第28回日本アカデミー賞優秀作品一覧に戻る
日時: 2005(平成17)年2月18日(金)
場所: 新高輪プリンスホテル 国際館パミール
司会: 関口宏/寺島しのぶ

優秀作品賞
最優秀賞/優秀賞
(C)東映=TBS=住友商事=東京都ASA連合会

最優秀作品賞 「半落ち」


愛する妻を手にかけた元捜査一課の敏腕警部。彼が自首するまでの空白の「2日間」の謎を追う。男は何をしていたのか。妻が残した新聞記事。 男はなぜあと一年だけ生きようとしているのか。誰にも裁けない真実。第5回松本清張賞、第53回日本推理作家協会賞短編部門賞を受賞した 横山秀夫の同名ベストセラーミステリーの映画化。 ( 東映=TBS=住友商事=東京都ASA連合会)

優秀作品賞 「隠し剣 鬼の爪」


2003年日本アカデミー賞14部門を始め、数々の映画賞を受賞した「たそがれ清兵衛」に続く、巨匠山田洋次監督の時代劇第二弾。時は幕末、“鬼の爪”という秘剣を伝授され、予期せぬ運命に巻き込まれていく下級武士・片桐宗蔵と、彼の家に奉公にきた娘きえとの身分を超えたせつなく優しい愛を描く。(松竹=日本テレビ放送網=住友商事=博報堂DYメディアパートナーズ=日販=衛星劇場)

優秀作品賞 「スウィングガールズ」


日本映画界に旋風を巻き起こした大ヒット映画「ウォーターボーイズ」から3年。矢口史靖監督・脚本による爽やかな感動と笑い溢れるキュートでカッコイイ楽しい青春映画。楽器の全くできない田舎の女子高生たちがビッグバンドジャズに魅了され、猛特訓で演奏をマスターしながら高校生活を謳歌する姿を描く。(フジテレビジョン=アルタミラピクチャーズ=東宝=電通)

優秀作品賞 「世界の中心で、愛をさけぶ」


片山恭一による同名小説を映画化。人が死ぬこととは?人を愛することとは?「愛」と「死」という深遠なテーマを真摯に取り扱いながら、「最愛の人の死」と「未来を紡ぐ愛」との狭間で葛藤する主人公を通して「生きる」ことを見つめ直す深く美しい純愛物語。原作は200万部目前という大ベストセラー。(東宝=TBS=博報堂DYメディアパートナーズ=小学館=S・D・P=MBS)

優秀作品賞 「血と骨」


第11回山本周五郎賞を受賞した梁石白の同名小説の映画化。1920年代、日本で一旗揚げようと済州島から大阪へとやってきた金俊平の物語。全てを暴力で支配し、情け容赦もない凶暴且つ欲望の塊。極道にさえ恐れられた怪物のようで破天荒な男の生き様はあまりに過激。(ビーワイルド=アーティストフィルム=東芝エンタテインメント=衛星劇場=朝日放送=ザナドゥー)
優秀監督賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞崔洋一「血と骨」


構想から6年かかりましたが、この長い時間は映画の熟成の時であり、ビートたけしさん、鈴木京香さんと物語を共有していく至福の時間でもありました。これ以上望むべくもないスタッフ・キャストの集結はまるで宿命のように「血と骨」を魂が宿る映画にしてくれました。「血と骨」に素晴らしい評価をしてくださったみなさんに感謝したいと思います。~2度目の優秀監督賞受賞。( 1949年 長野県 )
優秀賞佐々部清「半落ち」


アカデミー会員の皆様、ありがとうございます。一人でも多くの方に劇場で観て頂きたいと念じ、作品作りをしておりますが、今回のように全スタッフが揃って受賞できるのは、やはり次作への励みになります。これからも自分が一番興味のある、人と人の様を出来るだけ丁寧に綴る作品作りを続けられるように精進したいと思います。~「半落ち」で初の優秀監督賞受賞。(1958年 山口県)
優秀賞矢口史靖「スウィングガールズ」


ありがとうございます。僕は映画作りは“サービス業”だと思っています。なので、お客さんにさえ楽しんで貰えれば「賞なんていらないや」とも思っていましたが、こうして選んで頂くと、やっぱり嬉しい。映画=娯楽と信じて進んできた道が間違ってはいなかったんだ、とまたやる気がでます。~「スウィングガールズ」で2度目の優秀監督賞受賞。(1967年 神奈川県)
優秀賞山田洋次「隠し剣 鬼の爪」


なによりも『隠し剣 鬼の爪』の出演者やスタッフの諸君と共に受賞できたことを喜んでおります。投票してくださったメンバーの皆さんに御礼を申し上げます。~78作目となる「隠し剣 鬼の爪」で12度目の優秀監督賞受賞。(1931年 大阪府)
優秀賞行定勲「世界の中心で、愛をさけぶ」


この度は優秀監督賞に選出されたことを大変嬉しくおもっております。3年前に「GO」で最優秀監督賞を受賞したとき、一番最初に祝福の電話をくれたのはこの映画の撮影をした篠田昇さんでした。『いつか、一緒にアカデミーの壇上に立とうぜ!』って言った篠田さんも、きっと天国で一緒に祝福してくれていることだと思います。~「世界の中心で、愛をさけぶ」で2度目の優秀監督賞受賞。(1968年 熊本県)
優秀脚本賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞矢口史靖「スウィングガールズ」


