りだこの人気俳優。日本アカデミー賞は初受賞で、受賞作「119」では、映画の中で初めて関東弁で演技する姿が見られる。また、マドンナ的存在の鈴木京香に一途な思いを捧げる純情演技が、ピタリと本人のキャラクターに重なり、好感度は抜群だ。(大阪府出身)
優秀賞柴田恭兵「集団左遷」


集団左遷から大量解雇へ…。企業側のリストラ計画に必死で立ち向かう男たちを描いた「集団左遷」で2度目の主演男優賞受賞となった。「サラリーマンを演じるというより、ひとりの男の生きぎまを演じたかった」という言葉通り、会社に挑戦状を叩きつける、激しく攻撃的な戦うサラリーマンを演じている。個性的なキャラクターと演技は、これからの日本映画の顔となるだろう。(静岡県出身)
優秀賞高倉健「四十七人の刺客」


この「四十七人の刺客」が201本目の出演作となる、日本映画の顔的存在。新解釈で描かれた『忠臣蔵』の中で、従来の大石内蔵助とはまったく違う人間臭い謀略家という大石像を作り上げた。現場では居合歴21年のキャリアを殺陣にいかして、立ち回りのアイデアを提案するほか、並外れた集中力とテンションの高さで、他を圧倒する存在感を見せていた。(福岡県出身)
優秀賞本木雅弘「ラストソング」


第16回に「シコふんじゃった。」で本賞を受賞、その個性的な演技が各界から絶賛を浴びた。どちらかと言えば、飄々とした演技が持ち味だが、今回は「ラストソング」で、恋に青春に、悩み傷つく青年を情熱いっぱいに演じ、2度目の受賞となった。時代の先端をいくカッコよさを持つ俳優として、若い層を中心に人気を集める期待の若手俳優である。(埼玉県出身)
優秀主演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞高岡早紀「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


今回、新人俳優賞とダブル受賞を果たした期待の若手女優。これまでは、どちらかというと等身大の明るい女の子を演じることが多かったが、この作品で底力を発揮。時代劇という設定の中で、一途な恋に生きるヒロインをキュー卜な魅力で演じきり、これまでにない新しいタイプのキャラクターを創造してみせた。(神奈川県出身)
優秀賞安達祐実「家なき子」


CMから人気に火が付き、テレビドラマ「家なき子」で目覚ましい活躍を見せた彼女。今回は、その主演ドラマを映画化した同名の作品で嬉しい初の主演女優賞となった。「REX恐竜物語」で見せたあどけなさから一変、映画「家なき子」では厳しい表情で、母を亡くし、つらい世間の荒波にもまれていく少女を熱演している。これからの可能性を感じさせてくれる新しい才能の持ち主といえる。(東京都出身)
優秀賞かたせ梨乃「東雲楼 女の乱」


日本アカデミー賞では助演女優賞の常連としておなじみの顔だったが、ついに念願の主演女優賞を、「東雲楼女の乱」で受賞した。華やかな色香を振りまきつつ、影では恵まれない境遇に一生を終える者が多い、廓という特殊な女世界。バイタリティを全身にみなぎらせた持ち前のキャラクターで、精一杯生きる女将を演じている。酷暑の中での撮影にも女優魂を見せ、頑張り抜いた。(東京都出身)
優秀賞山口智子「居酒屋ゆうれい」


テレビドラマでの若奥さん役やCMで見せるはつらつとしたさわやかな魅力で、急成長ぶりを見せている若手。映画は受賞作「居酒屋ゆうれい」が2作目だが、無類の映画好きとしても知られており、忙しい中でも映画を見る時間だけは削らないとか。今回の役は若い後妻というキャラクターにピッタリのもの。豊かな表現力で、映画女優のホープ誕生を強く印象づけた。(栃木県出身)
優秀賞吉永小百合「女ざかり」


日本を代表する女優として、これまでにも高い評価を得てきている才媛。今回の受賞作「女ざかり」では、日本ではまだ珍しい“女性論説委員”をさっそうと演じ、再び観客の心を魅了してくれた。恋に生き、仕事に燃え、敵と戦う主人公…。男社会の波にもまれながらも、ひときわ輝くヒロインを、彼女ならではのりんとした魅力で演じ、その存在感をアピールしている。(東京都出身)
優秀助演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞中井貴一「四十七人の刺客」


若手演技派の代表として、高倉健を向こうにまわしての熱演を見せた「四十七人の刺客」。意外にも日本アカデミー賞には第5回の新人俳優賞以来の登場となる。受賞作では上杉藩江戸家老で、吉良側の司令塔として大石との謀略戦に挑む男、色部又四郎を演じている。テレビドラマやCMで見せる軽妙なキャラクターとは180度異なるクールな表情に新たな可能性を感じさせる。(東京都出身)
優秀賞竹中直人「119」


監督作「119」で消防車のミニカー収集が趣味という根っからのファイアー・マンを演じて、2度目の助演賞受賞を果たした。小さな海辺の町で自分の人生をしっかりと歩む地味だが堅実な人物。映画にはなりにくい、ごく普通の人々を自然に演じることができる貴重な役者だ。「無能の人」に続いて、監督業との二足のわらじだが、その大変さを楽しんでしまうほどの映画好きだ。(神奈川県出身)
優秀賞津川雅彦「集団左遷」


主演男優賞もあわせると今回が5回目の日本アカデミー賞となるベテラン。受賞作の「集団左遷」に代表されるような現代劇から、粋な身のこなしを見せる時代劇まで、活躍の場を選ばない幅広い表現力・演技力が魅力だ。受賞作では、あらゆる手を使って不動産会社の副社長にまでのぼりつめた男の狂気と、その裏にある孤独や疲弊を巧みに表現している。(京都府出身)
優秀賞三國連太郎「釣りバカ日誌7」


第13回の「利休」、第15回の「息子」、そして第17回の「大病人」で主演男優賞を受賞している大ベテラン。年を追うごとに深みを増す演技で映画ファンをうならせている。今回は多くのファンを持つ人気シリーズ「釣りバカ日誌7」で本賞の受賞となった。西田敏行とコンビで見せる軽妙なカケアイで、シリアスな作品での重厚な演技とはまた違った愛すべき顔を見せている。(群馬県出身)
優秀賞吉岡秀隆「ラストソング」


これまで、人気のテレビドラマシリーズ「北の国から」や、映画「寅さんシリーズ」で、多くのファンから親しまれてきた。今回、受賞作となった「ラストソング」では、子役時代から培った演技力を生かし、青春の光と影をくぐり抜けスターに登り詰める若者を印象的に演じている。また吹き替えなしで演奏シーンにもチャレンジしてみせた。今後の活躍が楽しみなひとりだ。(埼玉県出身)
優秀助演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞室井滋「居酒屋ゆうれい」


エッセイ集が立て続けにベストセラーとなり、そのユニークな個性と飾らない人間的な魅力が若い女性に厚く支持されている才女。メジャーデビュー前は自主映画の女王として多くの作品に主演していた。初受賞となった「居酒屋ゆうれい」では旦那恋しさに化けて出てくる前妻を演じているが、幽霊なのに可愛らしくて憎めない…。その魅力が映画全体をいっそう楽しいものに仕上げている。(富山県出身)
優秀賞荻野目慶子「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


第15回の「陽炎」、第16回の「いつかギラギラする日」で同賞を受賞している。今回は「いつかギラギラする日」の深作監督の作品「忠臣蔵外伝四谷怪談」に出演。主人公の民谷伊右衛門に惚れ込み、狂おしいまでの激情をぶつける女を体当たりで熱演している。その個性の輝きは、他の若手女優とは一線をかくしており、いっそうの成長が期待されている。(熊本県出身)
優秀賞斉藤慶子「東雲楼 女の乱」