ありがとうございます。実は、僕は脚本の書き方をちゃんと勉強したことがありません。ルールも作法も知らないので自由な脚本を書けているのだと思い ます。まあ、その後「こんなのどうやって撮影するんだ!」と僕も含めてスタッフ皆で悩むのですが・・。これに気をよくして、また滅茶苦茶なのを書くかも しれません。その時はスタッフの皆さん、よろしく御願いします。~「スウィングガールズ」で2度目の優秀脚本賞受賞。(1967年 神奈川県)
優秀賞崔洋一/鄭義信「血と骨」


鄭義信との苦楽が嬉しい結果を生みました。自画自讃と笑いにすぐ溺れる二人なのですが、生来の楽天主義が長い仕事を支えてくれました。相棒に心から感謝します(崔談)。「血と骨」という大きな船が港にたどりつくまでに、6年。その6年という歳月に与えられた賞であると思っています。「血と骨」に関わった、すべてのひとに感謝の言葉をおくります『ありがとう』(鄭談)。~2度目の優秀脚本賞ペア受賞。(1949年 長野県)(1957年 兵庫県)
優秀賞田部俊行/佐々部清「半落ち」


やりがいのある仕事に巡り会えたことが、最高の幸せです。このようなチャンスを与えてくれたこと、素晴らしい原作、スタッフ、キャストの皆さんに感謝致します(田部談)。8ヶ月間、13稿ほど書き直しました。 <映画化で原作は一度死ぬ>とおっしゃられながら、暖かく見守ってくださった原作者・横山秀夫氏に感謝致します(佐々部談)。~「半落ち」で優秀脚本賞ペア受賞。(1950年 東京都)(1958年 山口県)
優秀賞三谷幸喜「笑の大学」


またこの場に呼んで貰えて光栄です。「笑の大学」に登場する劇作家は、僕にとっての理想像。どんな困難も知恵と勇気で乗り越え、周囲や世間に折り合いをつけているようでいて、結果的に自分の書きたいものを書く。稲垣さん演じた椿一のような脚本家に、僕も早くなりたいです。そして次はぜひ、映画のオリジナル脚本で、最優秀脚本賞を獲りたいです。~98年の最優秀脚本賞を含め4度目の受賞。(1961年 東京都)
優秀賞山田洋次/朝間義隆「隠し剣 鬼の爪」


「隠し剣 鬼の爪」で11度目の優秀脚本賞ペア受賞。藤沢周平の小説「隠し剣 鬼ノ爪」と、男女の密やかな愛を描いた「雪明かり」の二つの短編に流れる作者の精神を守り、大胆に脚本化した。幕末の動乱期、己の生き方と、たった一つの愛を、もがきながらも貫き通そうとする主人公片桐宗蔵の姿は、観る者の心にいつまでも消えない感動を刻みつける。(1931年 大阪府)(1940年 宮城県)
優秀主演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞寺尾聰「半落ち」


「雨上がる」(01)で最優秀主演男優賞を受賞し、「阿弥陀堂だより」(03)に続き、今回「半落ち」で3度目の主演男優賞受賞。元捜査一課の敏腕警部で警察学校の教官である梶は、アルツハイマー病に冒され壊れていく妻を扼殺。自首、逮捕後も基本的には「何もしない、何も語らない。」この抑制された特異な主人公像を、抜群の演技力で巧みに表現した。(神奈川県出身)
優秀賞哀川翔「ゼブラーマン」


一世風靡セピアのメンバーとして活躍した後、俳優として映画・ビデオ・テレビドラマ等に多数出演し、主演映画は実に100本目を迎えることとなった。それを記念して製作された作品が「ゼブラーマン」である。主人公の市川新市は気の弱い小学校の教師。子供の頃憧れていた『ゼブラーマン』のコスプレを楽しんでしているうちに、地球侵略を目論む宇宙人と闘うことになる。(鹿児島県出身)
優秀賞大沢たかお「解夏」


「解夏」では、難病に侵され徐々に視力を失い、やがては失明するという主人公の役で初の主演男優賞受賞。恋人、家族、友人、恩師に支えられ恐怖と対峙し、それを受け止め、そしてその日(解夏)を迎える。人間の強さ、弱さ、不安、苛立ちといった感情や心の葛藤を繊細に表現している。CM、舞台等で活躍し「世界の中心で、愛をさけぶ」にも主演。今最も注目されている若手俳優。(東京都出身)
優秀賞永瀬正敏「隠し剣 鬼の爪」


92年、最優秀助演男優賞・新人俳優賞。97・98年、優秀助演男優賞受賞。今回「隠し剣 鬼の爪」で初の主演男優賞受賞。東北の小藩である海坂藩の平侍、片桐宗蔵は百姓の娘きえを自然に愛しながらも、藩命を全うする。その迫真の殺陣捌きは見ごたえ十分。エキセントリックな役柄から時代劇まで、全く違う顔で演じ分け、海外からも注目される個性派俳優。(宮崎県出身)
優秀賞役所広司「笑の大学」