世の中や男たちに翻弄されながら、必死で生きる廓の女たちを描いた「東雲楼女の乱」で初受賞。潔い演技を、という監督の注文に応えて、見事に華やかな表舞台に隠された女の業を演じてみせた。近年は、女優として一皮向けた成長を見せていたが、本作でその実力が一気に開花したようだ。演じる役柄でガラリとイメージを変えられる器用さも魅力だ。(宮崎県出身)
優秀賞鈴木京香「119」


スクリーンに久しぶりに登場した正統派美人女優である。1989年の「愛と平成の色男」でデビュー、テレビドラマ「君の名は」のヒロインとして注目を集め、順調に成長してきたが、初受賞となった「119」では、小津映画を深く敬愛している竹中監督の思いに応えて、小津映画の中の原節子が蘇ったような好演ぶりをみせた。女性らしい柔らかな色香を持った存在として期待される。(宮城県出身)
優秀賞渡辺えり子「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


舞台芸術学院、青俳演出部を経て78年に劇団「3○○」を結成。作家、演出、出演をこなし、1983年に戯曲「ゲゲゲのげ逢魔が時に揺れるブランコ」で第27回の岸田戯曲賞を受賞している才人。近年は映画、テレビにも多数出演、その活躍の場を広げている。「忠臣蔵外伝四谷怪談」では、主人公・伊右衛門に熱をあげるお姫様のお付きを演じ、その個性的な演技が絶賛された。(山形県出身)
優秀音楽賞
最優秀賞忌野清志郎「119」


初めての映画音楽「119」で嬉しい初受賞「どうも、ありがとう!ぼくはいつでも最高の音楽をやっていると自負しているんだけど、一般の人々にはあまり理解されません。だけど、ぼくの才能は、とてもすごいので絶対にめげたりはしないのさ。今回、竹中監督に映画音楽を依頼されて、とても、嬉しかったです。完璧な曲を作ったんだよ。竹中に感謝します。何度も映画をみて泣きました。」(1951年 東京都)
優秀賞金子隆博「河童」


ロックバンド“米米CLUB”のサックス、キーボード奏者。作詞・作曲・アレンジャー、コンポーザーとして米米CLUBの中心的存在として活躍している。「初めての映画音楽『河童』で“石井組”という最高のスタッフの一員として関われたことを光栄に思います。音楽製作チームの皆様、お疲れさま。そして映画音楽初心者の自分を起用してくれた石井竜也監督に感謝します」と金子氏。(1964年 千葉県)
優秀賞川崎真弘「RAMPO 奥山監督版」


今まで「ペインテッド・デザート」「子連れ狼 その小さき手に」等の作品で、素晴らしい音楽世界を作り上げてきた。「RAMPO奥山監督版」では、監督と徹底的にイメージの方向性について話しあい、作品に臨んだという。「現実世界と物語世界との狭間をどうするか、そしてヒロインの心の動きを中心に、作品の持つ世界を表現しました」と川崎氏。幻想的な音楽で観客を魅了。(1949年 福島県)
優秀賞谷川賢作「四十七人の刺客」


第11回の日本アカデミー賞で初受賞(「竹取物語」「映画女優」)して以来、「四十七人の刺客」で二度目の受賞。若い感覚が市川作品に新しい魅力を与えている。「市川崑さんとは6作目の仕事となりました。今回の作品は市川作品の総決算のつもりで頑張りました。映画音楽家の本流ではない私が賞をいただくということに、多少の戸惑いも感じますが、とてもうれしいです」と感想を。(1960年 東京都)
優秀賞和田薫「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


“邦楽器のことがわかり、劇伴が書け、現代音楽に通じ、なおかつロックのマインドを持つ人”…これが深作監督が「忠臣蔵外伝四谷怪談」の音楽に求めた人物だった。このすべての条件を見事にクリアした和田氏は監督の難しい期待に応え、琵琶の音色を中心にドラマチックな音楽を創造した。「半年間という長い期間、ひとつの作品に関わり楽しく作業ができました」と和田氏。(1962年 山口県)
優秀撮影賞
最優秀賞石原興「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


「忠臣蔵外伝四谷怪談」でエネルギッシュな映像世界を見せてくれた。スクリーン一杯に華やかな色彩を乱舞させ、作品に力強い生命力を与えることに成功している。「これまで自分がやってきた様々な事を、この作品で全部出したような気がします」と石原氏。なるべく華やかな作品にしようと、ゴールドの世界をイメージし、従来の時代劇の世界を一新してみせた。(1940年 京都府)
優秀賞五十畑幸勇「四十七人の刺客」


第11回以来久しぶり3度目の受賞に「しばらく遠ざかっていたので感激している」と率直な感想。紅葉の季節から、翌年の夏までというほぼ一年間の長丁場だったが、まさに入魂というのが相応しい仕事ぶりだった。映画誕生100年記念の大作「四十七人の刺客」は、オールスターキャストが魅力だったが「皆さん大変な方ばかりなので気を遣いました」と振り返る。(1941年 東京都)
優秀賞加藤雄大「ラストソング」


ロックに青春をかける若者たちを描いた「ラストソング」で初受賞。博多駅での撮影や読売ランドでのライブなど、技術的に苦労することの多かった中で、作品の半分以上を超高感度で撮影。日本映画で始めての試みにも挑戦している。「実景がドラマの流れを止めることなく、主人公達の心の中の風景となり、それを日本の景色とダブらせてみました」と加藤氏。(1943年 台湾)
優秀賞佐々木原保志「RAMPO 奥山監督版」


「RAMPO奥山監督版」で、夢見るような映像の中に、怪しく美しい世界を造り上げた。昭和初期の時代の作品は初めてという佐々木原氏は「フィクションの世界の中に、独特の空気感を出したかった」と語る。また、作品の中の見所となっているパーティーシーンでは「さりげない中にも、ひとりひとりの個性がわかるように、そして映画ならではの豪華さをねらいました」と言う。(1950年 北海道)
優秀賞森田富士郎「東雲楼 女の乱」


今回の「東雲楼女の乱」で受賞も7度目という大ベテラン。連日40度近い猛暑の中での厳しい撮影が続き、肉体的には大変だったが、強烈な印象を残す作品となった。「廓に暮らす薄幸な女性たちの群像劇でした。集合体の面白さもですが、化粧で飾った時と、素顔に戻った時のコントラストを際立たせて、生身の人間の辛さを表現したいと思っていました」と振り返る。(1927年 京都府)
優秀照明賞
最優秀賞中島利男「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


これまで、テレビドラマを中心に活躍。今回は、「忠臣蔵外伝四谷怪談」で色鮮やかな画面の中に美しい光と影の世界を映し出している。「30年間この仕事をやってきた自分の感性を大切に、自然体で撮影に臨みました」と中島氏。氏の感性は見事に生かされ、日本のお化け映画に登場するドロドロしたタッチのお岩ではなく、キュートで美しいお岩の世界を生み出した。(1939年 京都府)
優秀賞下村一夫「四十七人の刺客」


照明界の大ベテランとして「四十七人の刺客」に参加。見事5回目の優秀賞受賞を果たした。受賞の感想を「ただ嬉しいということだけです。撮影中は琵琶湖の寒さが印象に残っています。時代劇の大作ということでしたが、これまでの時代劇にない光をどうやってあてようか、人がやらなかった照明を、と常に考えて臨んでいました」と。意欲的な映画づくりへの姿勢が輝いていた。(1921年 神奈川県)
優秀賞大澤暉男「ラストソング」


ロックに青春を賭ける若者たちを描いた「ラストソング」で受賞。「どの時代にもある“青春”。若者の栄光と挫折の日々、愛と野望、光と影。こうしたテーマをこの物語のミュージシャンの若者たちを通して、臨場感をもって、場面、場面を描きました」と大澤氏。ロケーションを多用した作品の中で、若者の心の動きをみずみずしくとらえ、新鮮な映像を生み出している。(1938年 東京都)
優秀賞安河内央之「RAMPO 奥山監督版」