「笑の大学」で、警視庁の検閲官・向坂役を演じ、8度目の主演男優賞受賞。時は、昭和15年。日本は中国と交戦中で、第二次世界大戦へと向かおうとしている。そんな時代柄、笑いを徹底的に弾圧しようとする向坂だが、いつしか「笑」に心惹かれ、人間性を獲得していく。密室の中でほとんど動きを伴わずコメディを演じるという難しい役どころを見事に演じ切った。(長崎県出身)
優秀主演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞鈴木京香「血と骨」


「愛と平成の色男」(89)で女優デビュー。91年NHK朝のテレビ小説「君の名は」の主演で一躍注目される。以降映画、テレビ等で活躍し、「119」(95)で助演女優賞を受賞。今回「血と骨」では、傍若無人な男、金俊平の妻、季英姫役で4度目の主演女優賞受賞。夫による恐怖の呪縛の中で、ひたすらたくましく生きる女の波瀾万丈の生涯を体当たりで演じた。(宮城県出身)
優秀賞竹内結子「いま、会いにゆきます」


数々のテレビドラマ・映画などに出演し、特に若い女性からの支持を得ている。昨年に続き今回は「いま、会いにゆきます」で2度目の主演女優賞受賞。最愛の夫と息子を残して先立つ澪。約束どおり一年後の雨の季節に帰ってきて、雨の季節がおわると消えてしまう。6週間の奇蹟の主人公。妻として、母として、そして自分を探す澪。それぞれが紫陽花のように美しく輝いていた。(埼玉県出身)
優秀賞常盤貴子「赤い月」


「赤い月」のヒロイン波子役で初の主演女優賞を受賞。時代に先駆けて自立を目指し、全身全霊で子供達を、そして愛する男を守り抜く型破りな女性。戦争という異常な状況下において、強く、逞しく“生きる”ことの大切さを迫真の演技で諭している様は、まるでスカーレット・オハラを見ているよう。映画・ドラマ・CMなど幅広い分野で活躍を続ける。(神奈川県出身)
優秀賞深田恭子「下妻物語」


01年新人俳優賞受賞。「下妻物語」で初の主演女優賞を受賞。ひょんなことで知り合ったヤンキー娘との友情物語。価値観や生き方の違う二人のやり取りは絶妙で、イキイキとした演技はまるで役を楽しんでいるよう。フリフリのロリータ・ファッションに身を包み“わが道を行く”主人公の竜ヶ崎桃子は『原作のイメージどおり』と原作者・嶽本野ばらのお墨付き。(東京都出身)
優秀賞松たか子「隠し剣 鬼の爪」


「隠し剣 鬼の爪」で百姓の娘きえを演じ、主演女優賞受賞。大きな油問屋に嫁ぐが酷い仕打ちに遭い、病に伏しているところを嫁ぐ前の奉公先の片桐宗蔵に救われる。以来、命の恩人である宗蔵に誠心誠意尽くす事に幸せを感じる。93年、歌舞伎座で初舞台。以降舞台はもとより、テレビ・CM・映画そして歌手として幅広く活躍し、今最も注目を浴びている女優の一人。 (東京都出身)
優秀助演男優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞オダギリ・ジョー「血と骨」


昨年「あずみ」での新人俳優賞に続き、今回は「血と骨」で助演男優賞を受賞。主人公金俊平の私生児で暴力団の殺し屋、朴武役。雨の日に現れて、雨の日に去って行き、その10日後にヤクザに背中を撃たれて死んでいく。嵐のように強烈でインパクトのある役で存在感を示した。俊平と遣り合う喧嘩のシーンは迫力満点。鋭い感性で進化を続ける個性派俳優。(岡山県出身)
優秀賞香川照之「赤い月」


2000年カンヌ映画祭グランプリ受賞作品「鬼が来た!」で主人公を演じ、全世界から絶讃を浴びる。今回「赤い月」では主人公の夫、森田勇太郎役で助演男優賞を受賞。家族と共に満州に渡り、「森田酒造」を満州有数の造り酒屋に育て上げ栄華を極めるが、戦争により全てを失う。やっとの事で再会した家族と別れ、国に奉仕し命をも捧げるという日本男児を熱演。(東京都出身)
優秀賞柴田恭兵「半落ち」


92年、95年と主演男優賞を受賞し、今回「半落ち」で2度目の助演男優賞受賞。県警捜査一課で『落としの志木』の異名をとる警視役で、妻を殺して自首してきた主人公の取調べを担当する。何も語ろうとしない被疑者。二人の間に漂う空気は決して殺伐とはしていない。真実を知っていくうちに、その人間性に魅せられていく、人情味豊かな刑事を演じている。(静岡県出身)
優秀賞森山未來「世界の中心で、愛をさけぶ」


舞台、テレビ、CM等で活躍し、テレビドラマ「ウォーターボーイズ」(2003年)で脚光を浴びる。映画初出演の「世界の中心で、愛をさけぶ」で新人俳優賞とダブルで受賞。主人公朔太郎の少年時代の役で、恋人のアキに対する思いを自然に演じた。その純粋で真っ直ぐな演技は、誰もが一度は経験した淡い思い出を呼び起こさせ人々の共感を呼んだ。(兵庫県出身)
優秀賞吉岡秀隆「隠し剣 鬼の爪」