1983年に「居酒屋兆治」でデビュー。以後「無能の人」「ヌードの夜」などに参加。独特のセンスあふれる照明で、監督、スタッフから厚い信頼を得ている。「映画界最高の賞を受賞でき非常に光栄です。これも監督を始め佐々木原キャメラマン、照明助手の皆さんのお陰と感謝いたします」と安河内氏。「RAMPO 奥山監督版」では蛍光灯ライトを駆使し、美しい映像世界を生み出している。(1946年 東京都)
優秀賞増田悦章「東雲楼 女の乱」


「東雲楼女の乱」でついに10回目の受賞を果たしたベテラン照明マン。今回の受賞については「撮影の森田富士郎さんと久しぶりに再会できたことがなにより嬉しかった。一緒に組んだ『鬼龍院花子の生涯』『陽暉楼』といった作品を思い出しつつ、頑張りました」と感想を。自身が好む明治・大正・昭和初期のライティングのムードを、見事にスクリーンに再現してみせた。(1931年 京都府)
優秀美術賞
最優秀賞村木与四郎「四十七人の刺客」


昨年は本部門の最優秀賞に輝いた。昨年の受賞時に、欧米に比べて日本映画の予算は少なすぎると訴えていたが、今回5度目の受賞となった「四十七人の刺客」はセットに比較的予算をかけてくれたので助かったと振り返る。最も重要なセットとなる吉良邸に関しては特にこだわって、「古いものを利用するくらいなら、昔の映画をそのまま見せたほうがまし」と強く主張したそうだ。(1924年 東京都)
優秀賞井川徳道「東雲楼 女の乱」


「東雲楼女の乱」で二年連続、8度目の受賞を果たした。今回は資料がほとんど残っていない東雲楼を再現することに苦労を重ねた。シナリオから自身で構築していくしかなかったと振り返るが、限られた予算の中で、地方色を生かし泥臭さの残った豪華な廓のセットを造り出した腕は見事の一言だ。特に東雲楼の顔である正面の作りには、思い入れを注ぎこんだと語った。(1929年 京都府)
優秀賞小川富美夫「ヤマトタケル」


日本最古の歴史書「古事記」を題材に、現代にも通じる普遍性を持ったファンタジック・ワールドを作りあげたSFアクション大作「ヤマトタケル」で本賞を受賞。「神代の話を現代風に面白くするために、スタッフ全員で作品世界を考え出す作業が大変でした」と小川氏。そのかいあって、古代とSFの魅力が見事に融合された世界が生まれ、迫力ある映像が誕生した。(1948年 宮城県)
優秀賞西岡善信/丸井一利「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


これまでにも何度も同賞を受賞してきたベテラン・西岡氏と、長年、西岡氏とコンビを組んできた丸井氏が「忠臣蔵外伝四谷怪談」で受賞。今回は、「オーソドックスでなく、舞台的な華麗さを狙った」という二人。ロケーションでもセット的な日本美を追及し、絢爛豪華な美術を見せている。(1922年 奈良県)(1959年 徳島県)
優秀賞部谷京子「RAMPO 奥山監督版」


「初めての受賞なので大変嬉しく感じております。『RAMPO奥山監督版』は、乱歩自身とその全作品のエッセンスを1本の映画の中で表現してみたいと取り組みました」と部谷氏。重要な小道具となる小鳥のオルゴール、書籍、壁紙、そして乱歩の分身を映し出す鏡まで、作品世界を彩る美しいイメージで統一。乱歩文学が持つ無限大のイマジネーション世界に迫っている。(1954年 広島県)
優秀録音賞
最優秀賞斉藤禎一/大橋鉄矢「四十七人の刺客」


このコンビでの受賞は第11回の「竹取物語」以来二度目となる。題材としてはよく知られているものを、これまでと違った視点で描くという「四十七人の刺客」では「監督の企画意図に添った雰囲気を音の世界で作り上げる」(斉藤氏)ことを心がけた。技術的な面では、できる限り同時録音でいこうと心がけたそうだ。(1941年 千葉県)(1927年 群馬県)
優秀賞林鑛一「集団左遷」


6、7、8回での連続受賞以来、久しぶりの受賞となり「遠ざかっていたが、皆さんの協力で賞がいただけて、とても嬉しい」と感想を語る。受賞作の「集団左遷」は出演者の多い集団劇。しかも難しい不動産関係の用語もたくさんあったため「セリフを明瞭に聞かせてあげないと、ドラマが理解できなくなってしまうので、セリフを重点に録音にも気を配った」と振り返った。(1935年 東京都)
優秀賞広瀬浩一/鈴木信一「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


「忠臣蔵外伝四谷怪談」で現場を担当した広瀬氏、調整の鈴木氏のコンビが受賞。「監督の狙いを把握し、現場の緊張感を生かした仕事を心掛けた」と広瀬氏。「琵琶の音色が作品の要となったので、その音の噛み合わせに神経を使った」と鈴木氏。二人の息の合った仕事ぶりで、ドラマチックな臨場感を生み出した。(1947年 京都府)(1943年 京都府)
優秀賞紅谷愃一「RAMPO 奥山監督版」


リアルな音作りで定評のある紅谷氏。全編ミステリアスなムードの「RAMPO奥山監督版」では、ひとつの作品としての完成度を追及し、暗示的な音作りで、観客に作品世界を印象づけた。「幼い子供の笑い声、扇風機の羽音、心音などを、作品をつらぬく柱として使ってみました」と紅谷氏。自由な発想で実験的な音作りにも挑戦。彼ならではの世界を作りあげている。(1931年 京都府)
優秀賞堀池美夫「東雲楼 女の乱」


「東雲楼女の乱」で2年連続の受賞を果たした。明治という狭間の時代を背景にした作品だが、音づくりの面からは、近代社会の始まりを象徴する汽笛の音などで、変化を見せやすかったそう。もともと時代劇に携わることは少ないが、五社英雄監督のもとで宮尾作品に関わった経験を生かして、女性たちの表と裏の顔を対比させる音づくりを心がけたと語った。(1953年 京都府)
優秀編集賞
最優秀賞長田千鶴子「四十七人の刺客」


今回の「四十七人の刺客」で3度目の受賞となったが、希少な女性の編集者として第一線の活躍を続けている。「ナイトシーンが多いのが特徴の作品でしたが、市川作品は膨大なフィルムを編んでいくという感覚の仕事です。時間の制約がある中の苦しい仕事ですが、その分編集の面白さが味わえる楽しい仕事でした。久しぶりの受賞を光栄に思います」と感想を語った。(1942年 福岡県)
優秀賞奥原好幸「119」


「無能の人」に続いて再び竹中直人監督と組んだ仕事「119」で、2年連続、3度目の受賞を果たした。「一作目の『無能の人』に比べると、その世界にすんなりと入っては行けたが、竹中さんの映画は“ 間”が命の映画。そこを気にして編集したので、認められたとしたらなにより嬉しい」と感想を語った。編集賞があるのは「本賞だけなので、編集仲間とも気にしている賞です」とも。(1954年 長野県)
優秀賞川島章正「RAMPO 奥山監督版」


最近、めざましい活躍を見せている川島氏。「4年連続して受賞できたことは奇跡だと思います。今年度は『RAMPO奥山監督版』『ヒーローインタビュー』共に、興行的にも成功を収めることができ、二重の喜びを感じています。今後も技術を磨き、もっと感動を送りたいと思っています」と川島氏。新感覚の編集マンとして、今後のさらなる活躍が期待されている。(1950年 東京都)
優秀賞鈴木晄「居酒屋ゆうれい」


「居酒屋ゆうれい」で6回目の受賞。そのうち4回が最優秀賞という日本を代表する編集マンだ。渡邊監督とは初めての顔合わせだったが、彼の持味である心地よいリズムを、編集でも表現するように心がけたそう。また、鈴木清順監督の助監督を努めていた渡邊監督からは、鈴木監督の匂いも感じられた、と振り返る。歯切れの良い編集が、好印象を残した。(1928年 大阪府)
優秀賞園井弘一「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