95年には話題賞も受賞し、今回「隠し剣 鬼の爪」で4度目の助演男優賞受賞。主人公片桐宗蔵の友人で義弟でもあり、何かと宗蔵の力となり面倒を見る島田左門役。貫禄さえ感じるが、歴史ある京都撮影所の撮影ということもあり、かなり緊張して参加したという。TVドラマ「北の国から」、映画「寅さんシリーズ」はあまりに有名。「半落ち」でも好演している。(埼玉県出身)
優秀助演女優賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞長澤まさみ「世界の中心で、愛をさけぶ」


昨年「ロボコン」での新人俳優賞に続き、今回は「世界の中心で、愛をさけぶ」で主人公のサクが高校時代に愛したヒロインの役で助演女優賞を受賞。頭が良くてスポーツ万能、同級生の憧れの的で健康優良児のようなアキだが、白血病に侵される。自ら髪を剃り、役になりきった演技でキラキラと輝いていた。一所懸命に“生きる”アキの姿に日本中が涙した。(静岡県出身)
優秀賞樹木希林「半落ち」


6度目の助演女優賞を受賞。今回の「半落ち」では主人公が殺した妻梶啓子の姉の役。妹を殺した義弟に対し「啓子は、梶さんのことを憎んでなかったと思います」の一言で物語が大きく展開していく。法廷で証言するシーンは正に圧巻。その確かな演技力で、作品のクオリティを上げる重要なキーパーソンとして常に位置する、日本映画界にとって貴重な存在。(東京都出身)
優秀賞田畑智子「血と骨」


93年「お引越し」で映画デビューし、多数の映画賞新人賞を受賞。2000年NHK朝のテレビ小説「私の青空」のヒロイン役に抜擢されて以降、テレビドラマ、舞台、CMなどで幅広く活躍。今回「血と骨」で初の助演女優賞を受賞。主人公金俊平の娘花子役。母と弟のことを思いやる心優しい娘だが、数奇な運命に耐え兼ねて最期は自殺するという悲しい娘を好演。 (京都府出身)
優秀賞土屋アンナ「下妻物語」


数多くのファッション雑誌やCMでカリスマトップモデルとして活躍し、ロックユニット“SpinAqua”(2002年CDデビュー)も結成。10代の女性から絶大な支持を得ている。女優デビューとなる「下妻物語」で新人俳優賞とダブル受賞。ヤンキーながら、どことなく可愛らしくもあり、憎めない白百合イチゴ役を熱演。今後女優としての活躍も大いに期待される。(東京都出身)
優秀賞YOU「誰も知らない」


88年、音楽グループFAIRCHILDでデビュー。鋭い観察眼と本音のトークで数多くのバラエティ番組で活躍中。映画への本格的出演は初めてとなる「誰も知らない」で、4人の子供たちを見捨てる母親役を演じる。世間的にはどうあれ、子供達からすれば大好きな母親。子供達との会話は自然で、ドキュメンタリー映画を観ているような独特の世界を創りあげている。(東京都出身)
優秀音楽賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞ミッキー吉野/岸本ひろし「スウィングガールズ」


「スウィングガールズ」全編に流れる往年のビッグ・バンド・ナンバーに対し、その合間を縫って入れてゆく劇判音楽の曲調と楽器編成の選定の難しさ。しかし、充実感、楽しさは、今までの作品中ピカ一(ミッキー吉野談)。このような素晴らしい賞を頂き、大変な驚きと喜びを感じております。監督を始め、この仕事に関係した全てのスタッフ、キャストに感謝いたします(岸本談)。( 1951年 神奈川県) ( 1952年 東京都 )
優秀賞岩代太郎「血と骨」


作曲家になりたいと決心した15歳の夏。そのずっと前から映画が大好きで仕方がなく、今日まで数え切れない程の映画から、数多くの感動や人々と出逢ってきました。そしてこれからも今日の至福を心の糧とし、一本でも多くの映画を通して、数多くの感動や人々と出逢いたいと願っております。初の受賞に際し、改めて関係者の皆様に衷心より多謝致します。~今回「血と骨」で初受賞。(1965年 東京都)
優秀賞寺嶋民哉「半落ち」


「半落ち」という素晴らしい映画にめぐり合ったことはとてもラッキーでした。と同時に、音楽の構想を進めていく段階でこれ程途方に暮れた作品も無かったかもしれません。最低限、役者の方々の演技やセリフを邪魔するようなことがあってはならないという思いで必死だったような気がします。この様な賞を頂けるとは夢にも思っていませんでしたが、大変嬉しく光栄に思っています。(1958年 熊本県)
優秀賞冨田勲「隠し剣 鬼の爪」


山田洋次監督の映画の音楽はいつも同じパターンでは行かず、毎回趣向を変えていますが、今回の「隠し剣 鬼の爪」で初めてのフル編成のオーケストラということで力を入れました。音楽的な考えや趣向が各々違う大勢の演奏者達が集まって、ひとつの目標に向って演奏するオーケストラが、幕末から明治維新にかけた波乱の時代に、大きく日本を変えた若者たちの生き様を描くには相応しいと考えたからです。(1932年東京都)
優秀賞めいなCo.「世界の中心で、愛をさけぶ」


ありがとうございます。とてもウレシイです。この素晴らしい作品に参加出来る機会を与えてくださった方々に感謝します。同時に、今まで私達「めいなCo.」二人をささえてくれた沢山の友達にもお礼を言いたいと思います。~86年、林海象監督作品の音楽を手掛けたのを切っ掛けにギター奏者浦山秀彦とキーボード奏者熊谷陽子とで結成。「世界の中心で、愛をさけぶ」で「GO」以来、3年ぶりの受賞となる。
優秀撮影賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞篠田昇「世界の中心で、愛をさけぶ」


撮影を、映画を、何より仲間を大切に思い、心から愛した人でした。彼の最後の作品が「世界の中心で、愛をさけぶ」であったことは、決して偶然ではありません。作品の中で「生命」と「愛」がこんなにも力強く描かれているのは、そこに彼の命がキラキラ輝いているから・・・そう思えてなりません。「ありがとう」。彼がニコニコして受賞を喜んでいます。( 妻、篠田いづみ談、1952年埼玉県、2004年逝去 )
優秀賞木村大作「赤い月」


我々の仕事は、人との出会いと次に向かって進む強い意志が大事なことだと思っていますが、「赤い月」では史杰さんという中国人に出合い非常に嬉しかった。そして19回目の優秀賞を頂き、次に向かって進む勇気を貰い、今迄の作品に参加して協力してくれたスタッフに有難う。感謝しています。~最優秀撮影賞の受賞は過去3回を数える。今回は、02年の「ホタル」以来の受賞である。(1939年 東京都)
優秀賞長沼六男「隠し剣 鬼の爪」


「隠し剣 鬼の爪」は、舞台も時代設定もほぼ前作と同様ですが、前作は家族の話、今回は男と女の話、それを考慮し、ややメリハリのある固めの画調を狙いました。障子越しの昼の明るさ、夜の行灯や囲炉裏、それらの明かりは、幕末の東北の下級武士の生活にどんな影響を与えたのか、これ等の光源の再現は登場人物の心情をどう表現できるのか、そんなことを考えながらの撮影でした。(1945年 長野県)
優秀賞長沼六男「半落ち」


「半落ち」では、CGなどの特殊な技術や特別な機材を使っての凝った表現方法は一切していません。しずかに正攻法で登場人物に向かい合うことがこの作品には最良の方法だと考えて実行しました。この素直なキャメラの目は作品にとってどうだったのか、そしてどう評価されるのでしょうか?ともあれこの企画に出会えたことが第一歩、何より幸運なことでした。(1945年 長野県)
優秀賞浜田 毅「血と骨」


今回「血と骨」で優秀賞に選ばれたことは、一所懸命携わったスタッフに対する御褒美と思い、代表して頂きたいと思います。大好きな原作を今この時代に映画化できる幸せと、それに参加できた誇りをしみじみと噛み締めています。私の生まれ育った昭和の時代を映像に少しでも刻めたのではないかと少々自負してます。ありがとうございます。~昨年の「壬生義士伝」に続く受賞。(1951年 北海道)
優秀照明賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞中村裕樹「世界の中心で、愛をさけぶ」


篠田昇さんとのコンビでの最後の作品が、沢山の方に観て頂き、猶且つ賞を頂けた事は感無量の思いです。作品を観る度、篠田さんの息づかい、情熱が鮮やかに蘇ります。03年の秋、共に心血を注ぎ繊細に且つ大胆に誰も観たことが無い映像を創ろうと誓い合って出来上がった作品です。受賞の喜びと共に謹んで篠田キャメラマンへの哀悼の意、そして心からの感謝を捧げます。( 1958年 熊本県 )
優秀賞渡辺三雄「赤い月」


マイナス30℃の冬ロケ、SARS(サーズ)発生による中断、晩秋での春ロケ、食事の合わない日々、そんな現場でしたが、日本アカデミー賞の優秀賞に選ばれ、いい思い出に変わりました。ありがとうございます。~00年、降旗康男監督作品「鉄道員(ぽっぽや)」で、最優秀照明賞に輝いた。02年の「ホタル」でも優秀照明賞を受賞。今回の「赤い月」で4度目の受賞となった。(1947年 福島県)
優秀賞中岡源権「隠し剣 鬼の爪」


山田監督時代劇、第2作目の「隠し剣 鬼の爪」にも参加出来た事に感謝します。無言の光(ライティング)が殺伐とした現在に、日本の慣習・風景・心情を大切に表現し、忘れ去られたモノに気付かせてくれる山田作品に、生きた映像効果を与えられたと喜んでいます。半世紀以上に亘り、多くの時代劇作品に携わって参りました。『受賞』の御褒美は大変嬉しいです。今後の励みになります。(1928年 奈良県)
優秀賞吉角荘介「半落ち」


今回も身に余る栄誉を戴ける幸運に恵まれました事、監督はじめ素敵なスタッフ・キャストの皆様方に改めて感謝致しております。今後も更なる機会が与えられます様に努力していきたいと思います。ありがとうございました。~01年、山田洋次監督作品「十五才 学校Ⅳ」での仕事が評価され、初受賞。今回の「半落ち」で4年ぶり、2度目の受賞となった。(1956年 三重県)
優秀賞髙屋 齋「血と骨」