「忠臣蔵外伝四谷怪談」で初受賞。「テレビの仕事が多いが、たくさんの人の応援で受賞できて有り難い」と感想を。素材がたくさんあがって来て、作業的に苦労は多いものの、やりがいのある仕事だったと振り返る。撮影が長引くとどうしても最後の大切なプロセスである編集に、時間の皺寄せがきてしまうのが辛いところ、もう少し時間の余裕があれば…との本音も。(1943年 京都府)
優秀外国作品賞
最優秀賞シンドラーのリスト


「ジュラシック・パーク」で驚異的な映像世界を見せて、世界中を驚かせたスティーブン・スピルバーグ監督が第二次世界大戦時に、迫害されるユダヤ人に救いの手をさしのべたひとりの男に焦点を当てて描いた感動の大作。迫害の実態をリアルに描写し、人間の心理に迫っていく。シンドラーを演じたリーアム・ニーソンの演技もすばらしい。(UIP)
優秀賞スピード


新鋭、ヤン・デボン監督がタイトル通り、スリルとスピード満載で描いたノンストップアクション。ロサンゼルス警察の爆弾処理専門の若き警察官と、彼を憎む爆弾魔。二人の手に汗握る戦いがエレベータ一、路線バス、地下鉄を舞台にハイテンションで展開していく。若手俳優キアヌ・リーブスが本作品で一躍人気者に。また名優デニス・ホッパーが爆弾魔を好演している。(FOX)
優秀賞トゥルーライズ


「ターミネーター」シリーズのジェームズ・キャメロン監督とアクション俳優アーノルド・シュワルツェネッガーが再びコンビを組んだアクション娯楽作。核を盗んだテロリストを追う秘密諜報部員の大活躍が家族のトラブルと共にコミカルに描かれていく。妻の浮気にオロオロするシュワルツェネッガーの演技が笑いを呼んだ。本物のジェット機まで登場させた追跡シーンも大迫力。(ヘラルド)
優秀賞パルプ・フィクション


「レザボア・ドッグス」で一躍、世界から脚光を浴びたクエンティン・タランティーノ監督の第2弾。殺しも朝飯前のギャングを中心に、マフィアのボスとその妻、八百長ボクサー、強盗のカップルなどの物語が複雑に絡み合い、すべてが交差しながら展開していく異色のバイオレンス。ギャングの一人を演じるジョン・トラボルタが印象的。(松竹富士)
優秀賞ピアノ・レッスン


オーストラリアの女流監督、ジェーン・カンピオンが静かな画面の中に描き出す波乱に満ちた女性の物語。口がきけず子連れで再婚し、ニュージーランドにたどりついた女性が主人公。彼女が、自分の感情のすべてをピアノに託し、やがて一人前の女性として自立していくまでが感動的に描かれる。ヒロインを演じるホリー・ハンタ一、子佼のアンナ・パキンが素晴しい演技を見せている。(フランス映画社)
新人俳優賞
優秀賞佐伯日菜子「毎日が夏休み」


六歳のときからクラシックバレエを始めバレエの道を志していたが、「毎日が夏休み」で映画デビュー。この作品への出演をきっかけに本格的な女優活動が期待されているニュースター。作品では大島弓子原作のマンガのキャラクターが持つ不思議な魅力のヒロインを体現。明るさとナイーブさ、そして清潔感をミックスさせた演技が絶賛された。これからが楽しみな女優の登場である。(奈良県出身)
優秀賞高岡早紀「忠臣蔵外伝 四谷怪談」


「CFガール」で映画デビュー。2作目の「バタアシ金魚」で、主人公にとことん好かれる女子高生を現代的な感覚で演じて注目される。今回は「忠臣蔵外伝四谷怪談」で可憐でおきゃんな魅力をもつヒロインを体当たりで熱演。これまでの日本映画の中に登場したお岩とはまったく違った魅力をもつキャラクターを創造した。今後、よりいっそうの活躍が 望まれる女優の一人である。(神奈川県出身)
優秀賞羽田美智子「RAMPO 奥山監督版」