「血と骨」に参加させて頂き、崔洋一監督を始め、キャスト、スタッフの気迫と熱気が肌で感じられる現場で仕事が出来たことは幸せでした。今回は様々な時代や場所が数多く設定されており、それぞれに合った空気感を表現することに腐心しました。苦労する部分もあった現場でしたが、出来上がった作品はそれを補って余りあるものでした。~02年、そして昨年と、最優秀照明賞を受賞。(1949年 青森県)
優秀美術賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞出川三男/西岡善信「隠し剣 鬼の爪」


江戸時代の地方の下級武士の生活は謎ばかりです。考証、調査、探索、想像、推理、憶測、そして創作、時代劇がますます面白くなってきました(出川談)。関係スタッフに与えられた賞だと思い大変嬉しいです。観客の方から「娯楽と芸術をうまく加味した作品に仕上がっている」との言葉を頂いた時は、参加した幸せをつくづく感じました(西岡談)。~「隠し剣 鬼の爪」で2度目のコンビ受賞。( 1936年 東京都) (1922年 奈良県 )
優秀賞磯見俊裕「血と骨」


大阪のあの場の空気を少しでも、と臨んだ「血と骨」での受賞、光栄です。一日の撮影で何年もの時代が遡ったりする厳しい条件での撮影が続き、装飾、装置、美術スタッフとも不眠不休の作業に朦朧となってしまいました。それを撮影、照明をはじめとするスタッフの皆さんに支えられての仕事でした。ありがとうございました。~今回、「血と骨」によって初受賞となった。(1957年 大阪府)
優秀賞福澤勝広「赤い月」


2002年10月下旬、もう真冬の大地・中華人民共和国黒龍江省黒河市に4人の日本映画スタッフが到着した。この街はロシアとの国境。東京から丸二日間の長旅でした。今思えば、この大地に呼ばれていた気がします。「赤い月」は、日本映画スタッフ、キャストと中国映画スタッフが数々の困難を克服し一体となり全力で作り上げた映画です。観て下さった全ての人々に、謝謝。(1960年 新潟県)
優秀賞山口修「世界の中心で、愛をさけぶ」


四国、高松、松山、特に、作品の舞台となった庵治町の素晴らしい環境、多くの人々の協力とスタッフの努力で作品の世界観を構築する事が出来、とても感謝しております。~一昨年、市川準監督作品「竜馬と妻とその夫と愛人」での仕事により、初の優秀美術賞受賞となった。今回は「世界の中心で、愛をさけぶ」により、2度目の受賞となる。(1946年 長野県)
優秀賞山﨑秀満「半落ち」


この度の受賞を驚きとともに、仕事を評価して頂いた結果として嬉しく受けとめています。「半落ち」は、いくつかの社会的テーマが根底にある重い作品で、「出会えて良かった」と思えるものでした。仕上がった時に確かな達成感があり、充実した時間を共に過ごす事が出来た監督、スタッフ、キャストの皆さんに深く感謝し、今後の仕事の糧としたいと思います。~昨年に続く受賞。(1954年 福岡県)
優秀録音賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞郡弘道「スウィングガールズ」


「スウィングガールズ」の受賞ありがとうございます。この受賞は監督はじめガールズ&ア・ボーイと作品に関係していただいた皆さんの結果であり大変嬉しく思っております。また現場録音で参加して頂いたスタッフ、日活スタジオセンターで作品に携わって頂いたスタッフの皆様へお礼申し上げます。ありがとうございました。~02年の「ウォーターボーイズ」以来、2度目の受賞。( 1954年 長崎県 )
優秀賞伊藤裕規「世界の中心で、愛をさけぶ」


この作品は、ベストセラー小説の映画化ということもあり、音作りにおいても映画的な表現を心掛けました。この映画が高い評価を得られたこと、たいへん多くの方々に観て頂けたことを嬉しく、そして誇りに思います。この賞を励みにこれからも日本映画の発展に貢献出来るよう頑張って行きたいと思います。~今回、「世界の中心で、愛をさけぶ」で初受賞となった。今後が期待される。(1964年愛知県)
優秀賞岸田和美「隠し剣 鬼の爪」


山田洋次監督以下のスタッフ、キャスト一同で全力を尽くし「隠し剣 鬼の爪」を創り上げた結果、この様な名誉ある賞を頂けた事を大変嬉しく思います。特に現場において、助手達と仕上スタッフの皆さんが大変協力的に動いてくれた事に感謝いたします。この作品では、台詞中心に観客が物語に集中できるよう、自然な雰囲気を大切にしたMIXを心掛けました。~今回で3度目の受賞。(1952年神奈川県)
優秀賞髙野泰雄「半落ち」


初めてこの様な名誉ある賞を頂き大変嬉しく思っています。「半落ち」は佐々部監督始め多くのスタッフ、キャストの想いが心に伝わってくる作品でした。最後の法廷シーンでは息詰まる重圧の中、一言一句溜息の一つ迄の芝居を録る、という作業に大変苦労しました。先輩の教えを大事に、これからも映画に携わっていきたいと思っています。投票頂いた皆様、誠にありがとうございました。(1964年東京都)
優秀賞武進/小野寺修「血と骨」