化粧品のコマーシャルに登場し、女性のみならず男性からも高い支持を受けている。受賞作「RAMPO奥山監督版」では、謎めいた骨董屋の未亡人と、乱歩が創造した美貌の伯爵夫人という相反する役を一人二役でこなし、注目を浴びた。楚々とした和服姿の日本美人と豪華なドレスを着こなす官能的な女性… ふたつの顔を見事に演じたセンスが光る。本格派の女優として今後が期待される。(茨城県出身)
会長特別賞
優秀賞市川右太衛門「俳優」


歌舞伎俳優市川右団次の門下から、1925年にマキノプロに入社し「黒髪地獄」でデビュー。たちまち美剣士スターとして名声を得る。1927年には自ら市川右太衛門プロダクションを興し、自由で活気のある映画づくりに励んだ。1958年には出演三百本記念映画として「旗本退屈男」を製作。戦前戦後を通じて日本映画界をリードしてきた存在である。
優秀賞京マチ子「俳優」


1936年に大阪松竹少女歌劇団に入団し、娘役のスターとなる。1949年大映に入社。谷崎潤一郎の「痴人の愛」で注目を集める。1950年に主演した 「羅生門」でこれまでにない魅力的な女性像を表現する大女優としての一歩を踏み出す。「雨月物語」「あにいもうと」 「地獄門」と国際的な映画祭でも各賞に輝き、日本を代表する国際女優として活躍してきた。
優秀賞三船敏郎


1946年に東宝第一期ニューフェイスとなり、翌年「銀嶺の果て」でデビュー。続く1948年には黒澤明監督の「酔いどれ天使」に主演し、以後、1965 年の「赤ひげ」まで、ほとんどの黒澤作品に主演している。「用心棒」では1961年のヴェネチア映画祭で男優賞を獲得。数々の外国映画にも主演し、名実共 に国際的大スターとして活躍を続けている。
優秀賞山田五十鈴「俳優」


1930年に日活に入社。渡辺邦男監督の「剣を越えて」で大河内伝次郎の相手役としてデビューを飾り、その年に15本もの作品に出演した。その後も「浪華 悲歌」「祗園の姉妹」「婦系図」などの名作、大ヒット作に多数出演、不動のスターとしての地位を獲得した。戦後も数々の名監督の作品に出演。戦前、戦後を 通じて日本映画界を代表する大女優である。
優秀賞俊藤浩滋「プロデューサー」


マキノ雅広監督と親交を深めるうちに、1964年に「博徒」「日本侠客伝」をプロデュースし、大ヒットさせた。続いて「昭和残侠伝」「兄弟仁義」「緋牡丹博徒」他、数々の「仁侠映画シリーズ」を製作し、映画館を興奮の坩堝と化した。以後も「あゝ同期の桜」「ボクサー」など様々なジャンルの作品を200本以上プロデュースし、今なお活躍中である。
協会特別賞
優秀賞宇野正太郎「背景」


京都美術工芸学校日本画科卒業。1948年頃より松竹・大映・東映各社において時代劇の背景の仕事に携わる。1951年には東映の専属となり、襖絵、軸、書、タイトルなどの製作と考証に関わってきた。その卓抜した能力は、伊藤大輔、内田吐夢、松田定次といった巨匠にとっても欠かせない存在となった。(1906年 滋賀県)
優秀賞宇野竜之介「背景」


1954年、京都独立美術研究所在籍中に、父・正太郎の助手として背景に携わる。1975年頃より父ゆずりの技術と情熱で独り立ちし、現在は、時代劇作品の美術製作には欠かせない人物として活躍している。(1935年 滋賀県)
特別賞
優秀賞全身小説家「疾走プロダクション/監督 原 一男」


戦後文学を代表する作家、井上光晴の「虚構と現実」に迫り、鋭く人間と主題を追求した感動のドキュメンタリー作品である。
話題賞

作品部門:「ヒーローインタビュー」


俳優部門:吉岡秀隆「ラストソング」