「血と骨」に参加出来た上、優秀賞まで頂けるなんて、とても光栄に思います。投票して下さった皆様に感謝申し上げます。これからも微力ながら日本映画のため頑張りたいと思います(武談)。ラストロールをMIXしていた時の感動は忘れられません。現場と仕上げのサウンドスタッフに感謝します。ありがとうございました(小野寺談)。(1953年福岡県)(1949年宮城県)
優秀編集賞
(C)日本アカデミー賞協会
最優秀賞宮島竜治「スウィングガールズ」


jazz特有の裏打ちリズムに泣かされて、編集していた自分が完成した作品を観て泣きました。本当はコメディ映画なのに可笑しいですね。矢口監督始めスタッフの皆さん、出演者の皆さん、そして、観客の皆さんが愛してくれた作品に参加出来ただけでも嬉しいのに、賞まで頂いてしまい感謝の言葉しかありません。~今回の「スウィングガールズ」で2度目の受賞となった。( 1967年 神奈川県 )
優秀賞石井巌「隠し剣 鬼の爪」


03年の「たそがれ清兵衛」、今回の「隠し剣鬼の爪」共に時代劇での受賞がとても嬉しいです。監督を始め素晴らしいスタッフと一緒に仕事が出来て本当に光栄です。編集で一緒に頑張った助手さんと仕上げの厳しい時に東京現像所の誠意ある対応と御尽力に深く感謝致します。~第26回日本アカデミー賞最優秀編集賞を「たそがれ清兵衛」で受賞。今回の作品で 5度目の受賞。(1933年 神奈川県)
優秀賞今井剛「世界の中心で、愛をさけぶ」


栄誉ある賞を頂いて光栄です。大ベストセラー「世界の中心で、愛をさけぶ」の映画化ということで、編集作業にも大変プレッシャーがかかっていた事を覚えています。クリエイティブなスタッフ、キャスト陣が集まり、話題だけではなく、大変見応えのある作品になったと思います。関わったすべての方に感謝したいです。ありがとうございます。~02年、「GO」で最優秀編集賞受賞。(1969年 静岡県)
優秀賞大畑英亮「半落ち」


今回「半落ち」の編集で予想外に優秀賞を頂く事が出来ましたが、不勉強で未熟な編集者がどうしてと考えた時、監督やプロデューサーを始めとし、撮影現場のスタッフや編集部と仕上げスタッフの皆さんから沢山のアドバイスや叱咤激励を頂けた事が受賞に結びついた理由だと実感しました。あらためてこの作品に参加させて頂いた事を皆さんに感謝しています。~今回初受賞となった。(1967年 東京都)
優秀賞奥原好幸「血と骨」


またこの賞を頂き、大変嬉しく思っています。当然のことですが素材が有ってこその編集です。この作品で長期に亘り、良質で豊富な素材を提供して下さった総てのキャスト、スタッフに感謝しています。そして、作業を進める中で恵まれた条件と環境を下さった製作者の皆さん有難う御座いました。楽しんで編集作業が出来ました。監督ありがとう。~今回の「血と骨」で5度目の受賞。(1954年 長野県)
優秀外国作品賞
最優秀賞ラスト・サムライ


「ラスト・サムライ」は日本の魂であるサムライ・スピリットに、ハリウッドが初めて真っ向から取り組んだ記念碑的作品と言っても過言ではない。長年の構想と、巨額の製作費をかけ、ハリウッドが持てる力のすべてを注ぎ込んで作り上げた大作は半端な代物ではない。そしてサムライ・スピリットは確かに国境を越えた。( ワーナー )
優秀賞シービスケット


1930年代のアメリカ。稀に見る大恐慌によって人々は仕事を失い、絶望のどん底で苦悩していた。彼らに鮮やかな希望の灯りを点したのは、大統領でも銀幕のスターでもなく、一頭のサラブレッドだった。この物語は、シービスケットに起死回生の生涯を賭けるべくめぐり逢った男たちの感動に満ちた歴史ドラマ。(UIP)
優秀賞トロイ


限りある命のすべてを自ら信じる愛のために捧げた情熱の男たち。人は己の情熱にこれほど正直に生きることが出来るのか。3000年に一度の愛、3000年に一度のヒーローたち。巨匠ウォルフガング・ペーターゼンが、見た者すべてに愛と命を懸けた情熱の力を甦らせる。2004年、「トロイ」は映画史に奇跡として刻まれる。(ワーナー)
優秀賞ミスティック・リバー


それぞれの心に傷を抱えて、少年たちは大人になった。25年後、3人は、悲惨な殺人事件を通して再び出会うことになる。ひとりは、容疑者として。苦しく、悲しく、しかしそれゆえに、生きていく力強さに満ちたもうひとつの「スタンド・バイ・ミー」がここにある。(ワーナー)
優秀賞ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還


壮大な旅が終わる時、世界は映画史上最大の感動でひとつになる-冒険ファンタジーの原点として愛されてきたJ・R・R・ト-ルキンの「指輪物語」の映画化3部作の完結編。果てしない旅の終焉。旅の仲間たちの運命は。指輪を捨てるその時は。初めて明かされる感動のクライマックス。(ヘラルド=松竹)
新人俳優賞
優秀賞平岡祐太「スウィングガールズ」


2002年第15回ジュノンスーパーボーイコンテストでグランプリを受賞。「スウィングガールズ」では、17名の高校生ビッグバンド唯一の男子メンバーでリーダー的存在。ちょっと頼りない小心者という感じもするが、実は几帳面で決める時は決める強さを内に秘めた、明るく親しみやすいキャラクターを上手に演じている。今後の活躍に注目したい。 (山口県出身)
優秀賞森山未來「世界の中心で、愛をさけぶ」


5才からジャズダンス、6才からタップダンス、8才からクラシックバレエを習う。5歳の頃から舞台を中心にテレビ、CM等で大活躍。「世界の中心で、愛をさけぶ」では、主人公朔太郎の高校時代の役を熱演。白血病に倒れた恋人亜紀の支えとなり、それに答えストレートに愛する姿は感動を呼び共感をも集めた。今後どこまで成長するか楽しみな逸材。(兵庫県出身)
優秀賞伊東美咲「海猫」


「海猫」で伊東美咲演じる野田薫はロシア人を父に持つハーフ。透き通るような白い肌、青みがかった瞳、スラリと伸びた肢体は主人公のイメージそのまま。夫と義弟との狭間で愛に苦悩する役を、新人とは思えない演技で好演し、大物の片鱗をうかがわせた。「この作品で、新しい自分に出会えた喜びみたいなものを感じた」という。今後の活躍を大いに期待したい。(福島県出身)
優秀賞上野樹里「スウィングガールズ」


中学時代は陸上部のエースとして活躍。「スウィングガールズ」での元気でイキイキとした今どきの高校生そのままに、楽しんでいるようで一所懸命な演技を見ていると思わず微笑んでしまう。雑誌やCMをはじめとして映画「ジョゼと虎と魚たち」、「チルソクの夏」、NHK連続テレビ小説「てるてる家族」、など次々と話題作へ出演する若手実力派。(兵庫県出身)
優秀賞土屋アンナ「下妻物語」


ファッション雑誌やCMのトップモデルとして活躍中。「下妻物語」で主人公のロリータ娘と友情を育むヤンキーの白百合イチゴ役で女優デビュー。ヤンキーという独特のキャラクターに臆することなく、独自の役作りで挑戦し、また一つ新たな才能を開花させた。NHK教育「イタリア語会話」にもレギュラー出演していたエポックメーカーは、一児の母でもある。(東京都出身)
優秀賞一青窈「珈琲時光」


故小津安二郎監督の生誕100年を記念して製作された「珈琲時光」で映画デビュー。侯孝賢監督が「ざっくばらんで、親しみやすい感じ」とひと目惚れしてヒロイン陽子役に抜擢。「いつもの自分と変わらないようにやればいい」と等身大の女性の心の揺れをナチュラルに瑞々しく演じきった。2003年、2004年とNHK紅白歌合戦連続出場の実力派歌手。(東京都出身)
協会特別賞
優秀賞伊地智啓「プロデューサー」


1936年、兵庫県生まれ。1960年に日活撮影所助監督部に入社しその後プロデューサーに転身、1978年に「最も危険な遊戯」で注目を集め、以後「太陽を盗んだ男」「あぶない刑事」「居酒屋ゆうれい」など個性豊かな多くのエンターテインメント作品を成功させた。最近作は「69 sixty nine」。
優秀賞斎藤昌利とそのスタッフ「音響効果」


1955年、福島県生まれ。1974年に日活撮影所録音部に入社、その後フリーとなり、1981年に音響効果技師として独立、「家族ゲーム」「夢」「鉄道員(ぽっぽや)」など初期作品から「血と骨」「スウィングガールズ」など最近作まで、一貫して音響効果の技術向上に貢献された。
優秀賞「ゴジラ」


1954年、巨大ヒーロー「ゴジラ」は誕生した。以来、50年間でシリーズ28本、実に延べ一億人の観客動員を達成。その間、世界70ケ国の喝采を浴び、アメリカ映画版も製作され、遂にはハリウッドにおいて「ウォーク・オブ・フェイム」に認証され、殿堂入りを果たした。
会長功労賞
優秀賞「世界の中心で、愛をさけぶ」「企画チーム」


小説「世界の中心で、愛をさけぶ」にいち早く着目し、独自の観点からその映画化を精力的に押し進める。そして製作された映画は、幅広い観客の支持を得て興行収入85億円という好成績を記録し、2004年度の日本映画の躍進に大きく貢献し、小説・主題歌のヒットと合わせて大ブームを起こした。
会長特別賞
優秀賞三橋達也


1923年東京都生まれ。1958年に松竹作品「ああ青春」で俳優デビュー後、文芸映画、喜劇、アクション、そして社会派ドラマと多彩なジャンルに意欲的に挑戦、その切れ味鋭い躍動的演技で多大な評価を獲得され、2000年の映画「忘れられぬ人々」にて毎日映画コンクール及びナント三大陸映画際で主演男優賞に輝くなど、生涯を通じて活動を続けた。また、当日本アカデミー賞協会発足より協会の組織委員等の要職を歴任され、その発展に大きく寄与された。
話題賞

作品部門:「スウィングガールズ」


俳優部門:長澤まさみ「世界の中心で、愛をさけぶ」